THE SOUNDS OF MITCH MURRAY
MURRAY氏ご本人公認

Hello Yokohama, Hello Japan.
I was so pleased to hear that I actually do have fans in Japan; Japan, as far as I know, had never been a major market for my songs and it's quite a surprise - and very gratifying -  for me to find that some people in Japan know me, and like my work. As far as I know, the only Japanese cover version of one of my songs was 'The Chicken Song', which was recorded and released over there by a Japanese comedian and his little daughter. It had been recorded in the UK by Freddie (of Freddie and the Dreamers) and appeared on the album I wrote and produced for his TV series, 'Little Big Time'
My sister lives in Australia, and every now and then, I fly over to visit her, usually breaking my journey for a couple of days in Kuala Lumpur, Singapore or Bangkok. Next time, perhaps, I'll go that extra distance and stop off for my first visit the The Land Of The Rising Sun.
Good luck to all of you.

〜 06年初夏、MITCH MURRAY氏からHOT VINYLへ寄せられたメッセージ

COMPILED by HOT VINYL店主

LAST UPDATED 10/1/16
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JOHNNY ANGEL
62 PARLOPHONE 45-R 4948
A BETTER LUCK NEXT TIME ★★★★
MASON
B THE POWER OF YOU
マレーの職業作家としての活動最初期の自信作。でもクレジットはなぜか‘Mason’(当時の盟友BARRY MASONか)。この曲と一緒に各レコード会社にプロモートして回っていたのが「How Do You Do It」だということがよくわかる、明るくワクワクするようなマレー臭が強いPOPナンバー。ただしアレンジは古臭くあくまでビート以前のサウンド。半年後くらいに誰かが再演した音を聞いてみたかった。
MARIAN ANGEL
66 CBS 202391
A A LITTLE BIT OF SUNSHINE
B ALL THE TIME IN THE WORLD ★★★
STEVE HIETT / MITCH MURRAY
いわゆる‘IT'S NOT UNUSUAL’ビートで、ちょっとカリプソっぽい明るいアレンジの曲。1分半たらずの曲だが、さわやかで終始親しみが持てるメロディーだ。ANGELはちょっと真剣に歌いすぎでは?
DOROTHY BAKER
63 PARLOPHONE R 5040
A TRY BEING NICE TO ME ★★
REED - MURRAY
B A LITTLE LIKE LOVIN'
とろけるように甘く美しい。この手の曲には不釣合いな強めのドラムにビート時代を感じる。おそらくREEDの作曲にMURRAYの作詞だろう。とくにマレーらしさは感じられないが、当代きっての人気作家がこういう裏街道的なバラードでも活躍していたというのは、面白い。B面のはっちゃけたビート・ナンバーの方が売れ線だったろうに。
ALEXANDER BELL
67 CBS 2977
A ALEXANDER BELL BELIEVES ★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
B A HYMN . . . WITH LOVE ★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
両面とも美しい曲ではあるが、‘らしくない’ため評価は高くない。このBELLなる人物はBULLDOG BREEDやFLYSのボーカリストとしても活躍したROBIN HUNTのこと。POPスターにしては声が渋いし、エンゲル系シンガーにしては軽い。パッパヤ〜系の軽やかなメロディーに乗り切れていないのが惜しまれる。
THE BIG THREE
63 DECCA F 11689
A BY THE WAY ★★★★
MITCH, MURRAY
B CAVERN STOMP
リバプール出身の実力派3ピース・コンボの代表作。63年7月に22にチャートしている。彼らの芸風にそぐわないミッチーなメロディの曲だが、まぁ時はマージービート・ブーム真っ盛り、こういう曲じゃなきゃリリースもままならなかったろう。しかし、作者クレジットにはなぜ‘,’入り?
BITTER SUITE
74 BUS STOP BUS 1020
A GOODBYE AMERICA ★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
B DRIVIN' ★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
BUS STOPレーベルから3枚のシングルを残しているPHIL BRODIE率いるバンド。ヨーロッパで少々話題になっただけでほとんどインパクト無し。曲そのものも、時代らしいと言えばらしいがヒット性には欠ける。BUS 1018も同カップリングのリリースだが単なる出し直しか。
KIM & KELLY BRADEN
67 COLUMBIA DB 8312
A DIDN'T I ★★
MURRAY, CALLANDER
B YOU'RE LEAVING - SHE'S LAUGHING - I'M CRYING
女性デュオ。CBSのGUY DARRELLと共作だがこちらの方がリズムが早くてPOP度高くできも良い。ただしやはりあまりマレーらしさは聞かれない。CBSのGEORGIE FAMEがやりそうなへヴィーな演奏自体には好感。
THE BROTHERS
77 BUS STOP BUS 1054
A SING ME
P
B LOVE DON'T CHANGE ★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
GREENSLADE兄弟によるA面はレゲエ。ここでのメインのB面は、明るいPOPチューン。ディミニッシュ・コードがなかなか効果的に使われている。親しみやすいメロディーは聴かれるものの、MURRAY作曲であることの必然性に欠ける。私のようなものが期待に燃えて針を落とすと、期待はずれだった、という意味だ。
SANDRA BROWNE
63 COLUMBIA DB 7109
A YOU'D THINK HE DIDN'T KNOW ME ★★
REED - MURRAY
B MAMA NEVER TOLD ME
これもおそらくマレーは作詞の面での貢献だろう。バディー・ホリーの「Rainin' In My Heart」みたいな美しいメロディーのスロー・チューンだが、サビのあたりの盛り上がりはブリティッシュ。ブラウンは実力派。安心して聴いていられるナイス・チューン。B面は声色を変えてのビート・ナンバー。
TOMMY BRUCE
66 RCA VICTOR RCA 1535
A MONSTER GONZALES ★★
P
B I HATE GETTING UP IN THE MORNING ★★★
MITCH MURRAY P
ものすごくワルそうなBRUCEは、MURRAYのお気に入り。62年には彼を起用して自作曲のDEMOバージョンを作ろうと画策したほど。驚くことに両面ともノーザン・ソウル。ALAN TEWの強力ブラスが心強い。B面曲のBメロ部分にMURRAY節が覗くが、ミッチー度は高くない。ただし両面ともグレードは高く、シングルとしてはかなりオススメ。A面曲の展開の愉快さはMURRAYの功績だろう。
CARAVELLES, THE
68 PYE 7N 17654
A THE OTHER SIDE OF LOVE ★★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER
B I HEAR A NEW KIND OF MUSIC ★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER
5〜6年前に一時代を築いていた軽いボーカルのガール・デュオ、そのボーカル・スタイルはそのままにヘヴィーな演奏のPOP作。最高の出来だが、これは演奏、アレンジ、プロデュースに負うところが大きい。メロディー自体は、まずまず、という言葉以上の修辞は与えられない。B面も同じような感じのPOP作。レーベルに‘An Intune Production’という文字が見られるので、おそらくプロデュースもマレーだろう。
   残念ながらこのアセテート盤のレーベルにはMITCH MURRAYの名は入っていませんでした。
CARTER-LEWIS & THE SOUTHERNERS
63 ORIOLE 45-CB 1868
A YOUR MOMMA'S OUT OF TOWN ★★★★
M. MURRAY
B SOMEBODY TOLD MY GIRL
数年後にヒット曲を量産することになるCARTER=LEWISのプロジェクトのデビュー曲がマレーの曲だったんですね。まさにこれぞミッチ・マレー!、というとびきり明るくハッピーなメロディー。演奏は意外と格調高く、ビートとは少し距離があるノリというのが面白い。この曲に限らず、どうもイギリスでは女の子にちょっかいを出す際にはその子のお母さんが邪魔になるようだ。日本だとお父さんが大敵なのに。
TONY CHRISTIE
70 MCA MK 5049
A GOD IS ON MY SIDE
MURRAY , CALLANDER
B A THING CALLED LOVE
完全なおやじPOPSで、マレーらしい決定的なフックのある快活なメロディーは聴かれない。作家デビュー当初から‘MITCH MURRAY’とフル・ネームでの記載に固執していたマレーだったが、なぜかここまで来て名字だけ。音楽として聴けば、ちょいハネのナイスPOPだ。
TONY CHRISTIE
71 MCA MK 5064
A I DID WHAT I DID FOR MARIA ★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
B GIVE ME YOUR LOVE AGAIN ★★★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
トム?と思わずにいられないそのボイス。軽快なハネのリズムが入った、アッパーなおやじPOPS。でもスゴいぞ、チャート2位。B面ではボイスを替え、タッタカタッタカとノリが良好。FOUR TOPSばりのかなりゴキゲンなノーザン・チューン。だんぜんB面を推します。後にJOHNNY JOHNSONがカバーしていますね。←今は高額化
TONY CHRISTIE
71 MCA MKS 5073
A (IS THIS THE WAY TO) AMARILLO ★★
P
B LOVE IS A FRIEND OF MINE ★★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
ニール・セダカ作のA面曲は‘シャラララ〜’というコーラスも愉快なアップテンポのPOP曲で18位を記録。しかしおやじPOPSの範疇。ちょっとバカラックっぽいスローなB面曲のメロディーは秀逸。ゆるやかなストリングスに心身ともに委ねてのんびり聴きたい。
TONY CHRISTIE
72 MCA MKS 5089
A DON'T GO DOWN TO RENO ★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
B SUNDAY MORNING
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
またまたちょっとトム。ニール・ダイアモンドばりの大円団ソング。MURRAYのプロダクションでここまで派手にストリングスが使われているのも珍しい。B面はしっとり落ち着いた3拍子のバラード。
TONY CHRISTIE
72 MCA MKS 5095
A MY LOVE SONG
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
B CELIA ★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
大団円的ビッグ・スケールを誇る曲。残念ながら私はこういう曲の批評をできる能力は無い。お、急にテンポ・アップか。聴かせどころはあるようだが、私が求めるマレーらしさは感じられない。イントロから快活なB面は、いわゆるUKソフロ好きには大いにアピールするだろう。
TONY CHRISTIE
73 MCA MUS 1199
A LOVE AND RAINY WEATHER ★★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
B LIFE WITHOUT YOU ★★★
MITCH MURRAY P
私が求めるマレーらしさは聴かれないが、これは誰も文句を言えないくらいの美しい曲。こういう濃い声が映える曲。きっとしっかり計算づくなのだろう。ヘヴィーなオーケストレーションで始まるB面曲もじつは快活でナイス・メロディー。オルガンの音がいいアクセント。
SANDRA CHRISTY
73 BUS STOP BUS 1010
A HOW CAN WE DOUBT
P
B TURN ON THE SUN ★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
アイドル系なのか。本人はお堅く歌っているがアレンジはきらびやかなゆるめのバラード、歌謡曲みたい。格別マレーらしさは感じられず。B面はナナ・ムスカリが歌った過去のヒット曲の焼き直し。POP度が増してこっちのほうがハッピー感に溢れている。
COOL BREEZE
74 BUS STOP BUS 1023
A DO IT SOME MORE ★★
P
B CITIZEN JONES ★★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
ガール・ボーカル・グループ。自らの息がかかったレーベルで、ユーロヴィジョン・コンテストを意識したかのような、のびのびとしたメロディー、アレンジの楽曲に仕上がった。こういう気張らないボーカルが似合うのが、MURRAYの曲の特徴だ。
COOL BREEZE
75 BUS STOP BUS 1027
A YOU GOTTA LOVE ME MORE ★★
P
B TURN ON THE SUN ★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
BUS STOPレーベルとは縁深いARNOLD-MARTIN-MORROWがA面を書いて、B面はNANA MOUSKOURIでヒットさせていた曲。両面共MURRAYはプロデュースしているが、参加意欲に燃えていたとは言えない。それでも快活なナイス・ソングに仕上がっている。ヒットからは遠かったが。
COOL BREEZE
76 BUS STOP BUS 1042
A SLEEP WITH YOUR BOOTS ON, BILLY ★★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
B SHY BOY ★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
PAPER LACEのヒット曲の主人公にブーツを履かせただけでなく、なんとなくイントロからの曲調もそれらしい。マレー系メロディは顕著だし、まずまずのヒット・メロかとも思えるが嗚呼。。中華歌謡みたいなB面曲は異色。でも両面とも少々ディスコ時代を意識か。
CUPID'S INSPIRATION featuring T. RICE-MILTON
69 CBS 4722
A WITHOUT YOUR LOVE ★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
B DIFFERENT GUY
軽いメロディーに合わせた質素なつくりの曲。MURRAYの甘めのメロディーに、このアクの強いボーカルは似合わない。彼らはNEMSレーベルでヒットを出しているが、この曲もあそこまで濃いアレンジ、プロデュースが施されていれば、ちょっと違う評価ができたかもしれない。
GUY DARRELL
67 CBS 202642
A CRYSTAL BALL
B DIDN'T I ★★
M. MURRAY / P. CALLANDER
DARRELLはあんまり歌の上手くないアイドル系(?)。ちょっとソウルフルでナイス・ビートなシングルをCBSに何枚か残している。本作は、MURRAYには珍しい4つ打ちにヘビーなブラスで、楽曲としては面白いが、ミッチー度は低い。CHRIS FARLOWEあたりに歌わせていたら、MOD CLASSICの名曲として名が残ったかもしれない。
MAXINE DARREN
65 PYE 7N 15796
A HOW CAN I HIDE IT FROM MY HEART ★★★★★
MITCH MURRAY, MICHAEL CARR
B DON'T YOU KNOW
この時代のPYEのプロモ盤は作曲者クレジット無しというのは不本意。しかしこれは傑作だろう。メロディーも優れているが、アレンジ、プロダクションも完璧。作詞力も評価したい。ミドルのソロ・ギター・パートで泣けます。こういうセンチメンタルな疾走感あるビート・ナンバーはマレーには珍しい。レギュラー盤を入手し次第紹介します。
MAXINE DARREN
65 PYE 7N 15796
A HOW CAN I HIDE IT FROM MY HEART ★★★★★
MITCH MURRAY, MICHAEL CARR P
B DON'T YOU KNOW
P
09年夏、ようやくレーベルに作者の名前入りのレギュラー盤を入手。なんとプロデュースも両面ともにマレーであることが判明。GOOD JOB ! そしてA面に劣らず人気のあるB面曲の作者DEREK QUINNって、FREDDIE & THE DREAMERSのリード・ギタリストじゃないか。彼もナイス・ライターですね。マレーが‘デレク、ちょっと1曲書いてくれよ’と頼んだ、という仮説はどうだろうか。
KIKI DEE
63 FONTANA 2977
A EARLY NIGHT ★★★
M. MURRAY
B LUCKY HIGH HEELS
実力派ガール・シンガーのデビュー・シングルのために、FONTANAがリキ入れて用意した曲。疾走感溢れるビートに流れるようなメロディーというまずまずの曲だが、16才の少女には少々大人びた楽曲だったようで、チャートするには至らなかった。まず歯の矯正を命じて、KIKIという芸名を与えたのもMURRAYだった。
ANGELA DEEN
64 FONTANA TF 491
A THERE'S SO MUCH ABOUT MY BABY
B GOTTA HAND IT TO THE BOY ★★★★
MITCH MURRAY
上記2枚のMAXINE DARREN、KIKI DEEの曲を気に入った方にはツボ。疾走感あるビートのガール・シンガー。イントロから歌が入るところ、そしてソロ・パートとかなりマレー節強し。これは宝物。たった1枚のシングルで消えた彼女。この盤を入手しないと聴けないレア音源。
VAL DOONICAN
68 PYE 7N 17616
A IF I KNEW THEN WHAT I KNOW NOW
B A LITTLE BIT OF YOU ★★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER
系統で言えば、おやじPOPS。しかし、甘いメロディー全開のこのB面曲は、おやじPOPSと呼ばれることを拒否している。アレンジが変われば、そのままFOUNDATIONSが歌える。子守唄に近いようなやさしいサビ部分に、ミッチー臭が感じられる。
DEV DOUGLAS
64 PARLOPHONE R 5102
A I'M WRITING TO THE GUY WHO STOLE MY GIRL ★★
MITCH MURRAY
B I NEED YOU
活動初期にコメディ・タッチの作品を多くPARLOPHONEからリリースしているが、これもそのうちの1枚に入れてよいと思う。DOUGLASは声優や俳優としても活躍。ビート時代のヒット曲とはまったく作風を異にするが、期待をこめて聞くと、ほらそこかしこにマレーらしさが。
THE ECHOES
63 FONTANA 267254 TF
A CLOAK AND DAGGER
B SOUNDS LIKE WINTER ★★★
M. MURRAY
最初期の作品。ECHOESは軽いインスト曲を得意とするPOPバンドだが、本作もMURRAYには珍しくインスト曲。Bメロでの、おなじみバックでのジャラ〜ンというコード弾きが印象的。その部分の展開、メロディーは間違う事なきミッチー節。シャンシャンと鳴るタンバリンがなんだかとってもいい感じ。
GEORGIE FAME
67 CBS 3124
A THE BALLAD OF BONNIE AND CLYDE ★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER
B BEWARE OF THE DOG
20年代がテーマの映画のサントラで、それらしいSE入り。なぜかこの時期にはこういう曲調が流行っていた時期で(ESTHER & ABI OFARIMの‘CINDERELLA ROCKEFELLA’も1を獲得)、マレーにとって久々の特大ヒットとなり自身想い出深い曲だそうだ。そんな彼には悪いのだが、どうもマレーらしくないメロディーで私は楽しめない。ヘヴィーなSTAX風のB面曲の方がよっぽど魅力的だ。
GEORGIE FAME
68 US EPIC 5-10347
A KENTUCKY CHILD ★★
P. CALLANDER - M. MURRAY
A HIDEAWAY
「Bonnie And Clyde」の2番煎じ的な曲調でフェイムにはお似合い。68年のこの手の曲といえばMR & MRS MURRAYの「You're Outa Your Mind」。この時期、マレーはボードヴィル調のハッピーな曲に凝っていたようだ。ところでこの曲、イギリスではリリースあったのだろうか?
WAYNE FONTANA
65 FONTANA TF 642
A IT WAS EASIER TO HURT HER
B YOU MADE ME WHAT I AM TODAY
MITCH MURRAY / ROBIN CONRAD
マレーが手がけた、おそらく最初のオヤジPOPS路線。WAYNE FONTANAにとっては、MINDBENDERSと別れての1枚目。オヤジPOPS路線を目指したのは慧眼だったが(LONG JOHN、TOM JONES、ENGEL等々60年代後半はその路線が大ヒット)、ちょっと時期が早かったようだ。それなりによくできた曲かもしれないが、ミッチー度は微塵も感じられない。
WAYNE FONTANA
66 FONTANA TF 889
A JEANNA
LES REED / MITCH MURRAY
B WE ALL LOVE THE HUMAN RACE
いきなりブラジリアンでアッパーなノリ。もう何をやってもうまく行かないウェイン・フォンタナのヤケクソか。リードと組んだときには作詞をすることが多かったとマレー本人が言っているが、この曲もおそらくそうだろう。ダイナミックで面白い曲だと思うが、マレーらしさは感じられない。ぜひトムに歌って欲しかった曲だ。レーベル表記が2種類存在する。
FREDDIE & THE DREAMERS
63 COLUMBIA DB 7086
A I'M TELLIN' YOU NOW ★★★★★
GARRITY - MURRAY
B WHAT HAVE I DONE TO YOU ?
エレキ・ギターのコード弾きだけで強烈に曲を印象付ける手法は、MURRAYの得意技。イントロからミッチー節全開。こういう曲がヒットしていた時代って、やっぱり平和でノンビリしていた時代だろう。長続きしないんだけどね。米チャートで1位になったから、フレディは相当儲けたはずだ。
FREDDIE AND THE DREAMERS
63 COLUMBIA DB 7147
A YOU WERE MADE FOR ME ★★★★★
MITCH MURRAY
B SEND A LETTER TO ME
代表作の1つ。マージービート・ブームの根幹を支えていたのは、まさにこのミッチー節だった。明るくて誰にでも親しみやすいこのメロディーは、おバカでコミカルなフレディにピッタリ。本作までもアメリカで1を獲得してしまったのだから、恐ろしい。フレディ自作のB面曲の凡作ぶりを聴けば、本曲がいかに際立ってできの良い曲か、ということが分かるだろう。
FREDDIE AND THE DREAMERS
64 COLUMBIA DB 7322
A JUST FOR YOU ★★★★★
MURRAY
B DON'T DO THAT TO ME
私が10代の頃、彼らのベストCDを聴いていてしばらく退屈な曲が続いていたが、突然世界が明るくなった。この曲が聴こえてきたのだ。凡作の中にポツンと置かれると、やっぱりミッチー節は燦然と輝く。甘いメロディーでバカのひとつ覚えの愛の歌だが、頻繁で巧妙なコード・チェンジ、不思議なオルガンの音(?)にはウットリさせられる。あんまり売れなかったのは時代か。
FREDDIE & THE DREAMERS
68 COLUMBIA DB 8496
A LITTLE BIG TIME ★★★★
MITCH MURRAY - PETER CALLANDER
B YOU BELONG TO ME
スローめでアコースティックなアレンジの、やさしく分かりやすいメロディーをフレディーが丁寧に歌う。奇跡の1曲だろう。マレーらしく前向きでハッピーなメロディーで、明日もがんばろうという気にさせられる。ここでは制作サイドの仕事ぶりも大きく評価しておこう。見つけたら即買い必定だ。フレディーのソロ名義のB面曲もグッド。
FREDDIE AND THE DREAMERS
63 COLUMBIA 33SX 1577
A DRINK THIS UP IT'LL MAKE YOU SLEEP ★★
MURRAY
B
1stアルバムから。マレー風に作られた曲であることは分かるが、珍しくLPのみに収録という扱いをされたこともうなづける凡作。フレディーもはっちゃけて歌えばよかったのに、マジメに歌っている。マージービート系では唯一の二つ星評価。
FREDDIE GARRITY
74 BUS STOP BUS 1017
A HELLO KIDS ★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
B IT'S GOOD FOR YOU ★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
70年代に入っても、そのキャラを生かして子供番組のプレゼンターを務めたりと、それなりに忙しかったフレディ。本作はその子供向けテレビ番組のテーマ・ソング。FOUR TOPSみたいなノリノリのイントロ、ブレーク、パーカッション等々、聴き所が多いナイス・ソングだ。B面も美しいメロディの佳曲だが、時代柄か、両面ともどうもミッチー度が高いとは言いかねる。
FREDDIE GARRITY
74 BUS STOP BUS 1017
A THE CHICKEN SONG ★★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
B POOH ! POOH ! POOH ! ★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
上述盤と同じTV番組から。‘クワックワッカッカー’と親しみやすいリフのメロディーがマレーらしい。フレディのナイス・キャラにテーラー・メイドだ。B面も似た曲調で、得意のキャハハ声もしばらくぶりに披露。リッチなアレンジがいい。両面ともフレディのナイス・ボーカリストぶりが際立つ名パフォーマンスだろう。
猫八ファミリー (NEKOHACHI FAMILY)
74 東芝EMI (TOSHIBA EMI)  TP-20144
A チキンソング (THE CHICKEN SONG)
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER
B ようがすネ (YOUGASUNE)
これだったのか、冒頭でマレー氏が触れていたのは!マレー・ワークス日本代表。幼き招き猫ちゃんが見事な歌声を披露。フレディのバージョンより少し格調高いアレンジで、どちらかというと‘みんなのうた’系。しかし当然のことながら、こちらのニワトリの声はプロ。この曲をわざわざカバーしたことにもワケがあったのだ。
FREDDIE GARRITY
BUS STOP BUSLP 5002 74
LITTLE BIG TIME
PRODUCED by MITCH MURRAY and PETER CALLANDER
68年から断続的に続いていたフレディがメイン・キャストの子供向け番組のサントラ・アルバム。これぞマレー・ファンのマスト、上記シングル曲の他ほぼ全曲マレーの書き下ろし!番組プロデューサーANGUS WRIGHTの裏ジャケのコメントによると‘ショーのための音楽は素晴らしくなければならない。この2人以上の作家チームがあるだろうか。’と。エンターテイメントこうあるべし、という見本のような音楽集。シングル収録の曲以外の解説を以下に。
A
@:HELLO KIDS
A:THE CHICKEN SONG
B:PENNIES FROM HEAVEN
C:FOOD GLORIOUS FOOD
D:LET THE SPIRIT SHINE
E:IT'S GOOD FOR YOU
F:THE POOH POOH POOH MARCH
AD「 Let The Spirit Shine 」
散歩中に思わず口ずさみたくなるようなハッピーな曲。ダンサブルな曲が多いアルバムだが、これはちょっと泣きのラインもあるノーザン・ソウルと言ってもいいかも。フレディの高音がよく伸びているボーカルを褒めたい。

蛇足だが、アルバム中いちばんいいなぁ、と思ったのはAB。アレンジ、プロデュースのせいかものすごーくマレー臭がするのだが、JOHN BURKE=ARTHUR JOHNSTONというチームによる作品。
★★
B
@:THE POOH POOH POOH MARCH
A:SWEET LIPS
B:IT'S BEHIND YOU
C:JASPER AND TAFF
D:REMEMBER THE GOOD TIMES
E:ORANG-UTAN
F:POOH ! POOH ! POOH !
A「 Sweet Lips 」PAPAER LACEが演りそうな正統派70'sPOPナンバー。アルバム中いちばんマジメな?曲。 ★★★
B「 It's Behind You 」トラッドぽいイントロだがリフの部分にマレー臭が強い。ボーカルとコーラスの掛け合いがよい。 ★★★
C「 Jasper And Taff 」これは「 The Ballad Of Bonnie & Clyde 」の歌詞を変えたもの。JASPERとTAFFが劇中でどんなキャラなのか気になる。 ★★
D「 Remember The Good Times 」イントロのリフからサビまで、これはアレンジを変えればそのままビート・ナンバーになる。63年のノリで聴いてみたい。でもこういう曲こそマレーが若き時分から聴き慣れ親しんできたものだと思う。 ★★★★
E「 Orang-Utan 」これはKINKS「Apeman」のノリ。GREENAWAY = COOKも書きそうなハッピー・ソング。 ★★
GERRY AND THE PACEMAKERS
63 COLUMBIA DB 4987
A HOW DO YOU DO IT ? ★★★★★
MITCH MURRAY
B AWAY FROM YOU
BEATLESが2ndシングルのために準備した曲だったが、「Please Please Me」で行くことになったのでGERRYにお鉢が回ってきた。これもGERRYの明るいキャラとの相乗効果で、特大の1ヒットを記録。BEATLESのもったりとしたバージョンよりも、こちらのほうこそヒット・チューンだろう。この曲によって、MURRAYは一躍ヒット・メーカーとしての地位を確固たるものにした。
GERRY AND THE PACEMAKERS
63 COLUMBIA DB 7041
A I LIKE IT ★★★★★
MITCH MURRAY
B IT'S HAPPENED TO ME
前作に続いて文句なしの1ヒット。単純で誰でもすぐに覚えられるイントロのハッピーなリフは、まさにGERRYにテーラー・メイド。‘ヒットした前曲の路線を継げ’という鉄則を守り、「How Do You Do It」と同じく主旋律最初の音が1オクターヴ上がるメロディーをわざわざ作ったそうだ。
GERRY AND THE PACEMAKERS
63 COLUMBIA SEG 8311
A
B YOU CAN'T FOOL ME ★★★★
MITCH MURRAY
「I Like It」に似たリフに、やはりオクターヴで動く上下動の多いダイナミックなメロディーのアップ・テンポな曲。LPの中でひときわ輝いていた。ジェリーの歌唱力とバック・コーラスの巧みさがすばらしい。これはおそらくもともとシングル向けに用意された曲だと思う。作曲者名がしっかり見られるEPでわざわざ紹介。
GRAZINA
72 CHAPTER ONE SCH R 160
A IT'S MY PARTY
P
B ANSWER (DO YOU LOVE ME) ★★
MITCH MURRAY, PETER CALLANDER P
何年かリリースから遠ざかっていた愛妻GRAZINAにあてがったのは、ご存知の有名曲。斬新なアレンジのA面に比して、凡百なPOPソングであるB面曲にミッチー節を聴くことはできない。曲としては悪くないのだが。
THE GUV'NERS
63 PICCADILLY 7N 35117
A LET'S MAKE A HABIT OF THIS ★★★★★
L. REED, M. MURRAY
B THE KISSING HAD TO STOP
イントロからの強烈なリフ。ミッチー節満開で最高。この時代にこのスタッフで作られた曲で、パフォーマンスも文句無し。これはヒットしなかったのが不思議だなぁ。マージービート時代のMURRAYの作品の中でも、3本の指に入る傑作だろう。
HEATHMORE
69 PYE 7N. 17734
A HOME ISN'T HOME ANYMORE ★★
MITCH MURRAY, PETER CALLANDER
B BLACKMORE PRISON
完全にエンゲル系のおやじPOPS。MURRAY独特のHAPPYなチューンを期待して聴くとまったく面白くないが、メロディーを丹念に拾っていくと意外やナイス・メロディー。これはマニア向けだ。(オレ?)
JOHNNY JOHNSON & HIS BANDWAGON
73 EMI EMI 2011
A GIVE ME YOUR LOVE AGAIN ★★★
MITCH MURRAY - PETER CALLANDER
B ALL THE WAY
彼らの持ち味であるノリが活かされた快作。最高だね。しかしこれはアレンジ、プロダクションの勝利。ストリングスとブラスのコンビネーションはこれ以上無い爽快さ。メロディーはまずまず、ジョンソンの相変わらず投げやりなシャウトも絶好調。マレーの仕事抜きに(してはいけないのだが)、こういう作品はもっと多くの人に聴かれて欲しい。
KATHY KIRBY
68 COLUMBIA DB 8521
A COME BACK HERE WITH MY HEART
B ANTONIO
MITCH MURRAY - PETER CALLANDER
日本で言うところの‘太郎’がイタリアの‘ANTONIO’。A面曲がイタリア語の副題を持つイタリア絡みだからか、イタリア系に強いCALLANDERにB面曲のお鉢が回ってきたのか。格別マレーらしさの感じられないDIXIELAND風ナンバー。ゴージャスな実力派美人シンガーKIRBYが歌えばサマになる。
CLEO LAINE
63 FONTANA 267270 TF
A IT LOOKS LIKE THEY'RE IN LOVE
L. REED & M. MURRAY
B I'M A DREAMER, AREN'T WE ALL
マレーの回想によると、作詞だけでの貢献のよう。このタイトルはちょうど新しい彼女とラブラブだったある友人の様子から思いついたそう。こういう身の回りのことから作詞の着想を得るのは得意だったとのこと。
MANFRED MANN
69 FONTANA TF 1013
A RAGAMUFFIN MAN ★★
MURRAY, CALLANDER
B A ‘B’SIDE
これは意外だった。この曲がMURRAY作だったなんて、ノーマークだった。ダボのボーカルのアクが強いせいもあるだろうが、どう聴いてもマンフレッズ節が強いオリジナル・ソングに聴こえる。MURRAY自身によるデモ・テイクはバブルガムっぽかったという。当初の曲名は「Mr Ragamuffin」。試行錯誤の末、MANFREDの名字をもじって‘MAN’を付け加えたという。
CATHERINE McKINNON
66 POLYDOR BM 56706
A UNTIL IT'S TIME FOR YOU TO GO
D
B TEN THOUSAND MILES
米ネイティブ歌手BUFFY SAINT-MARIEの名曲のカバー。DIRECTIONつったって、MURRAYは何をしたやら一聴しても分からない。二聴三聴しても分からない。アコースティック・ギターとストリングスを使用した3拍子のきれいな曲なのだが。
MISTER MURRAY
65 FONTANA TF 623
A DOWN CAME THE RAIN ★★★
MITCH MURRAY / ROBIN CONRAD P
B WHATEVER HAPPENED TO MUSIC ? ★★★
MITCH MURRAY / ROBIN CONRAD P
美しいメロディーのバラード・チューン。が、どうなんだこの展開は!ムード歌謡ばりの男くさいボーカルが、急にコメディー・ソングに??婚儀当日の花婿のシャウトは強烈だ。メロディーは悪くない。30位にチャートしたというのも、MURRAYの勢いか。B面はミュージック・ホール調のボードヴィル・ソング。そこかしこにミッチー節が。
MISTER MURRAY
66 FONTANA TF 674
A I DRINK TO YOUR MEMORY ★★
MITCH MURRAY / ROBIN CONRAD P
B I WAS A GOOD SONG ( I Look At You ) ★★
MITCH MURRAY / ROBIN CONRAD P
イントロからぼやきが入るムード歌謡。終始酔っ払って語っている。バックには美しいストリングスとコーラスが。いったいこのプロジェクトは何なのだろう?B面もオールド・タイミンな音楽をバックに語りっぱなし。急にサッチモ乱入。と思ったら、70年代のパワーPOPがカット・イン!結局、このプロジェクトは2枚のみだった。
MR. & MRS. MURRAY
68 CBS 3633
A YOU'RE OUTA YOUR MIND ★★★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER
B A LITTLE BIT OF YOU ★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
夫婦名義での唯一のシングル。これを聴くと、MURRAYの歌唱も達者だということが分かる。2人の掛け合い、ハモりが痛快な、ミュージカル・タッチの最高にハッピーな曲。日本でなら、ビールのCM曲に採用されそうだ。B面はピアノとヴァイヴがメインのやさしいメロディー。
NANA MOUSKOURI
70 FONTANA 6010 036
A TURN ON THE SUN ★★
MURRAY / CALLANDER
B OPEN YOUR EYES
元祖眼鏡ちゃん。ギリシャ系の女性シンガーだが、日本語を含む多くの国の言葉で作品を残している。70年前後はイギリスを活動の拠点としていて、同タイトルのアルバムも残すなど、一応この時期の代表作と言えるかもしれない。ハッピーな曲で童謡のようなシンプルさを前面に出している。
MUD
70 PHILIPS 6006 022
A JUMPING JEHOSAPHAT ★★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER
B WON'T LET IT GO
泣きのメロディーが入った導入部で引っ張っておいて、畳み掛けるような音数の多いサビ部分で盛り上がる。70年代向けにリシェイプされたミッチー節の好例だろう。馬の蹄のようなパーカッションが愉快だ。
MURRAY'S MONKEYS
65 PYE 7N. 15800
A GIPSY ★★★★★
MITCH MURRAY P
B I'LL BE HERE ★★
MITCH MURRAY P
‘1曲だけ聴いて死ね’と言われたら、オレはこの曲を選ぶね。ファルセットとハープシコードが曲の印象を決定付けている中、ちょっと女々しいJOHN SHAKESPEAREのボーカルが美しいメロディを紡ぐ。あぁ、こんな素晴らしい曲を知らないなら、あなたは不幸です。
MURRAY'S MONKEYS
65 PYE 7N. 15800
A GIPSY ★★★★★
MITCH MURRAY P
B I'LL BE HERE ★★
MITCH MURRAY P
ムー、これほど作者クレジットを入れないというPYEプロモーション盤の特質を恨めしく思ったことは無い。。。発売日が明確になるというのは良いけどね。
MURRAY'S MONKEYS
65 HBR HBR-469
A GIPSY ★★★★★
M. MURRAY P
B I'LL BE HERE ★★
M. MURRAY P
なんと、アメリカでもリリースされていました。それもPS付きで。そのPSは両面同デザイン。プロモーション盤のレーベルでは、なぜかサルは1匹に。
MURRAY'S MONKEYS
65 HBR HBR-469
A GIPSY ★★★★★
M. MURRAY P
B I'LL BE HERE ★★
M. MURRAY P
レギュラー盤ではしっかり複数形に変更されています。
THE MITCH MURRAY CLAN
66 CLAN 597001
A SKYLINER ★★★★★
B A LITTLE BIT OF YOU ★★★
制作スタッフにMURRAYの名が入っていないので、どう関わっているのか推測しかねるが、本人の名が冠されている以上、ここで取り上げねばなるまい。A面曲はノリノリのブラスとストリングスをフィーチャーしたインスト曲。この胸をすく爽快感はどうだろう!これ以上の音楽が、いったいこの世にどれほど存在するというのか。B面曲はファズ・ギターとブラスをフィーチャー、一転重めのPOPインスト。
LADY MURRAY
67 CLAN 597002
A MR. ABERCROMBIE TAUGHT ME ★★★
MURRAY - CALLANDER P
B IN MY IMAGINATION ★★★
MURRAY - CALLANDER P
LADY MURRAYとは、妻GRAZINA。彼女は、様々な仕事をこなしてきた名うてのセッション・ボーカリスト。‘GRAZINA FRAME’という本人名義のリリースもあるが、本作が結婚後最初のリリース。フリフリのスカートの裾を振りながら、音楽にあわせて歌っているかのような、陽気なミュージカルチックなスウィート・チューン。かまととボーカル振りは健在だ。
THE NATURALS
64 PARLOPHONE R 5202
A LOOK AT ME NOW ★★★★★
MITCH MURRAY
B IT WAS YOU
何度でも言おう。本作こそが、マージービートの最高傑作だと。高い演奏能力がある彼ら。英ビートには珍しいちょっと深めのエコーの効果はバツグンで、イントロからの強烈なミッチー節に圧倒されっぱなし。ギターのジャラ〜ンというコード弾きが、催眠効果をも持ちえたという、まさに奇跡の1曲。もう完璧。子々孫々にまで、この曲のことは伝えてゆく決意だ。
THE NATURALS
64 PARLOPHONE R 5202
A LOOK AT ME NOW ★★★★★
MITCH MURRAY
B IT WAS YOU
レーベルだけでも神々しく輝いて見えるので、プロモーション盤もご覧に入れます。MURRAY氏自身も認める会心の1曲だ。
BRAD NEWMAN
63 FONTANA 267273 TF
A I'LL FIND YOU ANOTHER BABY ★★★
M. MURRAY / B. NEWMAN
B NO MAN SHOULD EVER BE ALONE
M. MURRAY / B. NEWMAN
グループでの活動歴もあるけれど、ソロ・デビューは前年62年にこのFONTANAから。そこそこのヒットを出したけれど、売れっ子とは言えない彼。時代の音楽ですな。A面はバッタGOFFIN=KING。B面はダルいバラード。マレーらしさは感じられないが、両面ともにマレー作というのはちょっといいね。
PAUL NEWMAN AND THE X'CALIBURS
67 MERCURY MF 969
A AIN'T YOU GOT A HEART ★★
P. CALLENDER / MITCH MURRAY
B TEARS ON MY PILLOW
ファズ・ギター、サビでの盛り上がりは、この時代のヒット・チューンに共通の法則なのだが、MURRAY作であることの必然性が無い。いかにも低予算な音なのが難点。相棒の名前のスペルを間違えているぞい。
THE NEXT OF KIN
69 MCA MK 5018
A MERRY CHRISTMAS ★★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER
B SUNDAY CHILDREN, SUNDAY MORNING ★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER
スカとロックステディーの中間のノリと、マレー特有の明るく口ずさみたくなるナイス・メロディーのコンビネーション。ボーカルの掛け合いが楽しいB面も同じようなノリ。こういうタイプのバンドにマレーの曲が取り上げられるのも珍しい。意識して書いたのか、こういうノリでカバーされたのか、気になるところだ。
THE NIGHTMARES
65 SCEPTER SR 12105
A I HATE GETTING UP IN THE MORNING ★★
MITCH MURRAY P
B VERSA VICE ★★★★
MITCH MURRAY - ED SILVERS P
実態あるグループか、英盤はあるのか知れず。翌年TOMMY BRUCEに再録させたからには自信のある曲だったのか。ここではB面のインスト曲を推したい。63年に歌詞をつけて誰かに歌わせればヒットを記録したであろうナイス・メロディー。65年では甘ったるすぎてヒットたりえなかっただろう。ゲス・フーの前身バンドのカナダ時代にそっくりな曲があるが関連はあるのか??同じレーベルだし。
PETER NOONE
76 BUS STOP BUS 1034
A WE DON'T NEED THE MONEY ★★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
B LOVE DON'T CHANGE ★★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
誰もが苦しんだ70年代初頭の低迷期を経て、復活を狙ったハーマン君。歌唱力が大幅にアップ、良質のPOPソングとしてしっかりとアピールできている良作だろう。甘めのナイス・メロディーで、このレーベルでのマレーの仕事の中では、大いに評価したい。こんな曲名だが、90年代にヌーンは破産の憂き目にあっている。
PETER NOONE
77 BUS STOP BUS 1057
A GOODBYE SAM, HELLO SAMANTHA ★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
B CAN I PUT MY SONG IN YOUR HEART ★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
なぜかクリフのヒット曲をリメイク。おっと、今日これを書いている07年2月18日、近所のパシフィコ横浜でクリフのコンサートだ。で、このカバーだがちょっとレゲエちっくなゆるいノリ。なかなか良い。B面曲はちょっとクオリティが低く安いつくり。
PAPER LACE
74 BUS STOP BUS 1014
A BILLY - DON'T BE A HERO ★★★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
B CELIA ★★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
70年代MURRAYワークスの中の稼ぎ頭の彼らの出世作。口笛のリフがハッピー。ちょっとレゲエチックなリズムを導入、聴くものを惹きつける。泣きのメロディーときれいなコーラス。これはナイス・チューンだ。1になったのもうなずける。B面も華があるPOPチューン。70年代のMURRAYの作品のよき具現者の最良のサンプルといえる1枚。
PAPER LACE
74 BUS STOP BUS 1016
A THE NIGHT CHICAGO DIED ★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
B CAN YOU GET IT WHEN YOU WANT IT ★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
確かにサビ部分のフックはプロの仕事。しかしそれ以外はどうもヌルさが充満していて、米1位、英3位のヒットになったとは、今からでは想像に難い。B面はこれといって特徴の無いPOPソング。フェイドアウト前の長いギター・ソロはなかなか爽快だが。
PAPER LACE
74 BUS STOP BUS 1019
A THE BLACK EYED BOYS ★★★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
B JEAN ★★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
曲の作りはWIZZARDそっくり、時代の音だ。ブラス・コンボを使ったリフのメロディーが印象的。見事に11位を記録。B面は、この時代にしては甘めのナイスPOPチューン。
PAPER LACE
74 BUS STOP BUS 1024
A HITCHIN' A RIDE '75 ★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
B LOVE - YOU'RE A LONG TIME COMING ★★★
MITCH MURRAY , PETER CALLANDER P
VANITY FAREでおなじみのヒット曲を74年にもなって強引にカバー。オリジナルとは構成も変えてユルユルのノリ。当然ヒットせず、この後PAPER LACEはBUS STOPを離れてしばらく泣かず飛ばずの時代に入る。明るくPOPなB面曲はマレーらしいナイス・メロディー。
PAPER LACE
75 BUS STOP BUS 1026
A SO WHAT IF I AM ★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
B HIMALAYAN LULLABY ★★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
売れ線を狙って強引にフックを効かせたものの、どうもメロディー自体が単調。ソロ・ギターのところは陽気で良いが。B面はちょっともっさりとした暗めのPOPナンバーだがメロディーはとても親しみやすく評価しておきたい。彼らの色に合っている。
PAPER LACE
BUS STOP BUSLP 8001
PAPER LACE . . . AND OTHER BITS OF MATERIAL
PRODUCED by MITCH MURRAY and PETER CALLANDER
BUS STOPレーベルには珍しいLP。シングル曲以外の新曲は無いけれど、おそらく選曲からアレンジまで、当然ながらプロデュース以外でもマレーの貢献が大きいアルバム。「Happy Birthday Sweet Sixteen」、「Cheek To Cheek」、「Sealed With A Kiss」等の往年のPOPヒットが70年代風マレーの仕事で聴けることが最大の魅力。英盤は意外と珍しい。よく見る米盤はBUS STOPレーベルではないので、英盤を見つけたら見逃す手は無い。POP ROCKの名曲が詰まったハッピーな1枚。
LANCE PERCIVAL
63 PARLOPHONE R 5071
A DANCING IN THE STREETS TONIGHT
B THE BEETROOT SONG ★★
MITCH MURRAY
‘If you like beetroot, I'll be true to you’というお笑いソングを歌うのは、パーロフォンの重鎮コメディアン。DICK JAMES、GEORGE MARTIN、RON RICHARDSといったEMIの重要人物に次々と認められていったMURRAYの天賦の才はこの曲からは窺えないが、MITCHプロ作家デビュー契約第一号という記念すべき1曲。ちなみに、A面曲はお笑いを超えた名ビート・ナンバー。
PETERS AND LEE
73 PHILIPS 6006 307
A WELCOME HOME
B CAN'T KEEP MY MIND ON THE GAME
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER
男女デュオ。「思い出のグリーングラス」みたいななごみ系。きれいにハモっていて、そこそこのメロディー。しかし、まったくミッチー度を感じることはできない。
GREGORY PHILLIPS WITH THE REMO FOUR
64 PYE 7N 15593
A EVERYBODY KNOWS ★★★★★
MITCH MURRAY
B CLOSER TO ME
ドコドコとドラムが終始鳴っている上を、やさしいメロディーが流れてゆく。PHILLIPSは17才のやさ男。金玉の存在を疑わせるような猫撫で声が、とっても曲調にマッチ。ちなみに、B面曲もかなりの優秀なマージービート。MURRAY作と言われても、疑う余地は無いほどのでき。両面のクオリティということから考えれば、本盤は最高レベルの1枚だと言える。両面とも五つ星だ。
PINKERTON'S COLOURS
67 PYE 7N 17327
A MUM AND DAD ★★
CALLANDER MURRAY
B ON A STREET CAR
ひ弱なボーカルが醸す独特の寂寥感がいい味を出している彼ら。メロディーは悪くなくてフックもあるのだが、サビが無い!?盛り上がりに欠け、これではヒット曲たりえない。
RICHIE PITTS
75 BUS STOP BUS 1029
A 'SCUSE ME MA'AM (I DID IT ON AN IMPULSE) ★★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
B DON'T TAKE THE NAME OF LOVE IN VAIN ★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER P
このレーベルでも有りそうで無い、両面共に黄金コンビによる作品。プロデュースまでやっていて意気込みも感じられ、メロディーやコード進行もこの時期のマレーらしい快活でPOPなもの。PITTSはBUS TOPでリリースの有るFANTASTICSのメンバーであった経歴もある米人で、イギリスに居ついたSOULシンガー。ただしあまり魅力的な声ではないかなぁ。ウネウネしたB面曲は異色。
TOMMY QUICKLY
63 PICCADILLY 7N 35137
A TIP OF MY TONGUE
B HEAVEN ONLY KNOWS ★★★
MITCH MURRAY, BARRY RAPAPORT
レノン=マッカートニーの捨て曲のB面に滑り込んだコミカルでかわいらしい曲。マージービートの典型的なつくりで、個人的には大好き。ただしこじんまりとしすぎていて、やっぱりB面止まりだったと言わざるを得ない。せっかくリバプールのスターが満を持してロンドンにやって来ての第1弾なのだから、両面とももっと気合いを入れて臨むべきだったろう。ちなみに、A面曲はプロモ盤のみエコーが深いミックス。
CLIFF RICHARD
70 COLUMBIA DB 8685
A GOODBYE SAM, HELLO SAMANTHA ★★
MITCH MURRAY - PETER CALLANDER - GEOFF STEPHENS
B YOU NEVER CAN TELL
この頃のマレーにはこういうレゲエ調リズムの曲が多い。もちろん大ヒットを記録したのだが、それはクリフだったからこその成績だろう。どうもたいしたメロディーではないし、他のシンガーだったらどれだけ売れたか疑問だ。そう考えると、計算づくで‘クリフで売れる曲’、を書くことが出来たスタッフは誉められるべきだろう。
CLIFF RICHARD
73 EMI EMI 2012
A POWER TO ALL OUR FRIENDS
B COME BACK BILLIE JOE ★★
MURRAY - MaCAULAY
クリフもMURRAYの曲の常連。ラグタイム調のハッピーな曲調に、クリフの歯切れのいい明るいボーカルはよく合う。いかにもイギリスっぽいナイス・ソングだ。
DICKIE ROC
72 PYE 7N 45137
A LOT 109 ★★
J. STEPHENS, PETER CALLANDER, MITCH MURRAY P
B TEARDROP ON TEARDROP
M. MURRAY, PETER CALLANDER P
60年代はロッカーだったアイルランド人。そんな彼も時代の波か、おやじPOPSで勝負。A面はナイス・メロディーに強いベース・ラインと派手なストリングスがからむスロー・ダンサー。尾崎紀代彦が歌いそうな歌謡曲っぽい。B面はちょっと弱気。とくに目立った印象無し。
JOHN ROWLES
68 MCA MU 1023
A HUSH . . . NOT A WORD TO MARY
MITCH MURRAY, PETER CALLANDER
B THE NIGHT WE CALLED IT A DAY
エンゲル系おやじPOPS。しっかりとサビの盛り上がりだけは忘れない。12位にチャートしているのだから、ちゃんとこの世界でも成功を収めていた。
TERRY SCOTT
62 PARLOPHONE 45-R 4967
A MY BROTHER ★★
MITCH MURRAY
B DON'T LIGHT THE FIRE 'TIL AFTER SANTAS GONE ★★
MITCH MURRAY
全マレー・ワークス中最も入手困難にして最も高額なレコード。俳優、コメディアンであるSCOTTのレコードとしては上々。ビート系で頭角を現したマレーとは違う駆け出しのマレーの仕事らしい愛らしい曲と歌詞。B面のXMAS SONGが格別に美しい。
TERRY SCOTT
62 PARLOPHONE 45-R 4967
A MY BROTHER ★★
MITCH MURRAY
B DON'T LIGHT THE FIRE 'TIL AFTER SANTAS GONE ★★
MITCH MURRAY
待望のレギュラー盤。
SANDIE SHAW
67 PYE 7N. 17272
A PUPPET ON A STRING
B TELL THE BOYS ★★★★
PETER CALLANDER, MITCH MURRAY
67年という時代には珍しいオリジナル・ミッチー節を楽しめる。インパクトのあるサビ部分からのスタート、そして終始そのサビがメイン。通常のシングルならば、こちらがA面でもじゅうぶんヒットを狙えただろう。しかし、本盤はA面がユーロビジョン出品曲、オマケに優勝しちゃったような特徴ある曲だったのだ。
SANDIE SHAW
70 PYE 7N. 17894
A BY TOMORROW ★★
MITCH MURRAY, PETER CALLANDER
B MAPLE VILLAGE
日本人にはこのリズムはおなじみ、いわゆる尾崎紀世彦系のゆるいファンク・ビートだ。この時期のサンディーはヒットが出ずもがいていた時期、CHRIS ANDREWS作のフリー・ソウルっぽいB面曲の方が彼女らしいヒット・チューンにも聴こえるのだが。
DOUG SHELDON
63 DECCA F 11654
A LET'S MAKE A HABIT OF THIS ★★★★★
MURRAY, REED
B I WAS ALONE
POP畑にアピール度が強いマレーの曲だが、SHELDONは当時としてはどちらかというとロッキンなシンガー。同じ曲を取り上げているGUV'NERSのバージョンと比べるとこちらの方がずっとハード。63年のDECCAらしさ(音がBIG THREEの「By The Way」と似ている)が詰まった名パフォーマンスだろう。
STUART SMITH
68 POLYDOR 56271
A SHE'S A WOMAN NOW ★★
CALLANDER / MURRAY
B WHERE DID HOLLY GO ?
LOVE AFFAIRとエンゲルの中間くらいのPOPチューン。ブラス、ストリングス、派手なドラミングで否が応にも盛り上がるが、その中庸ぶりがいけない。シャウトするならもっとやれ!おやじPOPS狙いならもっと唸れ!
SOUNDS OF LES & MITCH
63 PHILIPS 267265 TF
A WHY CAN'T WE LOVE ★★★
L. REED / M. MURRAY
B DON'T WAKE ME UP ★★★
L. REED / M. MURRAY
63年という時代にしてはヘヴィーなサウンドのビートPOP。デモがそのままリリースされてしまったもの。なんとなく、ビートルズを意識した曲かな、と推測できる。この豪華ライター・コンビによるレコードが存在したことに感謝。この1枚は、私がミッチ・マニアであることを知っていたあるお客様からの贈り物なのだ。感謝感謝!
CANDY SPARLING
63 PICCADILLY 7N 35096
A CAN YOU KEEP A SECRET ? ★★
MITCH MURRAY
B CHARM BRACELET
番号から判断するに、まだビートルズ旋風が吹き荒れる前のリリースか。まだまだ米POPSの模倣の域を出ておらず、キャッチーなリフはあるものの凡庸なメロディー。SPARLINGはカマトト・ボーカルのナイス・ガール・シンガーなのだが、同じくPICCADILLYでの前作ともに楽曲に恵まれなかったよう。MURRAYには珍しくカップリング負けしている1枚だ。
LEE STIRLING WITH THE BRUISERS
63 PARLOPHONE R 5063
A I COULD IF I WATED TO ★★
MITCH MURRAY
B RIGHT FROM THE START
新進気鋭のビート・バンドが、飛ぶ鳥を落とす勢いのマレーの曲を採用。ただし曲自体は‘マージービート’以前の古風なヒット・チューン風。凡庸と言わざるをえない。ただしファルセットを多用したスターリングのパフォーマンスはたいしたもの。彼は後にダニエル・ブーンという名で活動をする。
THE TREMELOES
67 CBS 2930
A EVEN THE BAD TIMES ARE GOOD ★★★★
P. CALLENDER / M. MURRAY
B JENNY'S ALRIGHT
胸をすく爽快なメロディー。こういう曲を演って見せることこそ、POP BANDの真骨頂だろう。
THE TREMELOES
67 CBS 3234
A AS YOU ARE ★★
MITCH MURRAY / PETER CALLANDER
B SUDDENLY YOU LOVE ME
MURRAYにしては珍しくマイナー調のPOPソング。彼ら得意のコーラス・ワークが冴えているが、耳に残る決定的フレーズに欠ける。
TUESDAY'S CHILDREN
67 PYE 7N 17406
A BABY'S GONE ★★★
PETER CALLANDER / MITCH MURRAY
B GUESS I'M LOSIN' YOU
ダミ声に甘いメロディー。一筋縄ではいかないコード進行が面白いが、このメロディーにはやっぱりヤサ男の声が似合う。キラキラしたサウンド・プロダクションもイマイチ輝ききれていない。翌年にはDAVE BERRYも取り上げた曲だ。
VANITY FARE
69 PAGE ONE POF 158
A HITCHIN' A RIDE ★★
MITCH MURRAY - PETER CALLANDER
B MAN CHILD
笛系のノーテンキな音と単調だが力強いピアノが作るリフが印象的。たいした曲ではないのだが、中盤でいきなりGROOVYに「Venus」みたいになる展開はいい味付け。これはプロダクションの勝利。しかしそこには‘単純’で‘強力’で‘印象深い’曲を書くという、マレーの緻密な計算があったからこそだろう。日本を含め、大ヒットを記録した。
MARK WYNTER
62 PYE 7N 15492
A GO AWAY, LITTLE GIRL
B THAT KINDA TALK ★★
MITCH MURRAY
WYNTERはまだ10代のPOP歌手。アイドル然とした軽いノリにMURRAYのメロディーは合うはずだが、肝心のメロディーがまだまだ古臭い。ビートルズ登場以前、21才のMURRAY最初期の貴重な記録という以外に特別の意味を持ち得ない。実際、A面曲がヒットしたおかげで(6)、ソングライター志望のビンボーくんは食いつなぐことができたのだ。(本人談)
69 INTUNE LTD
A DRIVIN' ★★
MITCH MURRAY - PETER CALLANDER
会員Tさんが楽譜つきアセテートを入手。(粛々と活動を進める彼に拍手) レーベルの盤ではなくて、音楽出版社の盤だというところがミソ。演者が誰かという記述は無い(おそらくこのアセテートのためのみに臨時に雇われた誰か)。この盤を業界に回して、正式に録音するアーティストを探すのだ。ここではしっかりとバンド形式で録音された形態になっているが、この手の盤ではメロディー・ラインが分かる程度のラフなものだったりすることもある。で、この曲だが、「Hello Sam, Goodbye Samantha」や「Hitchin' A Ride」といった同時代のヒット曲と同系統で、アップ・テンポの明るいナンバー。74年に‘BITTER SUITE’の‘BUS 1020’のB面で取り上げられている。
71 INTUNE LTD
A FRANKIE
MITCH MURRAY - PETER CALLANDER
このアセテート盤を聴く限り、アコースティックで抑揚の無いやさしい曲。おそらくプロの手腕が各所に発揮されているのだろうが、私の好きなPOPソングのフックに欠ける。残念ながら誰が発表することになった曲かも分からない。こういうのを完成バージョンを聴くことなく論評するのは心が痛むところだ。
  70? INTUNE LTD
A TURN ON THE SUN ★★
MURRAY / CALLANDER
元祖メガネちゃん、NANA MOUSKOURIのヒット曲。このアセテート盤には付き物の楽譜コピー無し、なのか欠落なのか。これが面白いのは、MOUSKOURI本人が歌っていること。リリースされたバージョンと比べるとキーは高くピッチは遅め、楽器やコーラスはミニマム。他にもアレンジやエンディング等異なるところが多い。デモ用に製作されたものだろう。MOUSKOURIマニア悶絶のアイテムと音源か。私にとってはレーベルにも何処にもMURRAYの名が入っていないので面白くないが。
64 HOW TO WRITE A HIT SONG
B. FELDMAN & CO. LTD.
80年代以降は作家業が忙しくなったマレーだが、本作がその著作第一号。写真と実例を示しながらヒット曲が生まれるまでをユーモラスに見せる。FREDDIE & THE DREAMERSの録音風景から、お金持ちになったマレーが颯爽と高級車に乗り込む様(やらせ?)まで、当時の英音楽業界の様子が凝縮されている。教則本としての体もなしていて、このメロディーに詩をつけてみよう、この詩にメロディーをつけてみよう、という企画もあり、ひじょうに興味深い。そのメロディー、詩ともにマレー書き下ろしで、おそらく他の何処でも発表されていない作品だ。音楽出版社やレコード会社のリストまで附記されており、やっぱりDENMARK STREETという住所が多いのには、ちょっと顔がニヤつく店主である。ちなみに、少年時代のSTINGはこの本に大いに触発されたということだ。

新しいレコードを入手し次第、随時UPします。

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