右主翼下の前輪。触って、かがんで、覗き込んで、いろいろ勉強になりました。
本機の全体の写真は、撮れませんでした。`輪切り’になっている風貌があまりにも痛々しくかわいそうで…。
操縦席近辺のみの輪切り展示なので、こういう場所から内部を見られるというのはタマラナイ。ボディーの中から、座席が取り外されている操縦席前方を覗いている、というアングル。これも、世界で最高のサンプル。機銃は取り去られているものの(上部の弧内から、機銃尾部がこちらに突き出すように設置されていた)、これだけ計器がオリジナルで残っているのは、この機体のみ。色彩も見事。左側上部の青いレバーは、20mm機銃の発射握り。右手で操縦桿、左手で発射握りを持って、獲物を追うわけだ。その青いレバーの下の、木製の握りが付いたレバーが、エンジンのスロットル。海軍機は手前に引くと出力が上がるが、陸軍期は向こうに押すと出力が上がった。バカな違いである。
私がここを訪れる最大の理由は、日本海軍の零戦(れいせん)の一部があるからだ。零戦なら世界を探せば何機もあるが、ここのだけは決定的な違いがある。1945年に連合軍に接収された際のままの零戦の姿を見ることができる、唯一のサンプルなのだ。上の写真は主翼前縁部のアップだが、主翼の濃緑色、前縁部の黄橙色がまさに当時の色なのだ(オリジナルが好きなのです)。おまけに、さわり放題!沈頭鋲(←分からない方はどうぞご来店下さい)の具合も好きなだけ観察できる。脳汁がダラダラと出っぱなしになるのが自分でもよくわかる。
入館すると、まずは大物の展示フロア。フォッケウルフもスピットファイアも仲良く翼を並べています。左側にそびえる緑色のV2ロケットにしてもそうだが、ドイツ国内ではナチスの鉤十字マークを人目に触れさせることは違法だそうなのだが、被害国側(戦勝国)では堂々と展示できるというのはどういうものか。戦車や大砲、装甲車なども数多く展示されていて、側面がくり貫かれていて試乗(?)できるのも、マニアにはたまらないだろう。(私はとくべつ戦車には興味なし) そしてイギリスらしいと思うことは、小中学生が学校の行事として見学に訪れていることだ。日本だったら子供の目から遠ざけようとする類のものだが、美術館などには遠足で行くのだから、不思議でないといえば不思議でないか。
ものすごく威嚇的な館の外観。こんなものが市の中心部に威風堂々あるのだから、物騒だとしか言いようが無い。砲の向く先には、普通に人家があった…。





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