HEATHER
「No One In The Whole Wide World」


RITAとBENNYのKING夫妻が経営するレコード屋から派生した、スカ等ジャマイカ音源の配給を得意とするレーベル、その名もR&B DISCS。そしてその傘下に設立されたレーベルがこれまた夫妻の名前から取って付けたKING。主に米国のソウル/R&Bやポップス、カントリーやアイルランド産のポップス等ニッチな音源を配給していたこのレーベル。わずかながら自国のアーティスト達の音源の制作・リリースをしており、今回紹介する女子歌手HEATHERのシングル「I'll Come Softly」もそのうちの1枚。A面は同系レーベルR&Bが63年に配給していたジャマイカの女子歌手HORTENSE ELLISの楽曲のカヴァーしたもの。近年はノーザンソウルやポップコーンといったマニアックな界隈で高い評価を得ており話題になっている様子。ここではそうしたA面にすっかり隠れてしまった感のあるB面「No One In The World Wide World」を紹介。こちらは典型的な60年代英国ガールポップといった趣で、63年辺りにありがちな作風といった感じで本盤のリリース年の65年という時期を考えるとやや時代錯誤な感じもするが、このレーベルの垢抜けなさ具合と妙にマッチしていて不思議な感じがしない。作曲を手掛けたBILL PARKINSONは人気歌手TOM JONESの伴奏グループとして活動していたSQUIRESの元メンバーだったとか。プロデュースを担当しているRICHARD HOLMESは人気物まねグループBARRON KNIGHTS等を手掛けている人。

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