JON FORD
「You've Got Me Where You Want Me」


本国でヒットを記録せずとも英国で配給されている楽曲ならまだしも配給されてもいない楽曲を取り上げるなんて・・・・・・と感心すること多々ある英国レコード事情。誰も知らないカッコいいレコードをかけるDJの感覚と同じように他の誰も知らない、なおかつカッコいい楽曲をカヴァーしようという雰囲気が当時の英国音楽界にはあったのだろうか?今回紹介する68年にデビューした歌謡ポップス系歌手JON FORDの本盤もそういった好例だろう。前年に米国の作曲家/歌手LARRY SANTOSが米国のレーベルEVOLUTIONからリリースした、全くヒットしなかった作品を取り上げたもの。躍動するビートに所謂込み上げ系なメロディが乗った歌謡曲的な作品。60年代後半からPHILIPSで良質のサイケポップ的な作品を手掛けているKEITH ROBERTSによる分厚いアレンジも本盤の完成度の高さに一躍買っている。原曲のLARRY SANTOSヴァージョンがノーザンソウルとして高い評価を得ていることもあってか、その珍カヴァーとしてだろうか近年FORD盤も評価が上がっているそうな。

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