THE MERSEYBEATS
「Fortune Teller」


62年のBEATLESの登場を発端に生まれたビートブーム。その中でも勢いのあったのがBEATLESと同じリヴァプール出身の所謂マージービート勢。今回紹介するシングルは、その名もMERSEYBEATSの記念すべきデビュー盤。A面「It's Love That Really Counts」はこの時期から英国で旬となりつつあった米作曲家BURT BACHARACHの作品。メロウなタッチと彼等のキャラクターのミックスが効を奏してか全英第24位とまずまずの小ヒット。今回はそのB面「Fortune Teller」を紹介。原曲はニューオリンズR&B歌手BENNY SPELLMANがヒットさせた作品(作曲はALLEN TOUSSAINT)。同郷の元SEARCHERSのTONY JACKSONが自身のグループを率いてカヴァーしたことでも英国ビートファンにはお馴染みか。R&Bにロックンロールの勢いを加味させたようなテイストがリヴァプール勢の好みに合ったのか、実にシックリくる仕上り。レーベル側が用意したであろうA面と違ってB面は彼等の趣味が反映されたちょっと通好みの黒っぽい選曲。先の原曲やTONY JACKSONのヴァージョンがここ数年ノーザンソウルやモッドをはじめとするサークルで評価が高まっており、そんな煽りを受けてか本ヴァージョンの評価も上がっている。

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