TOMMY BURTON COMBO
「I'm Walking」


スカをはじめとするジャマイカ系音源のカタログでよく知られるレーベルBLUE BEAT。数は少ないもののそれ以外のジャンルの音源も制作・リリースしており、今回紹介するTOMMY BURTON COMBOもその1つ。リーダーで歌手/ピアノ奏者(サックスやギターも演奏するそうな)のBURTONを中心に結成したR&B系ロックコンボで、主にウェスト・ミッドランド州で活躍、かの地での音楽シーンを盛り上げた立役者的な存在だそうな。本盤はそんな彼等の唯一のシングル盤。A面「Lavender Blue」はレーベルの性格を考慮してなのか、裏打ちリズムを取り入れたスカ調のポップだったが、ここで紹介するB面「I'm Walking」はストレートなR&Bロック。米国ニューオリンズの人気R&R/R&B歌手FATS DOMINOが57年にリリースした楽曲をカヴァーしたもの。FATSのヴァージョンはテンポの速めのR&R調な仕上がりだったが、BURTON達のヴァージョンは豪快なロック調に仕上げた。本盤のリリース時は世間ではビートサンドが席巻していた時期、確かにギターのフレーズを聴くとそうした影響も感じなくはないが同時期にR&Bを演奏していたビートグループとはちょっと違う。この武骨でファニーな(?)雰囲気は後のパブロックのノリに近い気がする。リリースしたレーベルやサウンド等を考えるとこの時期の英国では一風変わった存在だったのかもしれない。

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