TRACY
「Follow Me」


69年にCOLUMBIAからデビューしたマイナー系女子歌手TRACY、本盤は同年にリリースした2枚目「Follow Me」。60年代の英国ポップスによくある縦ノリ型ビートの上に印象的なホーン、ピアノを配したアレンジに歌のお姉さん系(?)の伸びのある歌唱を聴かせてくれる彼女。後半の間奏部分でのグルーヴィなオルガンもこの時期の英国ポップスならでは。曲名の下には‘The Baying Wolves Theme’となるから映画か何かのテーマ曲だったのだろうか。作曲したのはオーストリア出身の作曲家NORMAN CANDLER(ここでは本名のG.NARHOLZ名義)で、同年にドイツの女子歌手MONIKA GRIMMが「The Singing Shell」のタイトルで英国でリリースした楽曲のカヴァーだそうな。ちなみにGRIMMのヴァージョンにはドイツの作詞家がドイツ詞を付けているそうで、こちらのTRACYのヴァージョンはカナダ出身の歌手/作曲家のJACKIE RAEが英語詞を付けている。リリース年が同じ故におそらく競作という形だったのかもしれないが、どちらもヒットしなかった様子。プロデュースは作曲家としても活動していたBOB BARRATT、そしてこのカッコいいアレンジを手掛けたのはMARTIN LOEWENTHALなる人だがあまり見かけない名前。B面「A City Called Soul」もこの2人が手掛けたグルーヴィなガールポップでおススメ。

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