DIONNE WARWICK
「You Can Have Him」


62年にポップス系レーベルSCEPTERからデビューした彼女、DIONNE WARWICK。人気作曲家BURT BACHARACHの作品を主に歌い数多くのヒットを記録。70年代に所属していたWARNER BROS.ではソウル的な作品を歌っていたが、やはり彼女といえば一般的にはこのSCEPTERでのポップス系歌手の印象が強いかもしれない。そういった作品群の中でも比較的ソウル/R&B的なアプローチを見せる作品もあり、今回紹介する「You Can Have Him」もそういった好例だろうか。60年にポピュラー系歌手LENNY WELCHが録音した楽曲をカヴァーしたものだが、IKE AND TINA TURNERが前年にKENTレーベルでリリースした、彼等の60年代の代表曲「I Can't Believe What You Say」を思わせるパーカッシヴで軽快・奇抜なアレンジは彼女の作品の中ではやや異質かもしれない。シンプルなドラムのみの伴奏から始まり、曲が進むにつれ徐々にホーン等味付けが加えられるという展開も実に興味深い。やややり過ぎたせいだろうかヒットを記録することは出来なかった。ちなみに本盤はその英国配給盤(英国でもヒットを記録することは出来なかった)。


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