THE TEMPTATIONS
「I Couldn't Cry If I Wanted To」


ずさん、手抜き・・・そういってしまえばそうかもしれないが、実はそこもまたソウル系シングル盤の美味しい隠し味、最新曲のA面によくあるB面の選曲。A面同様に最新録音とは限らず、過去にリリースしたLPの収録曲をそのまま入れてしまうことも多々。当然LP収録曲だから地味な作風だったりもするが、1曲勝負のシングル盤で聴くとまた印象も変わってくること多々。今回紹介するTEMPTATIONSの「I Couldn't Cry If I Wanted To」もそんな典型例。A面は泣く子も黙る彼等の代表曲の1つ、66年リリースの「(I Know) I'm Losing You」、そのB面の本作「I Couldn't〜」は録音が63年、しかもいつものリード歌手たるDAVID RUFFINやEDDIE KENDRICKSではなく、地味ながら安定のヴォーカルを聞かせてくれるPAUL WILLIAMS。曲調的にははやり60年代前半の臭いが漂うオールドスタイルだが、ポップコーンやノーザンソウルといった観点から聴いてみるとまた違う響きがある。


前のページに戻る