THE DEFINITIVE MERSEYBEAT
これをやらずに終われるか!
店主が決める
GENERAL MERSEYBEAT15選


‘GENERAL MERSEYBEAT’とはヘンな言葉だが、出身地にこだわらない広義のビート・ミュージック、と理解して欲しい。対象となるのは、‘STRICT MERSEYBEAT’編にリストされなかった、63〜66年のビート・ミュージックすべてだ。

未完





第3位

THE EASYBEATS

「 Friday On My Mind 」
UNITED ARTISTS UP 1157

RELEASED : NOVEMBER '66
CHART : #6

地元オーストラリアでは65年にはトップ・バンドとしての地位を確立、66年夏にロンドンに活動の場を移してSHEL TALMYと組んで飛ばしたヒット。まさに革新的で衝撃的、VANDA-YOUNGのソングライターとしての才覚を世に知らしめた。ビート・ミュージックが突き詰められた最発展形と言える。しかしそれ以降、ビート・ミュージックがその純粋な形で存在し続けることは無かったため、最後のあだ花となった感はある。そして彼らもまた、すぐれた楽曲を発表し続けて行くのだがチャートに恵まれず、ビート・ミュージックの終焉と共に表舞台から遠ざかる。それにしても、「わが心の金曜日」って邦題は好きだなあ。


第4位

THE HOLLIES

「 Stay 」
PARLOPHONE R 5077

RELEASED : NOVEMBER '63
CHART : #8

出世作の3rd。マージービート・ブームの第一波にギリギリ乗れた感じ。じつは2ndの「Searchin'」も#12を記録しているが、この曲からドラマーがBOBBY ELLIOTTに代わり、まさに新生HOLLIES。まったく新しく生まれ変わったバンドだ。63年中にちゃんとBEATLESの後釜を持ってきたPARLOPHONEのナイス仕事だと思う。ちなみに、この7''はHVで売れた枚数1の大定番だ。


第5位

UNIT FOUR plus TWO

「 Concrete And Clay 」
DECCA F 12071

RELEASED : JANUARY '65
CHART : #1

6位のZOMBIESと同じHERTFORDSHIRE出身、同じレーベル、そして番号が隣で同時リリースだったが、売り上げでは圧勝だった名曲。@その曲ならではの特徴 Aそのバンドならではの特徴 Bナイス・メロディー というのが、ヒット曲の重要要素。その全てを見事に網羅している。PARKER=MOELLERはこの後もすぐれた自作曲を発表し続け、移籍後のFONTANAでは『ODESSEY & ORACLE』とも比されるべき(ちょっとオーバー)名作をリリース、しかしヒットには恵まれず。とりあえず、この曲をきっかけに多くを聴いてみたい。ギターではRUSS BALLARD、ドラムではBOB HENRITというROULETTES組みが録音に参加している。


第6位

THE ZOMBIES

「 Tell Her No 」
DECCA F 12072

RELEASED : JANUARY '65
CHART : #42

デビュー曲「She's Not There」が12位にチャート、順調なスタートを切った彼らだったが2ndはチャートせず、意を決してリリースされたこの3rdは彼等を象徴する1曲となった。ビート・ナンバーというには変わったリズムから始まり、最後まであまり盛り上がらずに終わる。しかし何よりブランストーンのボーカルの憂いはマジックを帯びているし、地味なギター・サウンドも不思議な余韻を残す。ビート全盛時代を過ぎて‘次ビート・サウンド’をしっかり作り出してきた意欲と才能はさすが。この後はすぐれたシングルを発表し続けるもののイギリスではまったくヒットを出せず、アメリカで「Time Of The Season」がバカ売れした時には、もうバンドとしての活動は終わっていた。有名曲のわりに大してヒットをしていないので、盤の入手は簡単ではない。


第7位

SUSAN MAUGHAN

「 Make Him Mine 」
PHILIPS BF 1382

RELEASED : NOVEMBER '64
CHART : -

実力と美貌がもっとも備わっていたのが彼女だと断言する。デビューはFAB4と同じ62年。ジョンの‘宝石ジャラジャラ’発言で有名な63年の‘THE ROYAL VARIETY PERFORMANCE’では共演している。あまりビーティーなリリースは多くないけれど、日本では‘POP GEAR’でお馴染みのこの曲はとびっきりのビート・ナンバー。「Bobby's Girl」や「Kiss Me Sailor」などの米ヒット曲のカバーしか売れなかった‘前ビート’時代の代表格とも言えるけど、実力派だけに何を聴いてもいい。PHILIPSでのリリースはLP、7''のどれもが必聴だ。出身地のCONSETTはBEANことROWAN ATKINSONも輩出している。


第8位

HERMAN'S HERMITS

「 A Must To Avoid 」
COLUMBIA DB 7791

RELEASED : NOVEMBER '65
CHART : #6

‘Sloan-Barri’のペンになる曲。米ライターの手になるBRITISH BEATというのも珍しいが、完璧にBRITISH BEATとして完成している。リリース時期はけっこう遅いけど、ある意味突き抜けた彼らだったから関係なしか。ちょっと前にHVで売れたレコードにDUNHILLレーベルの名曲を集めたコンピレーションLPというのがあってJOHN PHILLIPSの曲と並んでP.F. SLOANの数々の曲も収められていたが、‘残念ながら英マネージメントサイドの許可が下りず’という理由でこの曲を未収録であることを裏ジャケで詫びていた。米でのレコード会社MGMとの折衝でなくて、英マネージメントとは如何に?どういう経緯でこの曲は発注されたのか?映画がらみの問題なのかもしれないけれど、ずっと気になっていても、未だ答は見えない。


第9位

MANFRED MANN

「 5-4-3-2-1 」
HMV POP 1252

RELEASED : JANUARY '64
CHART : #5

「Why Should We Not」、「Cook A Hoop」という意にそぐわないリリースに続く3rdシングルで、彼らにとっては出世作。‘READY STEADY GO !’のテーマ・ソングを頼まれて完成させたのが本作。ヒットのお膳立てが整ったところで、実際にヒットするチューンを送り出せた彼らは大したもの。本来はJAZZ志向の彼ららしいナイスな演奏だ。そして歌詞中に自分らを出演させ、売り込みに大きく貢献した曲でもある。


第10位

ADAM FAITH with
THE ROULETTES


「 We Are In Love 」
PARLOPHONE R 5091

RELEASED : DECEMBER '63
CHART : #11

59年、60年くらいがファイネスト・アワーという、CLIFFと同世代のBEAT前世代の代表格(でもCLIFFもADAMもJOHNも皆40年生まれ)。このまま消えるかと思われた63年半ば、勃興したビートブームに目ざとく乗っかる。作家にCHRIS ANDREWS、バックバンドには単発ではイマイチだった最高のビート・バンドROULETTESを従え、堂々のアイドル・ビート・バンドに変貌を遂げた。65年までの2年あまりの間のリリースは、どれも素晴しいメロディーを持った正統派ビート。ところが、演奏は超硬派でビンビン来るが、それに合わせるFAITHのボーカルはヘロ系。曲は一級品だけれど、大ヒットにまで至ることは無かった。それに、どの曲もいいけれど、どうもFAITHが演り続けるとちょっと飽きが来る。ANDREWSも、もうちょっと変化球を投じさせるべきだったろう。しかし、本当にどのシングル・リリースも一級のクオリティを持つ。シングル盤で手元に置いておくには最適のバンドだろう。日本人にはたまらない曲ばかりだ。


第11位

THE MERSEYBEATS

「 Don't Turn Around 」
FONTANA TF 459

RELEASED : APRIL '64
CHART : #13

‘STRICT MERSEYBEAT’編には惜しくもチャートならず、リヴァプール出身、その名のとおりMERSEYBEATの保守本流。ファッションもどことなく王子様っぽくて、どこまでも甘くてPOP。彼等のシングル・リリースはどの曲も耳に馴染みやすいけれど、彼等の特徴とも言えるアコギ・サウンドがナイスなこの曲を挙げておく。じつはTOP10ヒットは、前作「I Think Of You」のみ。ジャケがカッコイイ唯一のアルバムはレア・アイテムとして知られるし、EPだってセンスが良い。シングルから始めてもっと色々聴いてみようよ。


第12位

CLIFF RICHARD and
THE SHADOWS


「 On The Beach 」
COLUMBIA DB 7305

RELEASED : JUNE '64
CHART : #7

『THE YOUNG ONES』『SUMMER HOLIDAY』に続く‘CLIFF青春映画三部作’、『WONDERFUL LIFE』から。MERSEYBEATにカテゴライズするのはちょっとムリがあるかもしれない、かなり上級なビート・ナンバー。さすが演奏力がハンパ無い。絶頂期を越えて(過ぎて、ではない)、時代への迎合の仕方も余裕がある。この頃は1スポットには届かないものの、TOP10入りは外さない。曲の終わり方がかっこいいんだよなあ。三部作のサントラはUKビート好きには全部マスト。


第13位

THE ANIMALS

「 Don't Let Me Be Misunderstood 」
COLUMBIA DB 7445

RELEASED : JANUARY '65
CHART : #3

北方の工業都市NEWCASTLE UPON TYNE出身。初期に出演したテレビ番組で‘何でANIMALSなの?’と司会者に尋ねれられ、バードンが‘'COS WE LOOK LIKE ANIMALS’と答えていたが、多分本当に野獣来襲と捉えられていたであろうその凶暴さは現代の耳にも健在。そしてやはり‘みんな俺らがわるいのか〜♪’はあまりにも有名。日本人ならこの曲だろう。個人的には84年夏の東海道線車中を思い出す。伊豆への車中で、同じボックスに座っていたたお兄さんが、ヘッドフォン・ステレオに夢中のオイラに何を聴いているのか尋ねてきた。‘YMOです’と答えた。‘オッ、ナウいの聴いてるね〜。俺らの時代だとさ、クレイジー・キャッツとかアニマルズだったな。’、という発言でANIMALSというバンドの存在を初めて知った13の夏。


第14位

THE MONOTONES

「 It's Great 」
PYE 7N 15640

RELEASED : APRIL '64
CHART : -

ロンドンから東へ列車で1時間と少々、遠浅の海の浜辺に転々と転がっている小さなヨットを右側に見ながら、列車はシャレた街に入る。SOUTHEND ON SEAだ。テムズ川河口は大きく開け、ひっきりなしに貨物船が通るのが街のどこからでも見える。やはりこういう荒くれたビートは港町で育つのか。チャート入り寸前だったこの曲は彼等自作、他のリリースも同じく自作曲が多い。これほどの作曲クオリティを持ったビート・バンドは、案外少ないものだ。このちょっと後のリリースの7N 15673でPYEは1ヒットをかっ飛ばすのだが、その路線への萌芽が垣間見られる硬派のビート・ナンバーだ。時代のうねり、変化をもたらしたのは、あるいはこの曲なのでは、と邪推してみる。


第15位

THE APPLEJACKS

「 Like Dreamers Do 」
DECCA F 11916

RELEASED : JUNE '64
CHART : #20

バーミンガム近郊出身。皆子供のように若いが、活動開始は61年。デビュー・シングル「Tell Me When」がヒットを記録、TV番組‘THANK YOUR LUCKY STARS’出演の際出会ったジョンとポールから‘録音してみれば’とオファーを受けた曲。テレビ番組名そのままの幸運だ。BEATLES自身は62年のDECCAオーディションの際に演奏しているが、そのもっそりしたバージョンよりもかなりビート風味の味付けがされていて良い。そのBEATLESのもっそりバージョンを聴いてオーディションで落としたのも、このイカしたビート・バージョンをプロデュースしたのも、同じ男MIKE SMITH。


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