店主日記2002

12月31日(火)
特定の音楽を聴くと、昔のある時期のことが、思い出されるということはないだろうか?『WITH THE BEATLES』を聴くと、私は60’sの音楽の扉を開けた中学2年生時の興奮を思い出す。「愛は勝つ」を聴くと、大学2年の冬に涙したこと思い出す。(勝たなかったじゃねーかよー、バカヤロー!) そして1枚、私を悲しくさせるアルバムがある。Billy Nichollsの『WOULD YOU BELIEVE』だ。CDで初めて聴いたのは2年前、HOT VINYL開店直後のことだ。BGMのCDの数があまり無かったこともあり、当時はよく聴いていた。なぜ悲しくなるのか?内容は良い。ときどき聴きたくなり、今日も聴いてみた。しかし、いつものことながら、1曲目のイントロが始まるなり、ドンヨリとした印象とともに、寒さを覚える。開店当初の冬、お客様が来ないガランとした店内が思い出されるのだ。今だからいえるが、当時はかなりの絶望感を味わっていて、それがフラッシュ・バックしてくるのだ。それでも近頃は悲しくなるというより、開店当初の意気込みを思い出し、なんとなく身が引き締まる思いもしてくるようになった。『WOULD YOU BELIEVE』は私にとって、世間で言われているような傑作として大事な1枚ではなく、HOT VINYLとともに思い出されるべき大事な1枚だ。(でもオリジナルLPはいらない!)

12月30日(月)
以前にも書いたが、レコードが売れる、売れないということに関しては、人知を越えた何かがある。週末にもかかわらずまったく売れなかったり、平日昼間に混雑したり、毎日が予想できない。店を預かる私ごときは、まったく無力である。たいていLPがコンスタントに毎日売れるのだが、昨日はシングルしか売れなかった。総売り上げ枚数で比べると、圧倒的にシングルの方が多い。買う方は、いっぱい買うからだ。LPは、1人の方がいっぺんに購入する枚数は1〜2枚がほとんどだ。さらに、不思議なことが起きた。昨日、ローリング・ストーンズのシングル「Come On」が、かなり久々に売れた。そして、ストックからもう1枚出した今日もまた、同じUK盤が売れた。売れるときは、連続して売れる。そういうミステリーが、ときどき起こる。きっと、ここ何日か「Come On」菌が横浜周辺に漂っているに違いない。あ、そうか!売りたいレコードの菌を、ジョイナス屋上あたりから大量にバラまけば良いんだ!だれか、簡単な音楽菌の培養の仕方を教えてください。★「Come On」菌感染者の方へ★→ゴメンナサイ。ただいま在庫切れしています。

12月29日(日)
数が増えてくると意外と管理に困るもの。それは7インチ・レコードではないだろうか。LPは収納用の箱等が出回っているが、7インチ用のものは意外と少ない。私は様々な空き箱を使用する。スーパーの箱置き場なんて、宝の箱である。しかし、ドンピシャの大きさのものにはなかなか出会えない。私が知りえる中で、最高のものは、生協のアセロラ・ゼリーの箱である。高さ、幅がピッタリで、長さもあって、最高。次点がソニーのVHSビデオ・テープの箱。大きさはアセロラ・ゼリーの箱と変わらないのだが、材質面で劣る。そして、今日の午前中にナイス・ワンを発見した。日清のどん兵衛の冷凍鴨だしそばの箱である。これはなかなかレアだと思われる。箱横のシールによると、昨日、片倉生協に入荷した43箱のうちのひとつらしい。しかし、1つしか見つからなかった。箱マニアの間では、密かに話題になっているレア・アイテムなのだろう。

12月28日(土)
今日の午後、私が三ツ沢小学校4年のときの担任の先生が、フラリと来店された。今は戸塚小学校の副校長をしていらっしゃる。60’Sにティーンだった方だから、私から見ればムチャクチャうらやましい方であるが、先生は当時まったく音楽には興味が無かったという。ただ、店内にあるビートルズとヴェンチャーズのレコードにだけは、かすかに反応していた。60年代当時の日本では、なんと言ってもヴェンチャーズが最大の人気を誇り、次がビートルズだったということが近頃の定説だが、その一端を少々見た気がした。

12月27日(金)
今日、また何枚かUK盤のLPを入荷させたので、視聴した。YOKO ONOの『FLY』を聴いていたら、あるお客さんがご来店。‘ア〜ア〜オイエイエ〜ウ〜’が店内に響いた。その若いお兄さんは、レコードを見ていた手を止めて、出て行ってしまった。ヨーコのせいか?ヨコハマヨコスカ。

12月26日(木)
昨日はヒドい風邪の症状で、一日中床に臥せっていた。毎週木曜日は‘♪あたーらしーい あーさがきた♪’と歌いたくなるのだが、昨日の余波で今朝はダルかった。私にとって木曜日は楽しい1週間の始まりなので、いきなりそのような週の迎え方をしなければならないことは苦痛である。心機一転、店に来て古いダンボール箱の整理をやっていると、オッ! 昨年の秋の買い付けでゲットしてきたシングル、100数十枚を発見!私は考古学科出身なだけに、古いものを見つけたときの喜びは格別である。さっそく皆様にも公開しているので、先週末にいらした方も、ぜひ再度のご来店を。

12月23日(月)
今日はどうしたことか、街は車と人でいっぱい。HOT VINYLは繁華街にあるので、周囲は喧騒に包まれている。なぜ街は忙しいのか、と、すれ違った知人に尋ねたところ、今日は祝日だという。‘天皇誕生日’らしいな、今日は。いい考えがありますよ、政府さん。12月第4週の月曜日に‘天皇誕生日’を固定するのはどうだ?得意の手法では?毎年末の3連休、きっと消費に貢献できますよ。

12月22日(日)
今朝11時、開店と同時に入店してきてくれたのは、H山さん。彼は某JR駅の切符売り場で働いている。ちょっと前まで、近所の横浜島屋で働いていたのだが、転職したのだ。彼はかなりレコード屋好きで、関東近遠いろいろ回っている。転職した理由が、「JRで働くと、JR東日本管内は移動がタダ」だからだそうだ。動き回ることが多い彼には、おあつらえむきだ。おまけに、夜勤が多いので昼間は時間に自由がきく。私自身は、こう見えてもじつは時間に自由が無い。週5日は出勤。残りの2日は家事に忙殺される。出勤は楽しいのだが、ちょっと旅に出てみたくもある。原チャリで志摩半島とかに行ってみたい。能登半島でもいいぞ。(←なぜか半島好き) 下北、津軽、男鹿半島は制覇した。原チャリではないけど。さて、昨日の夜、しらふなF井さんから連絡が入った。「熊本まで見に行ったのは、クリス・ヒルマンです」と。ゴメンナサイ、私が書き違えました。酔っ払っていたのは私だったようで…。

12月21日(土)
さぁ、今日は新入荷だ。先月末から今月頭にかけての苦行の成果が、本日開陳される。気合いを入れて朝、店に到着。ん!?カギが開いている。ドアを開け中に入ると…。きゃー。誰か寝ている!!!F井さんだ!そうだった。昨日、わざわざ静岡との県境(本人曰く)から‘IT'S GRAND’にいらしたは良いが、2330までのイヴェントの最後までいたら、当然帰れない。そこで私はF井さんに‘店でひと晩お過ごしください’、とカギを渡したのだった。もちろんふとんなど無く、レコード梱包用のダンボールを床に敷いて寝たそうだ。何回か起きてソバを食べたり、コンビニに行ったりしたそうだが、ワインを2本開けていて、開店時間にはまだ酒の香りが。午前中はけっこう混雑したのだが、F井さんがゴキゲンで饒舌、店内が和みました。(←ほんとうか?) 本日の午前中にいらした方は、これであの‘陽気な人’の正体が分かりましたね。「私はバードマニア(BYRDS好き)ですから、熊本までジーン・クラークを見に行きましたよ。いやー、上手かったですよ。良かった!」とのことです。10年前だそうですが。

12月20日(金)
もう明日の新入荷の準備は出来たし、万端である。今日はこれから待望のイヴェント、‘it's grand vol.3’だ。昨日は苦労しながらも、プレイするレコを選び終えた。さぁ、grand DJ諸氏、そしてご来場の方々、今宵は山下町でスパークしましょう!あまりスパークしすぎると、明日の新入荷の開店に影響をきたすので、私自身はほどほどに…。

12月19日(木)
愚妻も新宿で接客業をしているので(決して怪しい職種ではない)、よく店頭心得の話をする。彼女の話によると、やはりどう考えても困ったお客様、というのがいるそうだ。彼女は百貨店勤務なので、絶対にお客様が強く、最後は言いなりになるしかないということだった。そのため、どの店員もかなりストレスが溜まっているという。以前、ある大手メーカーのお客様相談係りの対応がインターネットを通じて話題になったことがあるが、それはメーカー側に「困ったお客だ」という根底の思想があるから、そのような問題を起こす態度を取ってしまうのだと思う。確かにHOT VINYLでも、‘えっ!?’と思ってしまうお客様がいる。しかし、私は極力反論はしないことにしている。きっと私も、お客様から同じ数だけ‘えっ!?’、と思われているであろうからである。そこで溜まったストレスは、レコードを聴いて吹き飛ばすのさ。

そういえば、今日はこんなことを書いている場合ではなかった。明日は‘IT'S GRAND VOL.3’の日である。今回はトークショー、アート・ギャラリー設置等、新機軸を打ち出して、より楽しんでいただけると思う。ぜひとも、このHPを尋ねてくれているような方には、足をお運びいただきたい。うるさいだけのイヴェントではなくて、話が出来て、音楽が聴けて、踊れるイヴェントです。お待ちしています。よろしくお願いします。http://itsgrand.tripod.co.jp

12月16日(月)
普段は音を近隣に撒き散らすHOT VINYLであるが、音楽を止めるといろいろな音が聞こえてくる。となりの不動産屋さんから怒鳴り声が聞こえたり、向かいのキャバクラからスペクターばりのカスタネットが聞こえてきたり。上の階から聞こえるドシドシいう音楽はうるさいし、イライラさせられる。あれがHIP HOPという音楽なのか?私にはとても相容れられる類の音ではない。しかしもっとも耳障りなのが、階下から聞こえる‘昼カラオケ’の音。スナックが最近になって始めたようで、けっこう若者がガナっている。勘弁してくださいよ〜、こちらは格調高い音楽を聴いているのですから。(階下のスナックの日記に、‘上階がうるさい’ってあったりして)

12月15日(日)
昨日、どうしても発送したい荷物があって、初めてゆうパックの回収に来てもらった。宅配便には何回も来てもらったことがあるが、郵便局に来てもらうのは初めてだった。平日は1階の南幸郵便局を利用しているのだが、土曜日は閉まっている。(ちなみに、働かない人々の国、イギリスの郵便局は土曜日も営業する。銀行も。) フリー・ダイヤルに電話して荷物の回収をお願いすると、夕方に意外と年配の方が来てくれた。普通に手続きを済ますと、彼に「今度からは1階の郵便局を利用してください。」と言われた。郵便局の民営化は急いだほうが良いかも、と考えるようになった。

12月14日(土)
イギリスでイチバン大きなレコード・フェアと言われる、WEMBLEYへ初めて行ってきた。そう、サッカーの聖地である。コンサート会場としても有名である。近隣まで含めて大きなイヴェント・パークっぽくなっていて、レコード・フェアは隣接のインドア・ホールで行われた。サッカーが行われる、もっとも大きなウェンブリー・アリーナは20世紀初頭に建設されたもので、かなりゴテゴテした塔が周囲を囲んでいることで知られていた。それが改築のため取り壊される、と以前聞いていたのだが、まだ健在だった。イギリスらしく、それを壊すのには賛否両論だったようだが、確かその雰囲気を残しつつ、新築すると言うことで決着したと記憶している。それが、2日目の日曜日には、ちょうど一部が取り壊されていた。すべてが健在の最後の日が、フェアの初日と重なったわけだ。幸運だった。欧米のレコード・フェアには、ゲストとして往年のスターが来ることがあるが、今回はイアン・マクレガンと、セックス・ピストルズのベーシストのグレン・マットロックが来ていて、即席サイン会をしていた。あまり盛況ではなく、主催者がさかんに「今、あのイアン・マクレガンとグレン・マットロックが来てサインをしています」と放送していたが、7〜8人くらいの列しか出来ていなかった。私もマクレガンには少々興味があったのだが、2人並んでいるテーブルに行って、マクレガンにサインをもらい、マットロックを無視して帰るのも気が引けて結局列につかなかった。マットロックは、先月オランダのフェアにも来ていた。今はサイン稼業か?

12月13日(金)
まったく余計なお世話である。何がかって、イギリス人に「日本は経済が大変なんだってなぁ」と言われることがである。確かにそのとおりなのであるが、イギリス人にゃあ言われたくねーぜ。「経済が大変でも日本はエスカレーターは動くし、電車は時間どおりに走るし、公衆電話だってちゃんと動くし、街でカネをせびってくる若者もいないよ。」と言ってやりたいところであるが、「あー、会社は大変らしいね」と強がって答えることにしている。一応、イギリスを始めヨーロッパ諸国は経済が好調ということになっている。実際各国、レコードも不動産も価格はうなぎ上りである。階級社会のイギリスには、日本にはいないような、どうしようもない貧乏層がいる。移民の子や、下位の労働者階級の人々である。実際、凶悪犯罪の多くが、そのような人々によって引き起こされているという。そういう人々が、近頃の‘好調な経済’によって豊かになっているとは、とうてい思えない。おそらく、そういう人々のことは、頭数に入っていないと思う。そういう様々な問題を抜きにして、どうやらイギリスは好調らしい。ブレア内閣は‘一にも二にも、教育こそが最重要課題だ’と言っているが、たぶんそれも一部の人々を除くことが前提になっているのでは、と勘ぐらざるを得ない。イギリスの大学に留学中の義弟が言っていた。「イギリスは先進国ではない」、と。私には分からないが、イギリスに住んでみて多くの問題点が見えてきたようである。とくに、経済については、かなり厳しい見方をしていた。しかし何だかんだ言って、平均的なイギリス人はたいして働きもせず(日本人の目には)、広い家に住み、毎日楽しそうである。明らかに日本人は負けている。あれ??で、結局困っているのはどっちの国なんだ??

12月12日(木)
路上に落ちた瞬間に‘札束だ!’と分かったわけではなかった。4〜5歩あゆみを進めて、確認して分かったのだ。すかさず路上から拾い上げた。バサッ、と落ちた気がしたが、それは折りたたまれた4万円だった。慌てた私は、無意識にその落とした男性に駆け寄り、「これ落としましたよ」と声をかけた。その男性はキョトンとして、うろたえるばかり。同伴していた女性が中国語でなにやらその男性に話しかけている。どうやら中国人のようだ。「3枚」と男性は言ってきたが、4万円を落としたことに間違いは無い。彼は何も言わずに、2枚を差し出してきた。私は「こんなものは受け取れない」と言い放ち、その場を離れた。それだけのことだった。しかし後から、万札の束を目にして瞬間‘しめた!’と思ったこと、4万円を差し出しながら「もしかしたら1万円くらいくれないかなぁ」と思ったこと等、卑しいことばかりが思い出された。2万円を差し出されてビビってしまって、つい突き返してしまった。相手が日本人だったら、受け取っていたかも。私と一緒にいたS田さんは、「どうせパチンコ屋かなんかで儲かってんだから、もらっちゃえば良かったのに」とも言っていたが、結局2人の意見として、「ネコババしたら一生覚えていて、後味悪いよねー」ということにまとまった。それで良かったんだと思う。

12月9日(月)
ヨーロッパへ行くときは、いつもKLMオランダ航空を利用する。毎年何回も渡欧するので待遇も良くなり、良い席を事前に予約できたり、空港でラウンジを使用できるのが嬉しい。とくにラウンジは快適で、各種アルコールまで飲み放題、新聞を読みながらフカフカのソファで出発時間までを過ごし、出発時間になったらゲートで最初に搭乗する。すでに酔っ払っているので、たいてい離陸したのも知らず、グーグー寝ている。食事のときだけ起きて、だいたい8時間くらいは寝るので、3〜4時間くらいでアムステルダムに到着だ。近い近い。今回は乗り換えて、ロンドンへ。ヒースロー空港のターミナル4は真下に地下鉄の駅があるので、都心へ出るのもラクチン。今年から導入された、クレジット・カードOK、超スグレモノの自動券売機へ早速カードを挿入。手順に従って、らくらく発券。と思いきや、切符が出ないどころか、いきなりカードが戻ってこない(ちなみに頼んでもいないのに、クレジット・カードはゴールド・カード。1回に73万とか請求来るくらい使っていると、自然とあなたもVIPに!)。係のオヤジに文句を言うと、厳重に閉ざされたドアの向こうから紙っ切れ一枚をピラピラさせて出てきて、「お前のカードに何かおかしいところがある。このリストを見てカード会社へ連絡して。」と無表情に言い放つ。「冗談じゃない、昨日まで使ってたぞ。今着いたばかり、これからどう旅を続けるんだ?」と食い下がったが、「俺たちにゃぁ、この機械は開けられねぇ。あきらめな。」と。最悪である。チッ、いつものカードへのポイント加算の楽しみは奪われたか、と少々落胆したが、こんな事態のために実はもう一枚カードを保有していたことを思い出し、そのオヤジがいる窓口でその予備カードで切符を購入。その予備カードまで奪われたらマジで旅と買い付けに支障をきたすので、今後一切機械は使えない。その2枚のクレジット・カードは、6年前、自主的にサラリーマンを廃業する間際に、「今後一生作れないかもしれない」と、急いで2枚作ったものだ。良かった、2枚作っておいて。さて、次回の日記は、イギリス日記はお休みして、昨日の帰りに経験した、一生に一度あるか無いかの出来事についてお伝えする。昨日の8時半頃、帰宅途中、前を歩いていた男性がポッケから携帯電話を取り出す際、バサッ、と路上に何かが落ちた。札束だ。男性は、気づかずに歩き去っていった…。

12月8日(日)
外国に行くと必ず毎晩出歩く友人がいるが、レコ屋稼業をしていると、もう夕刻にはそんな元気は無くなる。部屋でその日の収穫を整理しながら何をするかというと、単純にテレビを見ることになる。イギリスのテレビ番組は、チャンネルが少ないだけではなく、バリエーションも少ない。ニュース、コメディー、自然ドキュメンタリー、そして歴史ものしか無いと言っても過言ではない。私は、その歴史ものを毎回興味深く見ている。遺跡の発掘から現代の戦争まで、なんでも科学的に探求するつくりは見事だ。日本のように無駄な出演者、演出は一切無く、分かった事実のみを伝える。たとえば、13世紀の文献上に記録されている戦いの現場を発掘して、新たな発見で分かったことを現代の技術を駆使して再構築して、再現映像を交えて伝える、といった感じに。今回も毎晩のようにどこかのチャンネルでその手の番組をやっていたが、もっとも興味を惹かれたのが、第2次大戦時の連合国側のレーダー開発のドキュメンタリーだ。イギリス側の開発進行状況を掴み損ねた独軍が、結局‘バトル・オブ・ブリテン’で敗北を喫したこと、英軍から技術提供を受けた米軍が太平洋で圧倒的な覇権を得たこと、を当時の関係者の証言と合わせて紹介していた。まぁ、今回のその番組に限らず、イギリス人は戦争好きだ。戦争博物館に行けば、‘いかにして勝利を掴んだか’‘どのように武器を駆使して困難を克服したか’ということにのみ触れ、戦争に至った要因や、戦後処理の困難さについてはまったく触れていない。自分たちの負け戦については言わんをや、まったく展示コーナーなんてありゃしない。まぁ、なんでも‘平和公園’‘平和会館’と‘平和’好きで、戦争については避けてばかりいる日本人もどうかと思うが。しかし、やはりイギリス人の歴史好きには頭が下がる。日本ではNHKスペシャルくらいでしか実現しそうもない、良質な番組だ。

12月7日(土)
本日午前10時過ぎ、成田空港に帰着、店に直行。ただいま戻りました。午後1時過ぎから店を開けているが、自分の荷物の整理をするまもなく、電話の対応に追われ、そして5時までお客様方が入れ替わり立ち替わり(この字で良かったか?)来て下さった。皆様におみやげ話をゆっくりしたいところだったが、そのヒマも無くて、申し訳ありません。今回も、明日からイギリスでのことをお伝えしてまいります。

11月25日(月)
悲しいことを発見した。ダイヤモンド地下街(正式にはTHE DIAMONDというらしい)の有隣堂隣の老舗レコード店、音楽舘が閉店していたのだ。なにやら、今日は食料品の展示販売場となっていた。あそこでは、中2の夏、廃盤予告日寸前に、『BEATLES IV』を購入した店である。80年代半ば、横浜駅周辺のレコード屋には、日参したものだ。岡田屋のすみや、ルミネの帝都無線、ダイエー2階のエスカレーター前、日進、CIAL4階等、消えていった店は多い。そしてこの秋、勝手に安泰だと思っていた、思い出の音楽舘が閉店した。がんばれマリユス!{←有楽町そごう店は無くなったけど。(←他人のこと心配している場合か!)} さて、オランダから帰国したばかりだが、早速今週木曜日から渡英する。そのため、11月28日から12月6日まで臨時に休業します。7日(土)の午後から営業再開いたします。イギリスのみやげ話を聞きにいらしてくださいね。新入荷は21日の予定です。お楽しみに。

11月24日(日)
今、必死で12/20の‘IT'S GRAND VOL.3’の勧誘をしている。小、中高、大時代の各友人に猛烈にお誘いをかけている。開催日が金曜日のため、動員ノルマがキツいのである。そこで、ある友人に「高校時代の仲間で、知っている限りメール・アドレスを教えて」とお願いしたところ、「個人情報だから教えられない」という意外な返事が。彼はお誘いをかけることには熱心に協力してくれているのだが、その返事は意外だった。彼は大企業の広報を担当していて、パソコンはお手のもの。社会の風潮に、彼は私より多くさらされているわけで、神経質になるのは当然だ。もはや、世の中、共通の知人のメアドまで教えるのをはばかるようになったかと、少々愕然とした。私はかなり世間とは認識がずれていたようである。勝って兜の緒をしめよ、である。(←何に勝ったんだ?)

11月23日(土)
昨日は二俣川に免許の書き替えに行ってきた。私は原チャリ・ライダーなのでどうしても捕まることが多く、今回も1回のスピード違反のために、高いお金を払って、定年退職した元警官の退屈な講義を聞かされる羽目になった。そこでまずビデオを見せられた。タイトルが付いていて、‘衝撃!交通事故の恐怖と代償’。まるで、春秋の番組改変期の2時間テレビ番組のタイトルと同じ。‘我々取材班は2日間、ある都市の警察事故班に密着取材した’というナレーションとともに、不安をあおるような音楽、効果音等、まったく作りが低俗。きっと、テレビ番組と同じプロダクションに制作依頼したに違いない。公的機関ともあろうものが、タイトルに‘!’を使うことも、どうかと思う。講義自体も意味なし。免許更新料なるものも、かなりうさん臭い。国際免許証だって、厚紙のチャチいものをもらうのに、何千円も払わせられる。先日、50歳代のドイツ人友人の免許証を見せてもらったが、10代の時のものをそのまま使っていて、ときおり視力検査はあるが、更新料なるものは払ったことが無いと言う。運転免許絡みで二俣川を訪れるたびに、イライラして攻撃的になる私であった。プンプン。いつも入り口で献血の勧誘をしているが、そんなイライラしているときに、献血なんてできやしない。怒りに震える鮮血を喰らえ!って、やってやるか。ピューッ。いや、それ以前に私は献血を受け付けてもらえない身であった。狂牛病のイギリスに、以前滞在していたことがあるからだ。あー確かに騒ぎの真っ只中に、怖いもの見たさ(?)から、パブででっかい英国産ステーキを食べたよ。さすがに騒ぎの影響で肉が安かったのか、650円ほどという信じられぬ価格で、ブ厚いのを食べた。おいしかったぞ。モー。

11月22日(金)
昼過ぎ、DAVE CLARK FIVE好きのT石さんが来店。彼の仕事は月〜木なので、よく週末に来てくれる。いつも明るく、おまけに知識豊富なので、私はとても頼りにしている。今日も、昨日解禁になったボジョレ・ヌーボーとチーズを持って飛び込んできた。「ハッピー・バースデ〜」とノリノリ。そう、本日は小生の誕生日。真昼間から大人ふたりで、顔を赤くした。‘ジャケ買い’というのはよくあるが、今日の彼は、珍しい‘レーベル買い’で、ピーター・セラーズの『SONGS FOR SWINGIN' SELLERS』をご購入くださった。おーいT石さん、テンペランス・セブンも同じゴールド・パーロフォン・レーベルですよー。あなたご自身の、明日の誕生日にプレゼントしましょうか?

11月21日(木)
一昨日に帰国。買い付け日記を…と行きたいところだが、いまだ11日のポール・マッカートニーの興奮が冷めやらないので、しつこいようだが少々追記を。閉演後、アリーナ席の出口のそばでポールのお面をつけて踊っていたのは、旧知のIさん。彼は以前のポール来日時にも、謎のパフォーマーとして本のインタビューを受けたりしている一部では有名な人だ。とりあえず、「結婚おめでとう」と伝えると(ポールのことではなくて、彼本人のこと)、「それは秘密」との答が。彼はジョンのお面も持っていたのだが、付き合って踊るのは西洋人ばかり。私も本当を言うと、やりたかったのだが、友人達がいたもので…。彼はかなりの追っかけでもあるので、今回のポールの来日公演でのストーリーもいずれきこうと思う。しかし勤務先のこと(某大手企業)もあるので、なかなか学生時代のような追っかけは無理かも。

11月12日(火)
ごめん、ごめんよ。君を軽んじていた自分を恥じているよ、ポール。スゴかった。すばらしかった。昨夜のポール・マッカートニーのコンサートである。90年代に2度来日しているが、そのどちらよりもすばらしかった。昨晩の‘ポール’は、本物か?、と疑わさせられるくらい声が出ていた。元気な60歳もいるものである。私は不覚にも、1曲目の「Hello Goodbye」で落涙した。ジョン・レノンに捧げられた「Here Today」に胸を打たれた。「Maybe I'm Amazed」には驚愕した。私が今までに見たコンサートの中で最高だった。もし、行こうか行かまいか迷っている方がいれば、私は断言する。「行きなさい」と。幸運にも、まだチケットは入手できるようだ。そして、皆さんの感想を聞かせてください。話は変わって、昨日、東京ドームへ行く際のこと。店を出て駅へ行く途中で老人に、「駅はどちらかな?」と声をかけられた。私も駅へ向かっていたので、「一緒に行きましょう」と案内した。ピシッ、とした立派なご老人だったので、「軍隊にいらっしゃいましたか?」といきなり尋ねてみた。そうしたら、舞鶴で火薬の研究をしていた、海軍の技術士官だったそうだ。バリバリのエリートである。「海軍は、私の憧れです」と言うと、その老人は、「海軍はいいよー」と、懐かしそうに答えた。私も海軍軍人らしく(誰が!?)、規律正しくスマートに歳をとりたい。そう、ポールも実にカッコいい。今日は休日ではあるが、昨日の印象的な出来事を皆様にお伝えしたくて、予定外に出勤しました。貴重な火曜日の日記でした。ちなみに、海軍士官は雨中でも、軍服を着ているときは傘を差してはいけない。マント着用である。欲しいナー、海軍士官用マント。

11月11日(月)
すっかり忘れていた。今日はポール・マッカートニーのコンサートを東京ドームで観覧する日であった。今回の来日には、私自身、あまり気合いが入っていない。前回の93年は、「もう最後の来日だろう」と思って2晩徹夜し、余波で卒論中間発表会の資料提出をブッチして(ちゃんと‘ポール来日公演のチケット入手に忙しく’と理由を言った)、良い席で大満足をした。ところが今回は、最新作も聴いていないし、新聞雑誌のチェックも皆無である。今回は、‘来てしまったから仕方なく行く’という感じだ。曲目がビートルズ・ナンバーばかり、というのも気にくわない。もうポールはダメである。御歳60歳。多くを求めても無理。きっと各種ライブ評にも、‘円熟の’、‘ならでは’、‘存在感’などという温情こもった美辞麗句が付くことだろう。でも、観ないことには落ち着かない。すなおにその‘存在感’を観てきます。私、今週末は買い付けのため、日記はしばらくお休みです。店は今日も含め、休まずやってます。

11月10日(日)
昨日ご来店のS藤さんは、どうやら結婚間近らしい(本人はあまり乗り気でないようだ)。曰く、「あと4年くらいは、のんびりレコードを買っていたい。結婚すると、レコード買えなくなるでしょ。」ということだった。お客様達のお話をうかがっていると、結婚当初はやはりそういう傾向があるようだ。金銭的なこともあるが、奥さんの理解が得られるか、というのも大きな問題だ。S藤さんは彼女に、「今の仕事を辞めるかもしれない」とも言ったそうだが、「私が養ってあげる」と言われたそうだ。それは理想だが(?)、それではレコードを買えない。「彼女はまだ若いから、立ち直れる」などと、結婚には及び腰のS藤さん。彼女はイマイチ彼の音楽の趣味に理解が深くないそうだ。「もっともっと自分に惚れさせて、すべてに目をつぶらせるのが良いのでは?」というアドヴァイスをしておいた。さぁ、S藤さんの結婚はどうなるのか?続報を待て。乞うご期待!

11月9日(土)
来週はオランダへ買い付けに行く。オランダと言ったって、オランダ盤を買いに行くわけではない。地理的な理由もあり、オランダにはいろいろな国からいろいろなものが流入してくる。レコードだって、オランダに行けばヨーロッパ中の盤を見ることができるし、なんと言ってもオランダは物価が安い。アンティークものなんて、他国に比べて圧倒的に安いし、物も豊富だ。しかし、やはり米盤と同じというわけにはいかない。今回の買い付けも、クオリティ重視の少数精鋭になると思う。ただいまリスト製作中。買い付け中も、店は休みません。とくに、来週末は開店2周年!スペシャル・セールも画策中です。

11月8日(金)
今夏からホームページを開設、全国の方々に簡単にHOT VINYLの在庫(の一部)を見ていただけるようになった。そんなに毎日バンバン問い合わせはあるものではないが、海外からの問い合わせが多いことには驚いている。イギリス人にイギリス盤を送り、アメリカ人にアメリカ盤を送っている。私達が想像するに、彼らにとっては割が悪そうである。しかし、はっきり言って、現地での価格よりもHOT VINYL価格のほうが安いものもあり、当の海外コレクターたちは喜んで送金してきてくれる。今のところたいした金額ではないから本腰を入れる気にはならないが、もしも海外向けの通販のほうが売り上げが大きくなるようならば、英語ページも作らなければならなくなるだろう。あー、そうしたらまた、パソコンに向かう時間が増えてしまい、本業である接客がおろそかになってしまう。それはマズイ。外国からの問い合わせの前に、日本のお客様たち、全部買ってくだされ〜。

11月7日(木)
昨日は、自らの店の開店をもくろむY田さんと、リサイクル・ショップ、古本屋めぐりをした。店をやるにあたって大切なことは、やはり店主の色を前面に出すことだということになった。たとえば古本屋なら、ただ手に入った古本を並べるだけではだめで、人文系に強いとか、新刊が早く並ぶとか、その店の特色が必要ということだ。ひるがえって、HOT VINYLはどうだろう。‘ロックなら、あそこに行け’と言われる店にしたい。4日の夕刻、あるお客様から電話で、「RASCALSの『THE ISLAND OF REAL』ありますか?」というお問い合わせがあった。「あります」とお答えしたら、その方はすぐに駆けつけてきてくださった。\1500のLP1枚の話だが、私個人としてはかなり嬉しいできごとだった。有名どころのLPとシングルは、一応全タイトル在庫しようと努力しています。

11月4日(月)
ひと月半ぶりに、H原さんがご来店。なにやら、先月はダイビングをしに石垣島でヴァカンス三昧だったそうだ。レコード・マニアには珍しい浪費ぶりだ。彼の地ではTシャツで過ごせるほどの気候だったそう。横浜はきょうも好天。レコード屋稼業は楽しいけれど、この仕事を始めてから、丸一日の休日というものが無くなった。ゆっくり一人でどこかへ行きたい。個人的には、横須賀あたりをブラブラしたい。昨日、一昨日と、戦艦三笠が無料公開されていたそうだし、ついでに猿島へ船で渡ったりして、きままに過ごしたいものだ。それに、3連休というのは、なぜかお客様が少ない。今日あたりは、じっくりシングルを見るには最適ですよ。

11月3日(日)
まったく頭に無かった。世は3連休である。以前にも書いたが、連休とか祝日とか、世の流れにすっかれ疎くなってしまった。サラリーマン時代には、いつも待ち遠しかったのに。しかし、3連休はどちらかと言えば、歓迎すべき事態である。たとえば、今日は福島からというお客様がいらした。初めていらっしゃる方が多いのが特徴だ。そして本日はもうひとつ、皆様にとって、さらに私本人にとってもショッキングな事態が発生した!それは、ついに(やっと)『MY GENERATION』が売れました。(9月22日を参照) もう2度と、あの状態であの価格は無理です。HOT VINYLには、‘この状態この価格次は無理’アイテム(略して‘KJKKTM’)がいっぱいあります。開店当初は、とにかく利益度外視で値付けしたからなぁ。他に嬉しいことは、HOT VINYL専属デザイナー、TAKEちゃんが来店、‘IT'S GRAND VOL.3’のポスターを持って来てくれた。フライヤー以上に目を引くナイス・デザインです。見に来てくださいね。

11月2日(土)
昨日、生まれてはじめての経験をし、現在も少々興奮している。驚くべきことに、‘銀’が出たのである。なんとなくチョコが食べたくなって買った、森永のチョコボールで。近頃は買っていなかったが、小学校自分にさんざん買っていたときにも、一度も出たことは無かった。銀くらいで何を大騒ぎか、と思われるかもしれないが、個人的には大事件だ。昔は田中星児が、‘オモチャのカンヅメ あたるよ’とTVCMで言っていたが、今回は‘かがやくメタキョロ’である。欲しくなってきた。銀をあと2枚出すべく、しばらくはチョコボールを買いまくろうと思っている。店にチョコボールを食べに来てください。お手元に銀があったらください。(もちろん金でも!)

11月1日(金)
今日もイヤな雨。でも嬉しいことも。昼の開店と同時に2名の馴染みのお客様が来店。下北沢で同じくレコ屋を営むBさんが来てくれた。「金が無い」とさかんに言っていたが、まったく同感。このご時世で、お金持ちだというレコ屋さんに会ってみたいものである。もう1人は、‘IT'S GRAND’のDJもやってくれているK田さん。仕事を辞めたばかりだそうだが、パチスロで1日に20万勝ったと言っていた。あぁ、レコ屋がイチバン金銭的に不遇な職なのか?そう落ち込んでばかりもいられない。昨日、‘IT'S GRAND VOL.3’のフライヤが完成。いよいよ来月に迫った大一番である。今度は週末金曜日。なんとしても、目標の100名様にご来場いただきたく、これから本格的に努力しなければ。詳細はhttp://itsgrand.tripod.co.jp、あるいは、HOT VINYL店頭にて。今回ご来場してくださった方は、HOT VINYLにとって忘れ得ないお客様になります。よろしくお願いいたします。(by 店主さいとう&DJ ALL STARS)

10月31日(木)
昨日は、ひさびさに外出、千葉県で友人と会い、地元のあるレコード店に立ち寄った。知人がこの春に開店したばかりの店で、品揃え、整理の仕方等、私も勉強させてもらった。そこでピックアップしたのが、あやしいディスコ調の「Sunny」。Y田さん、楽しみにしててね。

10月28日(月)
「昔はみんな‘Sunny’をやってるよ」、と言ってY田さんが、店にあるLPを片っ端からひっくり返して、ソング・リストをチェックしている。今日は天気が良く、なんだか「Sunny」を聴きたくなったそうだ。Dusty Springfield、Booker Tといった人たちの「Sunny」を一緒に聴いて、なかなかのどかな午後を過ごしている。そんなY田さんの‘FAVOURITE 「Sunny」’は、勝新太郎のバージョンだそうだ。

10月27日(日)
昨日の午後以降にご来店くださるお客様、とくにシングル盤マニアの方は、‘自分が来る前に何が売れたか’ということが大いに気になるよう。昨夕も今朝も、売れたシングルのリストを見て、「あ〜」とか「げー」とか唸る方続出。そこで昨日から急に、‘売れちゃったシングル・リスト’というのを作成、HPで公開しています。昨日ご来店いただけなかった方、どうぞ悔しがってください。そして、昨日の早い時間にいらした方、あなた達は羨ましがられているのですよ。(イエー!)でも、私が現在の品揃えを見ると、今から来店しようとしているあなたも、将来は羨ましがられる立場になれます。とにかく、シングルはLPより動くのがずっと早い(45回転だから、というわけではない)。開店にあたっての‘シングル重点主義’が、ようやく最近実を結び始めた、と感じています。

10月26日(土)
英の大人シンガーであり、ジョン・レノンの憧れの人、アルマ・コーガンの命日である今日、ひさびさのUS盤新入荷だった。11時にドアを開けると…、3名の方が舞っていらっしゃいました。いや、待っていらっしゃいました。(今度は舞っていてくださいね) 雨だったせいか、お客様は少なく、余裕を持ってレコ堀りを楽しんでいただけたようです。2時過ぎに急に人口密度が高くなり、8人もいたときには、混雑になれない私は、頭がクラクラしました。現在は5時過ぎ、また余裕を持ってご覧いただける状態になっております。ぜひ、今からでもご来店ください。

10月25日(金)
先週DMを皆様にお送りしてから、何本かお問い合わせのお電話をいただいている。そのなかに、‘ガールもの命’のK木さんがいた。彼はDJもやっていて、12月20日の‘IT'S GRAND VOL.3’でも廻してくれる予定だ。その電話で曰く、「新入荷の日、行けないんですよ!」と、新着アイテムのチェックに余念が無かった。今週末はスペインにいると言う。それも、2週間ほどにわたって。「へー、意外と長いねぇ。」などと相槌を打ちつつ話をうかがうと、なんと新婚旅行だとのこと。「まぁ、おめでとう。結婚はいつ?」と尋ねると、「明日です。それでも気になっちゃって気になっちゃって、電話しました。」とのこと。嬉しいじゃあ、ありませんか。そんな、K木さんがいてもたってもいられない新入荷は、いよいよ明日。みなさんも、K木さんの代わりに、見にいらしてください。きっと彼は、バルセロナから東の空に向かって、涙を流していることでしょう。

10月24日(木)
HOT VINYLは、60年代のロック・バンドのレコードを最も熱心に集めている。私の知識なんてたかが知れたものなので、買い付け先で出会うのは、知らないアーティストばかり。そういう場合はどうするのか?とりあえず買う。高額な無名フリーク・ビート系にはなかなか手が出ないが、名も知れぬ安いレコは意外とあるものだ。ごくまれに‘超アタリ’があると、すごーく嬉しい。しかし、バンドっぽい名前だからという理由で買ったって、大ハズレということもある。フォーク系だったり、おやじポップス系だったり。買うのをためらい、後々にそれが‘キラー’だったと知って地団駄を踏むこともある。イギリスではどれもレコードは安くないうえ、研究も進んでいるので、‘無名、安い&アタリ’ということは少ない。しかし、アメリカはレコードの数が違う。当然、‘無名、安い&アタリ’アイテム発見の確率も高い。当HPの米シングル・リストを見ていただければ分かるが、‘誰やねん’系アーティストが多い。知らないものほど、一生懸命買っているからだ。今週末の新入荷でも、もちろんいっぱいそういうレコードがある。HOT VINYL発のキラーが育つことを祈っている。

10月21日(月)
雨の日はツラい。レコード屋という稼業は、マラソン・ランナーと並んで、雨がニクいのではないか?いや、マラソン・ランナーなら、走っているランナー皆同じ条件だからいい。あー、前回レジのキーを叩いたのは、いったいいつのことだろう。相変わらず文句ばかりになってしまったが、フフフ。今週末の新入荷の準備がいっぱいできるから、いいのさ。ところで、HPで超極秘公開中の新入荷アイテムに、早くもお問い合わせを数多くいただいている。思ったより反響が多く、これからも事前の一部公開は、やっていくことにした。とにかく、今週の土曜日に来てください。一度でいいから、開店前に列ができている、というのを見てみたい。今日から80%OFFに突入のASTROに開店前に行ってみたら、雨の中、ハンズの入り口にまで列が出来ていた(オーバーに言いすぎ)。かなり羨ましいです。店が閉まるのは羨ましくないが。

10月20日(日)
HOT VINYLのすぐそばに住んでいるという、よく店に来てくれる専門学校生の女の子がいる。実家の高知みやげという菓子を持って、来てくれた。「たった今、またタマちゃん見ちゃったー」と言っていた。彼女の部屋は帷子川沿いで、よく見かけるそうである。見物人は老夫婦だけだったそう。ひと昔前ならくろ山の人だかり、おまけにタマちゃんアイス売りのオヤジがいたりしたもんだが、すぐ熱しやすく冷めやすい日本人らしいことだ。どれ、そろそろ小生も見に行ってみるか。せっかくHOT VINYLのすぐそばに、い続けてくれているのだから。ひょっとして、かのアザラシくん、レコード・マニアか?「I Am The Walrus」でも轟音で鳴らしながら、脅かしに行ってくるか。

10月19日(土)
昨日の昼間はとても静かだったが、夕方からおなじみのお客様が何名かいらっしゃって、なんとか通常の売り上げを確保できた。新入荷前の1週間というのは、まぁ給料日前ということもあろうが、ほんとうに寂しい。昨日、長野から出張できた、というお客様にDOWNLINER'S SECTのUK製LPをお買い上げいただいた。高額アイテムなのでとても嬉しいのだが、そのようなレア・アイテムが売れると、一抹の寂しさを覚えるのも確かだ。‘次はいつ出会えるのかなぁ’、‘もう1度聴いておけばよかったなぁ’などと考えてしまうのだ。あぁ、昨日は2度も寂しかったぞ。今週末は、天候不順、新入荷前、給料日前という3重苦だ。どうぞご来店ください。そして、わたしに力をください。もっと光を!

10月18日(金)
先ほどご来店の50代半ばくらいの紳士の方が、店内を所在無げに歩いていらっしゃるので、「何かお探しのものはありますか?」と尋ねた。そうしたら、「特に無い」と。「60'Sのロックの専門店ですが、その辺りの音楽は聴かれますか?」と尋ねたら、「聴かないねぇ」と。「このケースの中のものは、売り物なの?」とお尋ねになったので、「ものによりますが、どのアイテムにご興味をお持ちですか?」と答えたら、無言でスッと店を出て行かれた。ただいま午後4時。今のところ、本日ご来店の方はそのお客様の他、火災報知器の検査員2名、宅配便の兄さんだけだ。今日も静かな午後だ。

10月17日(木)
今日は、とても来店者の少ない日だった(別に今日に限ったことではないが)。閉店間際に、スーツでピシッとカッコいいB能さんが仕事帰りのご来店。彼もDJで、スワンプ・ロックを得意とする。「良いときに来たねぇ。今日はお客さん少ないから、割引するよ。」と私が言ったら、「給料日前ですからねぇ。」との返答。あぁ、そういえばそうである。以前私もサラリーマンだったが、月の中頃というのは、活動に制約が出てくる時期であったのを思い出した。うーむ、この時期には、なにかイヴェント、セールをしなければならないかも知れない。B能さんが、「この時間に来ると、フロアがお風呂の臭いがする。」と言った。確かにそうである(なぜか知りたい方は、ぜひ夕方以降にご来店ください)。先日は、その臭いの元である突き当りのドアの前に、アスパラの箱が積んであった。いったい何をするのだろうか?経験がある方は、詳細をこっそり教えてください。

10月14日(月)
さて、肝心の‘買い物’である。例えば、普通のレコード屋といったって、日本のような佇まいを考えてはいけない。その威容は、日本のファミレスくらいの大きさがある。天井が高く、駐車場も広い。もちろん、レコードはかなりの量がある。たいてい店内は汚く、古着やアンティークも置いてあったりする。なぜかお香の匂いが漂い、カセットや雑誌が多いのもアメリカの特徴だ。そんな店の倉庫も、もちろん広い。天井が高いので、ハシゴが備え付けてある。同じレコードが30枚くらい並んでいたりする。ジャケの背を見てレコ探しするのがうまくないと、この倉庫漁りは大変だ。店の奥にあるその倉庫だけでなく、離れた場所にまた別に倉庫を持っている店もあったりする。夏は暑く、冬は寒く、環境は苛酷だ。ものスゴいほこりなので、マスクが必需品。本当に体力勝負だ。以上のように、ヨーロッパでのレコ漁りとは、状況がかなり異なる。単価が安いので、購入する枚数は多いが、なぜかアメリカの航空会社は手荷物に関してお咎めが無いので、何キロでもOK。ヨーロッパでのように、チェック・イン時の神経戦は必要ないので、安心して好きなだけ買えるのがうれしい。それにしても、アメリカの空港での身体検査で、靴を脱がされている人の姿は間抜けだ。

10月13日(日)
アメリカで何に困るったって、食事である。アメリカで一番うまいものは、バーガー・キングである。そう言い切らざるを得ないほどに、私にとっては最悪な国だ。もちろん、豪華でリッチな食事はある。それこそ、デカいステーキを食べたければ、いくらでもある。しかし、やはり値が張るのである。貧乏旅行の身には、無理な話だ。イギリスの食事がマズいことが有名だが、それは一般家庭での話(身をもって経験しました)。街に出れば、中華も、イタリアンも、中東系でも、なんでもその国の人がやっている店を、安価で楽しむことができる。昨日記したように、アメリカの宿泊先では朝食が無い。朝から腹をすかせて、たどり着く先はファスト・フード店しかない。さて、そのファスト・フード店である。日本に比べて、とくに安いことは無い。しかし、ポテト、ドリンクがデカいのである。ドリンクなんて、注文のときに「Coke, please.」なんて言ったら、笑われる。注文に応じた大きさのカップを渡されるだけである。largeなんてのを頼んだら、牛乳パックみたいのを渡される。そして、店内備え付けのサーバーで、自分で好きな飲み物を好きなだけ入れるのだ。一度飲み切って、退店する際に、また入れて帰ってもOK。私が好きなのは、ポテトに付けるケチャップ。これも、セルフ・サービスで盛り放題。これだけは、日本でも見習って欲しい。キャッシュ・ディスペンサーがあったり、外には子供のプレイ・グラウンドがあったり、ブツだけではなく、規模全体がでかい。最後にひとつ。アメリカ資本のファスト・フード店の多くが日本にも進出しているが、絶対日本のほうがウマい。アメリカのSUBWAYなんて、高いばっかりで、ぜんぜんおいしくなかった。それになにより、日本での食事には、安い選択肢があるからありがたい。\280で、とりあえず食べた気になれるのは、日本だけである。

10月12日(土)
車で動くのが基本のアメリカでの宿泊は、モーテルが便利だ。ハイウェイ沿いにいくつも並んでいて、どこに泊まろうか目移りするくらいいっぱいある。大手のチェーン系から、個人経営の小さなものまで千差万別。モーテルの最大の利点は、車を部屋のドアのまん前に停められることだ。トランクのレコードを出し入れするには、ありがたい。私はいつも1階の部屋を所望する。その部屋は、奥に細長く広い。キングサイズのベッドが2つ、応接セット、テレビ、バス・トイレ付きで、$45前後のことが多い。レコードのパッキング作業をするので、広いのはありがたい。ヨーロッパのホテルでは考えられないことだ。ただし、朝食は無し。あったとしても、フロントの近所にコーヒーとドーナツが用意してあるくらい。ポップコーンもあったりする。モーテルに滞在中は、部屋のカギは持ちっぱなしで、フロントに行くのは、チェックイン&アウトの時のみ。しかし、私が最大の難点だと考えるのが、騒音。ハイウェイ沿いにあるので、どうしても車の音がうるさい。アメリカで眠れない理由は、もしかしたらそんなところにあるのかも。

10月11日(金)
アメリカでの旅は、空港でレンタカーを借りるところから始まる。それ無しには、考えられない。日本やヨーロッパのように、番地を頼りに歩くなんてのは、不可能。何しろアメリカはでかい。極端な話、郊外型のジャスコみたいなもんが並んでいると思えばいい。隣の番地に行くだけで、ハーハーいってしまう。古い町並みの東部を除いて、とにかく車は必需品。道もでかい。宿泊先と道を挟んだ反対側にマクドナルドがあったのだが、そこへ行くまでが一苦労。歩いてなんて、行けやしない。間にある道の真ん中には、片側4車線のハイウェイがあり、その両側に3車線ずつの一方通行の道があるのだ。なんと、計14車線。そのため、真向かいに行くのに、目の前の一方通行道を進み、数百メートル離れたところにあるバイパスをグルッ、と回って、さらに数百メートル戻ってようやく、目的のマクドナルドに到着である。車でないと動けない。歩道なんてありゃしない。バカらしいことこの上ない。しかし、ハイウェイは良く整備されているし、なにせ無料だ。朝晩は混むものの、街中でも広い道路をビュンビュン飛ばせる。土地がふんだんにあるからではあるが、日本も少し見習う点はあると思う。横浜市内で整備中の環状2号、便利なのだが、信号多すぎ。深夜でも、きっちり赤信号になる。あれはどうにかならないものか。

10月10日(木)
帰国早々苦言を呈するが、10月10日といえば、体育の日である。なぜこの日を体育の日に制定したかというと、1年で一番晴天になる確率が高いから、であったはずだ。それが、なぜ変更されるのか!あきれた政府の愚作である。日本で3連休を増やしたって混む場所が増えるばかりで、行楽に出かける気なんて、おきやしない。祝日を減らしてもいいので、しっかり有給休暇を取れるようなシステムの制定こそ、急ぐべきであろう。(脱サラ以来、祝日の意識がまったく無くなった男のモノローグ) さて、今回のアメリカ買い付けでも、相変わらず眠れなかった。大きくて快適な部屋、ベッドだったのに、理由は分からない。目が覚めてしまったので、朝4時頃にテレビをつけたら、日本と同じでバカバカしい通販の宣伝ばかりだ。と、ジャッキー・デシャノンが「What The World Needs Now Is Love」を歌っている。それも、当時のカラー映像。続いて出てくるは出てくるは、バーズ、ビーチボーイズ、タートルズ、サークル、…。ヒット曲てんこ盛り、ほとんどがカラー。いったい何かと思ったら、‘60'S SUPER HITS CD12枚組み’のたぐいの宣伝だった。さすがアメリカ、時間もたっぷり、30曲ほど映像付きで紹介していた。おまけに、それを紹介しているオヤジをどこかで見たことあるなぁ、と思ったら、デイビー・ジョーンズ。彼のブリティッシュ・イングリッシュに、しばし聞きほれた。今回のアメリカ買い付けでなにが一番面白かったって、この宣伝だなぁ。アメリカで気づいたことを、明日から数日にわたってお伝えする。

9月30日(月)
いつもは、アメリカへ行くのにあまり気乗りがしない。なぜなら、どうもアメリカは、私にとって居心地の悪い国だからだ。理由は分からないがいつも睡眠が不安定だ。なかなか寝付けない上に、夜中に何度も起きるし、そうしているうちに起きなきゃならない時間に起きられない。粗製濫造、大量消費、大量投棄というお国柄も気分が悪い(レコードなんて、その最たるもの)。しかし、木曜日から出かける今回の買い付けは、違う。リストの作成も綿密に行い、やる気マンマンである。半年振りの訪米ということもあるが、なんと言おうか、楽しみで仕方がない。アメリカ買い付けの良いところは、レコード堀り以外にすることがないこと。ヨーロッパでは、あれもしたい、これもしたい、で、もどかしい思いをいつもしている。10月26日にその米盤を出すので、お楽しみに!次にこの日記でお目にかかるのは、帰国後の営業初日、10日の木曜日。良いみやげ話ができるよう、張り切って行ってまいります。

9月29日(日)
新入荷でレコードを出す際、たまにド肝を抜く価格のアイテムを出すことがあった。「すごいものが、すごい価格である!」と、お客様に印象を持っていただきたかったからだ。開店初日には、PRETTY THINGSのデビュー・アルバムUKオリジナル盤を\500で出したし、それ以降もPINK FLOYDの2nd UKオリジナルMONOが\3800というのもあった。しかし、当初の狙いはハズレて、単なる大サービスになってしまった。なぜなら、両者とも、それを最初に見た方がご購入くださったからである。できれば、最低5人くらいの方には、その価格を見ていただきたかった…。それ以来、‘ド肝を抜く価格’を付ける勇気は少々萎えてしまったが、‘かなりお得な価格’なら何枚かあります。安価にて入手したものを、意識的に安く出しています。それらを見つけにご来店ください。

9月28日(土)
今日ご来店くださったビートルズ・ファンのお客様は、アルバム『ABBEY ROAD』、『RUBBER SOUL』のコレクターだそうで、両アルバム、そのジャケを模したシングルをご購入くださった。私は『WITH THE BEATLES』のハーフ・シャドウ・ジャケのコレクターも知っている。なにかひとつにこだわる、というのも、なかなか楽しいコレクティング・ポイントだろう。それがプロデューサーだったり、ジャケ・デザイナーだったり、果てはレコード会社だったり。皆さんは、どんなこだわりで、コレクションをしたことがありますか?

9月27日(金)
開店前には想像していなかったことだが、店にいると、ほぼ毎日、怪しげな人が来る。「フライヤーを置かせてください」と。よく、レコ屋の出入り口付近のテープル付近に散乱している、要はイヴェント等のチラシである。当初は訳もわからず「いいですよ」と言って置いていたが、置く場所に困る上に、興味を示すお客様もほとんどいないので、ゴミになることが多い。美容院のフライヤー、美術展のフライヤー、なんてのまで来る。よく考えてみたら、一方的に「置かせてください」と言うのは、ムチャクチャ厚かましいことではないか?店内にあるレコードを見てから遠慮がちに言ってくるのなら、まだ理解を示せるが、ツカツカと入り口からレジに来ていきなり「フライヤーを置かせてください」では、「いったい私は何なの?ボランティアのフライヤー置き屋さん?」と考えたくなってしまう。そこで、ある時期から「置いていく枚数は、責任を持ってすべて配ります。でも、引き換えに、なんか買ってください。GIVE AND TAKEです。」と言うことにしている。相手は、キョトンと困った顔をして、結局そのまま帰ることもある。私の言動は、想像の域を超えた、突拍子もないものだろうか?私はきわめて真っ当だと思う。私自身が、自分のイヴェントのフライヤーを置いてもらう立場になった今、私は必ず何か買って、あるいは、買わない場合は少なくともいろいろ話をしてから、置いてもらうようにしている。

9月26日(木)
開店前には想像していなかったことだが、店にいると、ほぼ毎日、何らかの勧誘が来る。セキュリティー、物売り、怪しい機器の設置等々。先日は投資の勧誘があり、しつこいので、毎月の売上高、必要経費を挙げ、「残りがいくらだか計算してください」と言ったら、黙って電話を切ってくれた。今日はつい先ほどまで、店頭に保険の勧誘のお姉さんがいた。「私はビージーズなら知ってるわ」と言うので、私は「あー、マサチューセッツとか」と言いたかったが、遠慮して「あー、サタデー・ナイト・フィーバーとか」と言ってみたら、「そうそう」との返事。危なかった。店を見回していたそんなお姉さんが、エキサイトした一瞬があった。レジ傍にある加山雄三センセーのレコードを見つけたときだ。「若大将シリーズで、ハマったわねー」と、かなり懐かしそう。やはり、「あー、マサチューセッツとか」と尋ねておくべきだったか?

9月23日(月)
イギリスのあるマニア向け雑誌を読んでいたY田さんが、パタッと本を閉じ、「見なかったことにしよう」と、寂しげにつぶやいた。巻末の‘売ります’コーナーに、欲しいレコードを見つけたそうだ。しかし手間がかかるし(手紙と電話のみでの受付だった)、オークションなので値が張るし、買えるかどうかやきもきするのがたまらない、と言う。ファンとは複雑なもので、好きなアーティストのリリースがあったりすると、喜びながらも心配事ばかり増えてくるものだ。ローリング・ストーンズ・マニアのI塚さんは、この秋に出る一連のCDリリースを輸入盤で揃えるそうだが、発売未定の日本盤について、「出なきゃいいなぁ」とおっしゃっていた。私も、この秋に、ロンドンで‘ジョージ・ハリスン追悼コンサート(豪華ミュージシャン参加!)’が開かれると数日前に知り、あたふたとチケットの手配をしている。「あんなコンサートなんて、無ければいいのに」と、ちょっと思ったりもしてしまう。でももちろん、超楽しみ。ロイヤル・アルバート・ホールには、行ったことが無いので。

9月22日(日)
本日ご来店くださったお客様たちと、イギリスにおけるレコード事情について、かなりの激論を飛ばした。私とお客様3人、計4人だ。焦点になったのは、イギリスでのレコードの価格だ。1人のお客様が、WHOの『MY GENERATION』をすごく欲しがっていらした。イギリスのレコード価格の決定に大きな影響力を及ぼしている、RECORD COLLECTOR誌制作の‘RARE RECORD PRICE GUIDE 2002’によると、『MY GENERATION』は£100。ところが、月刊の同誌最新のWHO特集号によると、なんと£150。一応最新号であるプライス・ガイドの、一気に50%増しである。きわめて異例である。なぜそういう事態が起きたかを推測するに、やはり、同アルバムがCD化されたことが大きいと思う。ひと昔前までは、アルバムがCD化されると、オリジナルのレコードは値崩れしたものである。ところが、近頃では、逆に値が上がることが一般的だ。CDで聴いて、LPで聴いてみたくなる人が多いらしい。とくにCDの『MY GENERATION』はステレオだし、ミックスも異なる。モノ・ミックスのオリジナルLPの価値が、アップする要因が揃っている。有名どころのオリジナルLPの価格は、90年代半ばから、のきなみ大幅にアップしている。これは、その時期以降、急に‘一流アーティスト’と‘木っ端アーティスト’の二極分化が、劇的に進行しているからだと思う。そして、その一流どころのレコードは、将来的に値崩れすることは無さそうである。歴史的位置付けがされつつあるのだと思う。『MY GENERATION』なんて、90年代頭くらいまでは、友人に‘今度イギリスで買ってきてよ’、と頼まれたら、軽く‘OK’と答えて、£50くらいで余裕で買って帰っていたものである。今じゃ、状態にかかわらず、入手さえおぼつかない。世界的な潮流かもしれないが、イギリスでは特に、‘安いものはさらに安く、高いものはどんどん高く’という現象が進んでいる。ちなみに、HOT VINYLの『MY GENERATION』は状態良好、\38000。£150なんて価格が出てしまった以上、次回以降の入荷からは、この価格では難しいだろうなぁ。

9月21日(土)
今日はひさびさの新入荷の日。11時にドアを開けたら、数名のお客様が開店を待っていてくださって、感激。さて、そこで出した新着アイテムにからんだ話を。皆様にも、長年探している1枚、というのが、必ずあることでしょう。じつは、今回のイギリス買い付けで、大学生の頃から個人的に10年以上探していたアイテム、というのをゲットした。ロニー・レインのシングル、ロイ・ウッド絡みのシングルの2枚だ。両方とも今日の新入荷アイテムに出した。長年探していた盤を、なぜ売りに出したのか?、と疑問に思われたことでしょう。2枚入手したからだ。そういうことって、よくありませんか?長年探していたものが見つかった!、と思ったら、続けざまに出てくる、ということが。嬉しいか、嬉しくないか、と言われたら、嬉しいことなのだが、少々複雑な気持ちではある。そういう、‘やっと出てきたら続けて出てきた’というアイテムがありましたら、教えてください。お互い、悔しさ&嬉しさを語り合いましょう。

9月20日(金)イギリス買い付け日記D
今回はロンドンに7泊したわりには、東へ南へ西へ飛び回ったので、中心部に何軒か行きそびれたレコ屋があった。それも致し方ない。旅行でロンドンに行ってきたという方々から、「ブツが全然無い」という話を良くうかがうが、まったくそのとおり。街のレコ屋には、ナイス・アイテムなんて出っこない。じっさい、近頃の私は郊外での活動が多く、レコ屋離れをしている。つてのつてを頼ってコレクターの家にまでおしかけ、フェアでは早朝に侵入し、レコ屋に行けば倉庫を漁る。そういう玄人っぽい探し方が少しずつ身に付いてきたように思う。それにはやはり、現地の友人達の協力が欠かせない。頻繁に顔を出しているからこそ、彼らは私に良くしてくれるのだと思う。前回は7月頭に渡英しているので、たった2ヶ月のブランクしかおかず、極東からわざわざ来てくれる人間を歓迎してくれぬわけが無い。まぁ、強欲なイギリスのレコード商人にとって見たら、私なぞいいカモかも知れぬが、街のレコ屋と同じような価格を言って来ようものなら‘COME OFF IT ! (ザけんじゃネーぞ、てめぇ)’と言って、彼らに2本指(イギリス流)を突き立てている私である。価格にはかなりウルさいと自覚しています。あぁでも、今回の旅で結局、『CINDERELLA』は1度も見なかった。次回(12月)までおあずけだ。

9月19日(木)イギリス買い付け日記C
前日と同じ轍は踏まず、8日の日曜日は、10時にブライトンに着くようにバッチリ起床。最寄の駅から国鉄で一直線、約1時間半の旅だ。平日午前9時半以前の列車料金は目が飛び出るほど高いが、週末にそのルールは適用されないので、リッチに早朝から列車に乗れるのは幸せだ。ところが、駅に着いてみると、ガーン、臨時工事で途中まで不通。そばの臨時バス停から、その途中の駅まで振り替えバスが出ているから、それに乗れという。一抹の不安を覚えながらバスに乗ろうとすると、列車のチケットは有効ではないと言う。なんのための振り替え輸送か!と、ムカつきながら、市内の1日乗り放題券を買いに、一度駅まで戻った。夕方早くにはロンドン市内に戻り、それからひと回りするつもりだったので、乗り放題券にしたのだ。つぎに来たバスに乗ると、なんとそのバスでは列車のチケットが有効だと言う。どういうこっちゃ。とにかく、途中駅のファリンドンから、無事ブライトン行きの列車に乗れた。やれやれ、時間をくったが、なんとか10時の開門には間に合いそうだ。ところが!!、15分ほどのろのろ走った後、突然車内の灯りが消え、エンジンも止まった。アナウンスによると、線路の電力が落ちたので、復旧までにはかなり時間がかかると言う。隣の線路3本の列車は、ビュンビュン飛ばしているのに、私の電車の線路だけ沈黙。ハーッ。結局、そこで1時間半停車。余裕でレコード・フェアには遅刻である。いつもはあせって会場入りするのだが、その日ほど余裕を持って会場入りしたことはない。ロンドンに帰ってきたのは、もう6時過ぎ。日曜日のこの時間に開いている店はない。わざわざ買ったロンドン市内1日乗り放題券は買い損になった。でも、きっと、ロンドン市民なら、こういう事態になっても悠然としている人が多いのだろうなぁ。

9月16日(月)イギリス買い付け日記B
5日はロンドン南部、6日は東へ西へ回り、なんとか3日間でロンドン周辺は回りつくした。さて7日の土曜日。ロンドン中心部、ヴィクトリアのレコード・フェアだ。年に3回開かれている大きなフェアで、今回の買い付けの目的でもある。7時から強引に入場できるので、6時に目覚ましをセット。しかし起きたら7時20分。会場入りが8時になってしまった。しかし、やはり期待を裏切らないヴィクトリアである。シングルをどんどん積み上げていった。挙句に、持ち金が底を付き、ほうほうの体で昼過ぎに会場を後にした。今回、まだロンドン市内をほとんど回っていないので、午後に何件か回る。残った時間で、週末のみ出店しているオヤジたちがいる、あるマーケットを訪れた。マーケットというのは、多くを持っている人は少ないが、趣味で出店している人たちは選りすぐりのアイテムばかり持っている場合も多く、おまけに不定期、かつ気まぐれに出店していることが多いので、要チェックだ。そこで、初めてお目にかかったオジサンがいた。彼自身もコレクター、レコードの入手には不断の努力をはらっていて、自分の趣味に合わないものを出品しているという。話によると、彼はちょうど600枚の新品のシングルを入手したばかり。私はそこでレア盤を新品で数枚ゲット。7日の土曜日は、かなりシングルでおいしい思いをした。8日、翌日のブライトンのレコード・フェアも楽しみになってきた。

9月15日(日)イギリス買い付け日記A
9月3日はある地方都市へ、長距離バスで日帰り。翌4日が面白かった。以前から知り合いのノーザン・ソウルのDJ兼レコード・ディーラーの、ロブの家を訪れた。ロンドンから東へ列車で1時間半ほどの静かな町の駅から電話すると、60年代のコンパーティブルの英国車で迎えに来てくれた。彼の地元、エセックスは、私にとって未見の地。4軒ほどレコ屋に連れて行ってもらった。その中の1軒が、かなりのクオリティを持っていた。壁にデヴィッド・ボウイのPYEのシングルが飾ってあって、いきなりビックリ。汚い店だが、床の上に直接並べられているLPを掘り出してみてみると、かなりのレア盤を複数発見!もう何年も忘れ去られていたもののようで、値段も時代錯誤だ。ホクホクしてロブの家に帰り、夕飯をご馳走になった。その夜は水曜日、ロブは毎週水曜夜7時にボランティアで地元ラジオ局に1時間の番組を持っている。夕食後、私はスタジオ内にまで勝手に帯同、華麗にコメントをはさみながらナイスなノーザン・ソウルをかけるのを間近に見た。とてもスリリングな経験だった。‘日本から来た友達が、今、目の前に座っているよ’なんていう彼のコメントが、イギリスの電波にのってしまった。さて、レコ掘りはそれで終わりではない。放送終了後、長年のロブの友人で、趣味で通販をやっている年配のコレクターのもとを訪ねた。6畳ほどの部屋の壁一面が上から下までシングル、厳密にアルファベット順に並べられたその数は、4万枚近くあるという。特に探していたアイテムを多く見つけ、大感謝。ロンドンに帰る最終列車の時間が迫ったので、残念ながらすべてを見ることはできなかった。LPも数多くあると言うので、次回の訪問(12月)が楽しみだ。うーん、滑川ではなく、大岡川だったか。

9月14日(土)イギリス買い付け日記@
9月2日へタイム・スリップしましょう。私は海外へ行く前日は、寝ないようにしている。おかげで、ヨーロッパへの航路約13時間のうち、いつも8時間は寝る。成田空港ロビーで鈴木杏樹を見かけたが、そういうわけで、あっという間にロンドン着(ヒースロー空港ではジミー大西を見たことがある)。午後3時半。そのままいつもの地下鉄ピカデリー・ラインに乗車、1時間でセントラル・ロンドン着、と行きたいところだが、突然、「都合により、次の停車駅、‘NORTHFIELDS’で、運転を中止します」とのアナウンスがあり、全員降ろされた。ロンドンの鉄道のひどい運行状況は有名だが、どんな状況になっても騒ぐ乗客はいない。日本だったら、駅員を取り囲んで、怒鳴り散らすオジサンが必ずいるものだが、ロンドン市民は「電車は思うように動かないもの」と思っているようで、いつも極めて冷静である。その地下鉄の運行が突然打ち切られる主な原因というのをどこかで知ったことがあるが、なんと、‘交代の運転手が来ない’ということらしい。酔いつぶれて寝ているのだろうか?まぁ、日本だったらバスでも電車でも酔っ払って運転してしまう国なので、まだ来ないほうが良いかも知れぬ。さて、なんとか後続の列車でセントラル・ロンドンに到着、いつもならホテルにチェック・インしてからひと回り開始するところだが、遅れたので、荷物をぶら下げたまま(行きの荷物は軽いのである)、8時まで営業しているレコード店へ飛び込んだ。市内に支店をいくつも持つ、代表的な店だ。その中の、コレクターズ・アイテムばかり置いてある店舗だ。LPは高くて手が出せないので、シングルのみをざっと見た。閉店まで1時間半ほどの間に、約3千枚見て、その中から5枚ほどを購入。だいたい、シングルは、500枚見て1枚引くくらいの割合なので、まずまずの成果だ。1日の日記に、「では日本時間明日深夜には、もうロンドンでレコ掘りを開始しますよ、私は」と書いたが、ちゃんと実践したことになりますね。そして、そのままいつものホテルへチェック・イン。予約も入れてないが、常宿にしているところだ。バス&トイレ付き、7泊で£165。少々贅沢かもしれないが、交通の便を最優先にしているので仕方ない。今日はここまで。訪れた店で1時間半の間にひとつ大きな問題が起きたが、なんとか乗り越えた。それを知りたい方には、店頭でこっそりお教えします。

9月13日(金)
私は、グッタリしています。ついさっきまでここにいた、Y田さんもお疲れのご様子。昨日の‘IT'S GRAND VOL.2’は、熱かった。恥ずかしながら私も踊り狂い、上着がビショビショになってしまった。あれだけ汗をかいたのは、96年の8月(会社退社直後)に、デパートのバイトで、クマの着ぐるみに入って以来だ。昨夜もガブガブ水分を取ったがまったく尿意を感じず、寝入った後の朝方に塩分が欲しくて目が覚め、急にキムチをパクついてしまった。脱線したが、今回は、前回を大きく上回る、66名様にご来場いただきました。感激しました。ありがとうございました。先着で配布したスペシャル・コンピレーションのCD(DJ7人が2曲ずつ、全14曲)が好評で、これから恒例にしてゆきます。次回は12月20日(金)です。苦労して、週末を取りました。来場者数のノルマが高いので、主催者はたいへんです。ぜひ、よろしくお願いいたします。とにかくこれから詳しくは、HP(8月30日の欄参照)をご覧になってください。昨日の様子も、近々写真付きで紹介させていただけるはずです。話は変わって、例のアザラシくんが、HOT VINYLすぐ横の帷子川に現れたという。次は滑川(鎌倉)だ。(←勝手に断定) 江戸時代の記録にも、江ノ島あたりにアザラシが現れてひと騒動になったという話があるので、あながち有り得ない話ではない。あれ、今日から英国紀行文を載せるのだったのでは?

9月12日(木)
帰ってまいりました、イギリスから。細かいことまでお話をしたいところですが、本日は、これから‘IT'S GRAND VOL.2’があります。そのため、残念ながら、時間がありません。明日以降、たっぷりとイギリス紀行を載せていくので、本日はご勘弁を。とりあえず、良品をいっぱいゲットしてきたことは、お伝えいたします。それでは今夜、club Lizardでお会いしましょう。


9月1日(日)
近頃の日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、私は‘CLIFF RICHARD & THE SHADOWS’が好きだ。現在でもイギリス、ヨーロッパ各国では、当時からのベテランのファンを中心に絶大な人気を誇る。彼らのレコード・セールス的絶頂期は60年代初頭、だいたいビートルズ出現後しばらくまでである。しかし、音楽的絶頂期は、66、67年頃だと思う。もともと、‘SHADOWSが60年代で一番演奏が上手い’と言ってはばからない私だが、その頃の演奏は格別、いつ聴いてもうっとりしてしまう。今日、67年の最高作、『CINDERELLA』をお買い上げいただいた。60年代半ばには、彼らのレコード・セールスは絶頂期に比してかなり落ち込んでいたので、どれもレアで、安く手に入るものは少ない。その『CINDERELLA』は7月にイギリスで驚きの安値で入手できた、渾身のアイテムだった。\5800と言うHOT VINYL価格は、本国イギリスでの標準価格よりも安かったかもしれない。個人的にも持っていないので、また探さなくちゃ。明日スタートのイギリス買い付けに、改めて気合いを入れた。次は、9月12日に、このページでお目にかかります。9月12日はイヴェント‘IT'S GRAND VOL.2’当日。昼間だけ出勤して、夕方からは店を休みます。皆、山下町CLUB LIZARDに集結しましょう。ナイスなコンピCDを配ります。さぁ、では日本時間明日深夜には、もうロンドンでレコ掘りを開始しますよ、私は。

8月31日(土)
明後日からイギリスへ買い付けに行くので、WANTS LISTの作成を進めている。見つけたレコードを手にして、‘あれ、これ持ってたっけ?’とか思案することはよくあるし、実際にレコードの山を目の前にすると、‘何を探すんだっけ?’となってしまうことが多いので、リストは必須アイテムだ。打ち出してみたら、シングルだけで300枚超。夜、ホテルの部屋で、その日に購入できたレコードの欄に線を引くのが、この上なく楽しい。しかし、リストに出ているようなレア盤は、普通にレコード屋を回っているだけでは入手できないようなものばかりだ。そこは創業85年、長年のキャリアを誇るHOT VINYLの腕の見せ所。コレクターからコレクターへ、芋づる式に‘持っている’人に会いに行くのである。理由は分からないが、都会の中心部に住んでいる人より、少々郊外に住んでいる人には、寛大な人が多い。大切なレコードを、‘東洋からわざわざ来た少年(?)’に、適価で譲ってくれることが多い。また、競争が激しくないせいか、思わぬブツに出会うことが多い。今日ご来店のお客様にも、‘ロンドンで4〜5件のレコード屋に行ったけど、まったく良いものは無かった’と言われたが、まさにそのとおり。近頃、私は郊外で地道にレコードを掘ることが多いです。

8月30日(金)
‘IT'S GRAND VOL.2’で配布するCD-Rの製作を、ようやくすべて終えた。作業自体は単純なのだが、なにしろ拘束時間が長いので、根気が要った。‘CDを配る’という話を来場予定者にすると、大方の人は楽しみにしてくれる。前回、スタート時での入場者がほとんどいなかったので、このCD配布で最初から盛り上がれると嬉しい。早い者順で、配布予定枚数はナイショ。きっと、‘世界初CD化’の曲もあることでしょう。ところで、その‘IT'S GRAND’のHPができました。http://itsgrand.tripod.co.jpなので、ぜひご覧になってください。HOT VINYLのアート部門の総力を挙げた、名アート・ワークの数々をお楽しみください。書き込みをお待ちしています。

8月29日(木)
昨日東京へ行った。私は東横線を利用するので、今話題の場所を通ることになった。鶴見川である。べつにアザラシくんに興味は無かったが、それを見に来ている人、というのを見てみたかった。案の定、川を渡る線路の橋、となりの大綱橋あたりには、ヒマそうな人がいっぱいいた。と、その見物人達を揶揄してみたくなるのだが、私もそのアザラシくんに少々の興味をそそられるのは事実だ。それはやはり、横浜で起こっていることであり、マスコミが過熱している、ということによる。もしも、富山あたりにそのアザラシくんが現れていたら、マスコミもたいして反応を示さず、人々も特別の興味を示さなかっただろう。人口が密集していて、水質の良くないところにわざわざ現れて、その場所がたまたま首都圏だったから盛り上がっているのである。しかし、盛り上がっていると言っても、盛り上がっているのは関東ローカルの人ばかりで、逆に富山の人たちはまったく興味を示していないかもしれない。地方の人たちの、今回のアザラシ騒動への見解を訊いてみたいものである。それにしても、アザラシくんが現れたのが多摩川や鶴見川で良かった。アザラシくんには迷惑な話かもしれないが、かわいい愛称を付けてもらえた。帷子川とか滑川だったら、どういう愛称が付いたのだろう?

8月26日(月)
9/12の‘IT'S GRAND VOL.2’で配る予定のCDに収録する音源14曲が揃った。出演者順にダラーッと並べて収録する。しかし、そのCDの製作に協力してくれるK田さんは、やはりつなぎを考えてしまうそうである。彼の選ぶ曲は、13&14曲目に収録される。とりである。他のDJの曲目を見て、「ここがPOPで、ここらあたりで女の子を喜ばせて、ここくらいでワーッと盛り上がるから、オレのところは…」と分析して、入魂の選曲をしてくれた。ラスト14曲目のTHE LOCOMOTIVEの「Rudi's In Love」は、すんなり決まったが、13曲目に悩んでいる。そして出した結論は…。当日のお楽しみ。

8月25日(日)
「ジャズっぽいやつ、ありますか?」という質問は、もっとも苦手とすることだ。「ボサっぽいの」でも「サイケっぽいの」でも同じだ。特定の分野を指定して、私の‘おすすめ’を尋ねられることが、困ってしまうのである。どうして苦手かと言うと、私がすすめたものが、お客様にとってストライクじゃない、ということが多々あるからだ。きわどいボールということもあれば、大はずれのボールということもあるだろう。そういうことが起こるのは当然と言えば当然かもしれないが、店主として、適当なものをおすすめできなかった責を感じてしまうのである。ところが、例えば、「ビートの利いたPOPなやつ、ありますか?」だったら即座に何枚も挙げることができる。UKビート(とくにマージー・ビート)は、私の専攻(?)だからある。結局は、その分野に、いかに造詣が深いか、ということなのだ。つまり、反対に、お客様のお探しのものを即座に挙げられない、というのは、私の無知さを露呈していることになるわけで、レコード屋店主としてとてもみっともないことだ。でも、やはりどう考えても、すべての分野について(といってもロックだけだが)、的確にアドヴァイスをできるというのは、一筋縄ではいかない。まだまだ勉強中だということを、重ね々々申し上げておきます。HOT VINYLに来てくださるあるベテランのレコード店店員の方が、「結局は、客のほうが絶対に詳しい」と言っていた。真理だと思う。私が買い付けに行くときに持っていくWANTS LISTには、毎回、前回の買い付け時には知りもしなかったレコードが書き加えられている。一応、刻々と進歩している証だと自負している。

8月24日(土)

昨夜のこと、仕事から帰宅した妻が、「今、流行ってる音楽って何だっけ?ラテン系の。昔すごく流行っていて、今また流行っているやつ。」と尋ねてきた。何が流行っているかは知らないが、‘昔流行ったラテン系’というヒントだけで、「ランバダ?」と答えた。すると愚妻からは、「そうそうランバダ!同僚の○○君って、毎週末ランバダのDJで忙しいんだって。」という返答。ほんとか?いつもうる覚えで、いい加減な頭脳の持ち主の妻だ。‘コックピット’のことを、‘ピックコック’と呼んでいるようなお人である。ぜんぜんありがたくないが、‘チョーさん’と似た頭脳を持っていると思う。いつも楽しませてもらっている。多分、○○君が好きなのは、ボサノバかもしれない、と後になって考えた。‘ランバダのDJ’を見てみたい気もするが。


8月23日(金)

昨日、初めてCD-Rを焼いた。今、この日記を打っている店のパソコンで焼けることは知っていたのだが、実は一度もやったことは無かった。なぜ1年近く使ったことのなかった機能を急に勉強したかというと、9月12日のイヴェント‘IT'S GRAND VOL.2’で、先着○○名様限定で各DJ2曲、全14曲収録のCDを配るからである。簡単に作れるとばかり思っていて、K田さんの友人に頼むつもりでいたのだが、1枚につき15分程度必要だということを昨日知って、それでは自分でやらなきゃと思い立ったのだ。CDからCD-Rへのコピーなら簡単にできるのだが、レコードからだと、アナログ→デジタル変換の機械が必要なので、コピーするマスターだけはK田さんにお願いすることにした。実際に配るCD-Rは、私が1枚々々心を込めて焼きます。キチンとデザインしたスリーブ(名DJ兼名デザイナーのTAKE氏製作)も付けるので、楽しみにしてください。ところで、横浜は今日も雨模様。現在午後5時過ぎだというのに、いままで来店者ゼロ。いいですか、こういう日は割引きでレコードが買えるかもしれません。今からご来店の方で、「雨の日なのに、わざわざ来たよ〜ん」とおっしゃった方には、20%OFFします。お願いしますねー。

8月22日(木)

さきほどいらしたあるベテランのお客様が、「あ、こんなのもあるんだ」、と手に取られたのが、トム・ジョーンズのシングル。「結構、近頃の若者の間で盛り上がってるんですよ」と私が言うと、「かんべんしてよ〜」とおっしゃった。もっともなご意見である。一般的に、特に日本では、トム・ジョーンズと言えば、ラス・ヴェガスの派手なステージで、タキシードを着て熱唱する濃いオヤジ、といったイメージを持たれている。実際そうだろう。私もトム・ジョーンズと言えば「Delilah」で、暑苦しいイメージしかない。ところが、近頃の若者達は、そのキャバレー・シンガーとしての側面よりも、ノリノリで‘メキメキ’なシンガーとして注目しているようだ。「It's Not Unusual」がよくまわされているようだし、その他にもキラーがあるらしい。そういう風に、偏見を持たない若者が、60年代の音楽を再びシーンに返り咲かせるというのは、とても好ましい。次はエンゲルベルト・フンパーディンクか?

8月19日(月)
昨夜から大雨だ。こういう日はレコードを持って歩くには、都合が悪い。イコールお客様がいらっしゃらない、ということになる。ついさっき、ようやく扉が開いたので期待して振り向くと、宅配便の兄ちゃんだった。しかし、こういう日こそ、レコード探しに利点があるのであります。まず、なんと言ったって、私(店主)を独占できます。あなたの召使になります。聴きたいレコードが聴き放題です。おまけに、来月初めのイギリス買い付けを控えたこの時期、現金が欲しいので、割引の交渉がスムースに進むことも多いでしょう。とりあえず、今日は10%OFF確実です。20%OFFチケットまで、あげちゃいます。大雨、大雪、大火事、大地震、大洪水、騒擾の日は、お得ですよ!

8月18日(日)
「日記読んでます」と、お客様から言われることが多い。嬉しいのだが、少々気恥ずかしさを感じることも事実だ。本来‘日記’というものは、他人に読んでもらうことを前提にしてはいない。他人どころか、後々自分で読み返すのも、気後れするようなものではないだろうか?私は、昭和天皇が死んだ日(高3で受験直前)から、大学を卒業するまで、1日と欠かさず日記をつけていた。一度も読み返したことが無いのはもちろん、読み返す気にもならない。800年後くらいに、‘20世紀末バブル期における、ある大学生の日常’という研究の一助にでもなってくれれば良いと思っている。ところでこの‘店主日記’、多くの方に読んでもらうことを目的に書いているので、読み返したりもしている。そして、早くも‘恥ずかしいことを書いちゃったなぁ’なんて感じてもいる。しかし、これがHOT VINYLとお客様を結ぶきっかけになってくれているとすれば、毎日の健筆(?)にも磨きがかかるというもの。でもどんなにがんばったところで、‘21世紀初頭バブル崩壊期におけるあるレコ屋店主の日常、ならびに、その店の常連達の行状から読み取る、国民の大いなる期待を受けて発足した小泉内閣瓦解の序曲’という研究は進まなそうではある。

8月17日(土)
昨日の閉店後、Y山さんが営業している港南台の美容院へ行った。と言っても、カットしてもらいに行ったのではなくて、音楽談義に出かけた。Y山さんは60'Sの女の子もの、とくにフレンチに関してはかなり造詣が深い。そこへおなじみY田さんと、レコードを持ち寄った。内装がとてもかわいい美容院で、閉店後の店内にプレーヤーを2台設置、プチDJ大会だ。好きな音楽をかけながら、店内にあるレコード、フレンチ・シンガーの写真集を見たりしてワイワイ話すのは面白かった。Y山さんのフレンチのEPをガンガン聴かせてもらって、私はひとつのことに気付いた。皆歌が下手なのである。そこを尋ねると、Y山さん曰く、「新田恵利の‘冬のオペラグラス’みたいなもの」という、簡にして要を得た発言に納得。Y山さんは‘“アイドル・アイドル”している’という点を評価するらしく、最近は松浦亜弥の出現が嬉しいそうだ。私、恥ずかしながら9/12の‘IT'S GRAND VOL.2’でDJデビューするので、ミキサーの使い方、頭出しの仕方等を教えてもらった。まだまだ‘曲がつながる、つながらない’というのは分からないが、とにかく自分の好きな曲をかけてゆくのは快感だった。Y田さんも、終始となりでリラックスしていた。彼の専攻(?)はUKノーザン・ソウル。自宅でそればかり聴いているので、他人のかける音楽を聴くのがとても愉快なのだそう。UK60'Sビート専攻の私は、彼のUKノーザン、Y山さんのフレンチ・ガール・ポップは、すごい楽しかったっす!

8月16日(金)
「自分のコレクションを出してるんですか?」と、よくお客様にきかれます。しかし、じつは、私自身のコレクションは幅が狭い上、数も多くないので、店頭に出すほどのものもありません。私が昔から一番好きなのが、BEATLES、HOLLIES、KINKS、SMALL FACES、WHO等のUKバンド系。中高生のときに買っていた日本盤以外、なぜかBEATLESのレコードはほとんど持っていませんが、HOLLIES、KINKS、WHO のUK盤はそこそこクオリティのあるレコードを持っています。それでも、数はすごく少ないのです。常にHOT VINYLに全力投球のため、個人のコレクションにまでお金が回りません。安いんだけど、すごく珍しい、っていうレコードってありますよね?そういうのを海外で見つけるのがすごく好きで、毎回買い付けに行くたび、2〜3枚ほどを自分のコレクションに足しています。本日、かなりディープなKINKSのコレクターの方がいらして、とても嬉しかったです。お話を少々うかがったところ、私自身の集め方とよく似た集め方をなさっている方のようでした。いっぱい勉強させていただきたいものです。こちらがどんなにがんばって知識を集めても、自分よりお詳しいお客様なんて、いっぱいいらっしゃいます。毎日々々が勉強です。ROCKの勉強が仕事です。大学生のとき、仲間同士でふざけて‘○○大学 60's MUSIC学部 ROCK学科に在籍、専攻はBEATLESです’なんて言ってたけど(合コンの席でこんなこと言う男はどうですか、女性の方々?)、ある意味、いまだにその学生をやっているようなものです。同じ学部の他学科の皆さんとの会話が、楽しくてしょうがありません。他学部、他学科の方のご来店をお待ちしております。教育しがいのあるやつ(視野の狭い男)がお待ちしております。


8月15日(木)
今日も昼過ぎにK田さんが来てくれた。私は事務仕事があったので、あまり彼と話はできなかったのだが、ありがたいことに、彼は自分で音楽をかけて楽しんでくれている。自宅の機器をオヤジさんにすべて破壊されたそうで、自宅では音楽を聴けず、映画を見るか、ゲームボーイくらいしかすることが無いそうだ。仕事をしている私の後ろで、現役のDJが音楽をかけ続けてくれているなんて、なんて贅沢なんでしょう。楽しませてもらいました。ありがとう、K田さん!さて、今日はもちろん‘終戦’の日である。今朝、今日がなんの日だか、愚妻がさっぱり知らなかったことに少々ショックを受けた。終戦の日、と言われているが、実は単に‘玉音放送の日’でしかないことは、記憶にとどめておいても良いかもしれない。14日までにポツダム宣言はすでに受け入れられていたし、日本陸海軍に対して日本軍の統帥部から戦闘行為の中止が正式に伝達されたのは翌16日である。さらに、自衛のための戦闘は禁止されていなかったので、東京上空に飛来した米爆撃機相手の戦闘(米側には死者も出ている)、千島方面での対ソ戦闘は、15日以降にも続けられた。(ちなみに、その千島に攻め入ってきたソ連軍は、日ソ不可侵条約を一方的に破棄し、日本がポツダム宣言を受け入れた後に行動を開始したものであり、国際法を無視した卑劣な行為である。あまりにも前現代的で、野蛮な行為だと言わざるをえない。果たせるかな、いまだ戦力整った日本陸軍守備隊に、こっぴどく痛めつけられたのだが。) そして、何にもまして、玉音放送以後にも、沖縄への組織的な特攻攻撃は敢行されている。レコードに関係ないことをツラツラと記してしまった(玉音放送はレコードか?)。今日一日を、我々があの戦争に思いをはせることなく、楽しいだけで過ごしてしまうことに大きな抵抗を覚えるので、この日記をお読みの方にも一考いただけたら幸いです。毎日が楽しい人間の最右翼として、私も自戒する一日です。


8月12日(月)
今日の開店早々、K田さんが来店してくれた。彼は鶴屋町のサンクスで夜勤で、朝8時にあがってから来てくれたのだ。10日の日記に書いたが、彼は都内で活躍するDJだ。彼はHOT VINYLの在庫のレコをせっせと聴いて、ネタ探しに努めてくれる。ついさっきも、彼がかけたレコードを、「さっきの何ですか?」とお客様が買っていってくれた。ありがたいことです。今週末には、そんなK田さんセレクトの‘DJ御用達ボックス’を設置する予定です。彼曰く、「これ、渋谷の専門店あたりじゃ、倍以上しますよ。」というアイテムが多いので、きっと若きDJ諸氏には一助になるはず。お楽しみに。ところで、さきほどの「さっきの何ですか?」と買っていてくれたお客様は、高校2年生だそう。高2で英オリジナル・シングルに手を染めるとは、かなりの逸材だ。高校生にはやさしく、そしてレコードも安くするので、高校生のみなさん、遊びに来てくださいね。ちなみに、私が英シングル盤をはじめて買ったのは、22才の時でした。THE KINKSの「You Really Got Me」を、なぜかドイツのドルトムント駅前の中古レコード屋で買いました。そうそう、その同じ日にドルトムントで、違う中古レコード屋で『THE KINKS ARE THE VILLAGE GREEN PRESERVATION SOCIETY』の英オリジナル・モノ盤を買ったのを思い出しました。ちなみに、価格は30マルク!あぁ、恐ろしや。

8月11日(日)
‘60'S ROCK’以外の分野に許容の念を抱けるようになったのは、つい最近のことだ。今思うとヒドい話だが、中学3年のときに、プリンスのファンの望月君に、「プリンスなんて、どこがいいの?気持ち悪い。」と言ったら、望月君はマジで怒っていた。当時は、望月君がなぜ怒るのか、まったく理解できなかった。なぜなら、14才の私にとってプリンスの音楽はロックではない、という以前に、とにかく‘60'S ROCK’ではなかったからである。本当に、‘60'S ROCK’こそがこの世で究極で最高の音楽だと信じていた。個人的には今でもその考えは変わらないが、「JAZZが好き」、「SOULが好き」、「プログレが好き」という万人の意見には、敬意を持って耳を傾けることができるようになった。それは、自分で海外に出て、レコ漁りをするようになったことが大きい。日本に比べて、じつに多くの分野のファンがいる。そういう人たちと触れ合って、各自の情熱の一端を知ることができ、毎回感心させられている。私も、一生‘60'S ROCK’を追求してゆくことになるだろう。そんな音楽と、中学生時分に出会えたことを、嬉しく思う。

8月10日(土)
UKノーザン・ソウル・マニアの常連、Y田さんがまわすというので、昨夜、あるイヴェントに行ってきた。22時スタートというので、2130頃に入店。Y田さんの出番は2時45分からだったので、他のDJさんたちのパフォーマンスをゆっくり見させてもらった。DJに必要とされているものは、選曲のセンスの他に、技術だ、ということを最近知ったので、注意深く聞いてみた。曲のつなぎがスムースなのである。リズムを乱すことなく、次の曲に移ってゆく。もちろん2曲のテンポは異なるので、そこは回転数をいじって、違和感無く移るのである。あれはかなりの練習をして、そして場数を踏まないとうまく行かないはずだ。彼らはみな20代前半の若者達である。情熱を持って取り組めることがあって、本当にすばらしいことだ。そして、もしよければ、HOT VINYLでネタ探しをしてください。HOT VINYLでも、もうすぐ、DJ K田さんセレクトの、DJボックスを作ります。DJ諸氏、楽しみにしていてください。さて、そのイヴェントが終わったのが、結局朝5時近く。私は残念ながら中途退席したが、Y田さんの話によると、終了後に反省会をしたという。9月12日にやる、IT'S GRANDでも、反省会をやらなければならないかなぁ。当日では酔っ払いだろうから、日を改めて。

8月9日(金)
ミュージシャンの名前を仲間内でどう呼ぶのか、というのは、なかなか難しい問題だ。‘ジョン’、‘ポール’と言えば、ビートルズ・ファン同士ならもちろん‘ジョン・レノン’、‘ポール・マッカートニー’だし、ローリング・ストーンズのファン同士なら‘ミック’、‘キース’は‘ミック・ジャガー’と‘キース・リチャーズ’である。しかし、昨日ご来店のS田さんは、‘オレはブライアン・オーガーは嫌いだ。だって、キースが好きだからな。’と、おっしゃった。ここでは、キース・リチャーズでは話は通じない。キース・ムーンなら、なおさらだ。では誰か?キース・エマーソンだったのである。キース・エマーソンが好きだと、なぜブライアン・オーガーが嫌いなのかは謎だが、S田さんはそのオーガーの派手なキーボードがフィーチャーされている、スキャッフォルドの「All The Way Up」をご購入くださった。ありがとうございました。そういうわけで、‘ポールの来日が決まったねぇ’などと、簡単に人に話しかけてはいけないのである。もしかしたら、その話しかけられた彼は、‘おー、待ってたぞ、ポール。今度こそ、アート・ガーファンクルと一緒に来てくれ。’と思ってしまうかもしれないからだ。ふと自分のことを考えてみると、私にとって‘ミック’はミック・ウィーヴァー(aka Wynder K. Frog)だし、‘ブライアン’と言えばブライアン・ゴッディング(‘?’の方は、お尋ねください)である。‘チャーリー’と言えば、えーと、チャーリー・セクストン。‘ビル’は、えーと、えーと、ビル・クリントン。

8月8日(木)

横浜スタジアムの昨日の‘横浜-巨人’戦のチケットをもらい、ちょっと事情があったので、行きたくもなかったが行ってきた。00年のシーズン終了後、日本のプロ野球には嫌気がさして、昨年、今年とまったくニュースを見ていないので、出場選手の半分は知らなかった。波留がベイスターズにいないことも、昨日初めて知った。キャッチャーが中村だったのにも驚いた。谷繁がいないことは、どうでも良い。で、そこで何が面白かったって、試合開始前から守備攻撃交代時間まで、すべてが‘ウルトラマン・コスモス・デー’だったのである。なにやら現在映画が公開中とのことで、逮捕→不起訴で話題を呼んだ主役の杉浦某、風見しんご、布川敏和ら、出演者も始球式をしたりしていた。ウルトラマン・ファミリー28人総登場は、ちょっと楽しかった。おちゃらけたダンスは興ざめだったが。それにしても、暑かったろうなぁ、と同情の念を禁じえなかったですよ、昨日のあの暑さじゃ。途中スコア・ボードに、‘7回裏には、ファミリーがスタンドでみんなと一緒に応援するよ!’と出た。高校野球のように、通路に来て応援をするのかとワクワクして待っていたら、なんのことはない、1塁側の最前列から1ブロックに、28人があの格好でまとまって座り、そろって手拍子をしていた。笑わせてもらいましたよ。想像してください。なんだか赤っぽいビニールの全身スーツを着た光る目の軍団が、最前列でピッチリそろって応援している様を。私が三塁手だったら、笑っちゃって1塁まで投げられないだろう。そういえば、昨日は1塁への悪送球が多かった。中村、石井琢、元木等。きっと、そのウルトラ軍団が視界に入ってしまったに違いない。昨日の試合をまとめると、残塁が多かったし、エラーも多かったし(目前にいた元木、江藤はポロポロひどかった)、両チームとも打率が無い打者がスタメンにいたし、どうも緊張感を欠いた試合だった。もしかしたら現時点で、両方のチーム、あるいはどちらかのチームには、もう優勝の望みが無いのかもしれない、と感じた。まったく順位を知らないもので。知ろうとも思いませんが。帰宅して、ニュースを見て、また笑わせてもらった。元ヴィレッジ・シンガーズの清水道夫氏のニセモノが出た、というニュースである。‘NEWS23’、‘きょうの出来事’でさえ、けっこう時間を割いて伝えていた。ZOMBIESのニセモノが60年代後半に出没していた、という話は聞いていたが、そんなバカなことが日本であるとは。そういえば、清水氏は私の中高の先輩とのことで、10数年前、私が高校生のころ講堂に来て講演をし、「亜麻色の髪の乙女」を歌っていた。あれは本物だったのだろうか?


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