HV店主の収穫2006

店主個人が喜んだ昨年の収穫から10枚を紹介させていただきました。‘収穫扱いできるのはHOT VINYLを始める前から個人的に探していたものだけ’という原則は変わらず。相変わらず探しものは多いようで。

LAST UPDATED 17/11/2007

第1位

BARRY FANTONI
「 Little Man In A Little Box 」
(UK) '66 FONTANA TF 707

もう本当にすみません、展開が読めていて。やっぱりレーベルには‘Ray Davis’(‘e’抜け)の文字が。これは相当難儀するかなぁ、とサーチにリキを入れだした直後に眼前に飛び込んできた。そういう、引いた瞬間に全身に走る電流の快感は、オークションで買うのでは味わうことの出来ない、まさにレコード・コレクターの醍醐味を味わう瞬間。なんだかもったいないので1回しか聴いていないのでよく覚えていないのだが、『KONTROVERSY』にでも入っていそうな、良く言えば「The World Keeps Going Round」みたいな曲だった記憶がある。2回めはいつ聴こうかしら。主旋律をすっかり忘れたころにするかなぁ。オランダでドイツ人から入手というのも面白い。イギリスではまず見つからないだろう。

まさか、‘RAY DAVIS’という別人ぢゃないだろうな。DAVIES関連で店主が狙っているレコードは、英米ともにまだ何枚もありますね。


第2位

THE CASCADES
「 I Bet You Won't Stay 」
(US) '65 LIBERTY 55822

いきなりUS盤で、それもCASCADES。私の趣向をご存知の方は??でしょうが、レーベルをよく見ると‘R. Davies’の文字が。毎度のことですが、KINKS本人らが取り上げていないレイ・デイヴィス作の曲を偏執的に集めている私。これは‘まさか無いだろう’という箱を前に念じていたら出てきた。ちょうどこの盤の入手に燃えていた時であり、その‘引き’はあまりにも強烈だったため上位にランクイン。今思い出しても、これほどインパクトのある‘引き’は過去に3回あるかないかだ。曲もいい。『KONTROVERSY』や『FACE TO FACE』に入っていて当然、とも思える。


第3位

THE SCAFFOLD
「 Lily The Pink 」
(UK) '68 PARLOPHONE R 5734

  

昨年のこの‘収穫’で、‘あと一枚’と書いたSCAFFOLDのプロモーション盤。その一枚が彼ら最大のヒット曲というのは、‘ヒットした曲ほどプロモーション盤は珍しい’ということを裏付けている。プロモ盤オンリーのピクチャー・スリーブが嬉しい。これでPARLOPHONE時代はレギュラー、プロモともにコンプリートとなった。WARNERやBRONZE時代は、どうすべーかなぁ。


第4位

PETER SELLERS
「 They're Parking Camels Where The Taxies Used To Be 」
(UK) '79 UNITED ARTISTS BP 335

セラーズ最後のオリジナル・アルバム『 SELLER'S MARKET 』からカット。これはその存在を知らなかったので引いた瞬間ビビった。このプロモーション・レーベルのデザインは秀逸。10数年の英レコ掘り歴でこれ1枚しか見たことがない激レア盤だが、敢えて内容について触れるようなものでもない。さて、あとセラーズで狙うシングルはSOVEREIGN(!)から出ているやつくらいかしら。


第5位

THE KINKS
「 You Really Got Me 」
ACETATE
(UK) EMIDISC

両面でレーベルのデザインが違ううえ、B面(というか片面)は誰だかも分からないというのもアセテートならありかな、と。前2枚がまったく売れなかったにもかかわらず、よく3枚目をリリースするチャンスが巡ってきたものよ。ヒョンなことから当時キンクスのファン・クラブの運営に当たっていたおじさん(の代理という人)と知り合いになり、そのおじさんが持っているという膨大なレア・アイテムのリストを見せられた。なにやらおじさんは貧乏なうえ、心臓を悪くしていて身軽になって治療費を捻出したいということだ(こういうストーリーは胡散臭いといえば胡散臭い)。垂涎のアイテムがリストに並んでいたが、とりあえずこの1枚だけにしておいた。アセテートなんて私にとって未知の分野ゆえ、これ1枚で打ち止めにすべく、代表曲1枚に絞ったのだ。後年‘あぁ全部買っておけば’と悔やむこともあるかもしれないなぁ。


第6位

THE KINKS
『 God's Children 』
(UK) '71 PYE 7NX. 8001

いつの時代のものであれ、EPのプロモーション盤というのは珍しい。レコード自体はそう珍しいものでもないので、汚れたジャケでも気にはしない。それにしても71年にもなってなぜEPがリリースされたのだろうか。タイトル曲は名曲だけれどね。


第7位

MIKE SHERIDAN'S LOT
「 Make Them Understand 」
(UK) '65 COLUMBIA DB 7677

バーミンガム出身のビート・バンドのB面曲にドキドキ。ROY WOODの名が初めてレコードに刻まれた記念すべき1枚。‘ヤツラに分からせてやれ’という強い口調の曲名だが、美しいメロディーとキラキラなアレンジと録音でビート・バンドの曲としては異彩を放つ。この手の収穫は義務感ばかりが先立ち内容など気にしないことが多いが、これはいつでも思わず頬が緩む名曲。プロモ盤はすでに所有していたが、レギュラー盤は初めて見た。

第8位

PINKY AND PERKY
「 The Velvet Glove 」
(UK) '58 DECCA 45-F11095

英買い付け前後に限らず年中悪夢にうなされ、現地に行ったら行ったで交通費(地下鉄初乗り\1000)をケチって歩き、腹をすかせて目もクラクラ。そんな苦境下で安らぎの瞬間を与えてくれるのがピンキー&パーキー。日本では競争率ゼロだが本国に行けば人気アイテム、50年も前のピクチャー・スリーブは当然レア。デッキ・ブラシのベースを弾くパーキーの姿から、当時の英音楽界の趨勢を見て取れる。まだまだ現役のピンキー&パーキーに乾杯!

第9位

THE KINKS
「 See My Friends 」
(UK) '65 PYE 7N. 15919

「See My Friend」ならゴロゴロある。一昨年のこのコーナーに登場したこの表記タイプの1枚はセンター・ホールが大きいタイプだったが、今回のような英標準レーベル・タイプで‘FRIENDS’表記の盤は未入手だった。10位の『 Something Else 』の1/100ほどの価格だった、と書き添えておこう。


第10位

THE KINKS
『 Something Else 』
(UK) '67 PYE NEP 24296

いきなり価格の話で恐縮だが、今年もブッチ切りのものからスタート。売り手が価値を分かっていなくて激安で入手したのならともかく、それなりの価格を払ったのなら上位に入るほどエキサイティングではない。欲しくてたまらなかったというものではないが、状態を見たら買わざるをえなかった、というところ。手にして初めてLPとは若干ジャケのデザインが異なることに気付いた。

第11位
TOP10入り寸前だった1枚はこれだ

CLIFF BENNETT & HIS BAND
「 You're Breaking Me Up 」
(UK) '68 PARLOPHONE R 5691

ブラスがばりばり効いたROY WOOD書き下ろしのかっこいいナンバー。プロモーション盤は長らく持っていたが、レギュラー盤は初めて見た。7位の「Make Them Understand」もそうだったが、プロモ盤が先、というのはどうも調子が狂う。‘レギュラー盤→プロモ盤’という順序のほうが感激すると思うなぁ。

今年も店主の個人的な話にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。残念なお知らせなのですが、今年は今のところほぼ何も個人的に入手していないという状況ゆえ、来年やるべき‘店主の収穫2007’を取り止めます。あわよくば‘2008’を狙いつつ、まだまだ探し物を続ける店主です。

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