私の収穫2006

毎度HOT VINYLをごひいきにして下さっているあるお客様による大好評企画が始まりました。昨年も大発見があったようですよ…。

はっきり言って今回の「収穫」は凄い!まさに豊作。長らくウォントを出していたマイ・フェイバリット、ダン・ペンのシングルを2枚も見つけてもらったというのに、それを凌駕するこの顔ぶれ。まさに豊作の1年でした。
UPDATED 01/10/2007

第1位

BRUCE JOHNSTON
「 Do The Surfer Stomp Part One / Do The Surfer Stomp Part Two 」
(US) '62 DONNA 1354


このシングル、じつは少し前にHVで入手していました。今回入手したのは、レアなPS付き。タイトルにある曲のステップを図式化しただけのものですが、とにかく珍しい。そう、僕はこの紙切れに大枚をはたいたわけです。だってあなた、PSですよ。売れるかどうかわかんないパンキッシュなインスト・ナンバーによくぞ投資してくれたってなもんです。そして、このブツを遠くハワイから見つけ出してくれた店長さんには、ただただ感謝です。じつはこのブツ、新春の初売りセールでゲットしたもの。2005年の収穫で、これを超えるブツがあるかどうかんなて嫌味なコメントを寄せちゃいましたが、残念!やはりこれが一番でした。なんといってもこれ以上所有欲を満たしてくれるブツも珍しいですから。うーん、来年やいかに!

第2位

DARLEN LOVE
「 Stumble And Fall / Quiet Guy 」
(US) '64 PHILLES 123


ダーレン・ラヴほどスペクターに貢献したシンガーも珍しいのではないでしょうか。一方で、彼女ほどぞんざいに扱われたアーティストもいません。その象徴とも言えるのがこのシングルで、リリース直後に回収されたかと思えば、同時にカタログからも抹消されるという有様。理由は、より大きなヒットを望めるロネッツの新曲「Walking In The Rain」を早く世に出すため。「Walking In The Rain」は回収されたシングルと同じレコード番号‘PHILLES 123’としてリリースされました。競合を避けるためにスペクターが採った合理的な手段だったのです。ちなみにこのアイテム、少々難ありということで、超激安でした。


第3位

FRESHMEN
『 MOVIN ON 』
(UK) '69 NPL 18263

★店長曰く‘ペット・サウンズに対するアイルランドからの回答’だとか。なるほど随所にアメリカン・サーフの影響がうかがえます。サウンド・プロダクションもそれっぽし。裏ジャケを覗くと、ビーチ・ボーイズというよりはゼムのような風体のいかつい野郎どもがこちらを藪睨みしているます。しかも総勢7名の大所帯。詳しいことは何一つ分からないのですが、そのハーモニーの美しさには脱帽です。

第4位

THE CRYSTALS
「 He Hit Me (And It Felt Like A Kiss) / No One Ever Tells You 」
(US) '62 PHILLES 105

★当時としては内容が過激だったのか、騒ぎを未然に防ぐために自主回収をしたという曰く付きのシングル。それにしても、愛する彼に殴られる様を歌にするなんてマゾヒズムの極致もいいところ。その後、スペクターの殺人疑惑がどうなったのか追いかけてもいないけど、彼のサディスティックな狂気はこんなところからも窺えます。

第5位

LYNN RANDELL
「 Wasn't It You / Grey Day 」
(US) '67 SILVERCLOUD RECORDS 105

★60年代に‘ザ・モンキーズのマスコット・ガールフレンド’として活躍したオーストラリアのガール・シンガー。本盤は、emレコードによるCD化の際にも選から漏れた1曲。ゴフィン&キングによる佳曲で、ビリー・デイヴィスやペギー・リプトンも録音しています。特にビリーのバージョンは素晴らしく、個人的にUKガール・ポップの最高峰だと信じて疑いません。とにかくクールなんです。リンのバージョンはそれには及ばないものの、キュートでパワフルなボーカル・ナンバーに仕上がっています。
HV註:彼女、今年の6月に亡くなってしまいましたね。70年代からの薬物依存が原因の多臓器不全だったそうです。7月には1人息子も病死してしまいました。

第6位

THE CAKE
『 THE CAKE 』
(US) '67 DECCA DL 74927

★スペクターよりスペクター的と評される「 Baby That's Me 」を収録した1stアルバム。ジャケこそロンドン・パンク風ですが、ガール・ポップあり、ニュー・オリンズ風R&Bありといったぐあいに、よく言えばバラエティに富んだ、悪く言えばまとまりに欠く、しかしながらなんとも愛おしい1枚です。もちろん僕のお目当ては、スペクター風味のガール・ポップにあるわけですが、こいつはちょっと暗めのボーカルも含め、まさに一級品。なんでも、メンバーのひとりはドクター・ジョンの最初の細君だとか。

第7位

BONNIE & THE TREASURES
「 Home Of The Brave / Our Song 」
(CANADA) '65 PHI-DAN 5005

★PHI-DAN(5005)からリリースされたBONNIE & THE TREASURESの「 Home Of The Brave / Our Song 」ですが、絵柄レーベルのものと、赤いレーベルに黒文字だけのものの2種が存在するようです。今回ゲットしたのは、写真のとおり赤いレーベルのもの。これって、セカンド・イシューなのか・はたまたプロモなのか?と思っていたら、どうやらこの赤レーベル、カナダ盤のようです。蛇足ながらこの曲、UK盤(LONDON-1965とPHIL SPECTOR INTERNATIONAL-1976)もリリースされています(ちなみにPHIL SPECTOR INTERNATIONALのバージョンは、B面が差し替えられています)。これぞまさに究極のガール・ポップと言っても過言ではない作品。かつてCD化もされましたが、今では入手困難のはず。確かHVには在庫があったはずなので、未聴の方は是非これを機会にお求め下さい。絶対後悔はさせません。家宝となること間違い無しの1枚です。サウンド・プロダクションはジェリー・リオペルにニック・デカロ。

第8位

JOHN CARTER
「 One More Mile To Freedom / The Saddest Word I Know 」
(UK) '72 SPARK SRL 1069

★ジョン・カーター名義唯一のシングル。ウォントしていたのですが、ようやく見つけていただきました。店長曰く、「期待したほどでは…」ということでしたが、何をおっしゃる素晴らしい曲ではありませんか。以前にも書いたかもしれませんが、僕は他店でウォント盤をみつけてもらった経験がありません。僕が言うのもなんだけど、HVって本当に誠実なレコード店ですよ。

第9位

VERONICA
「 Why Can't They Let Us Fall In Love / Cubby Danny D. 」
(US) '64 PHIL SPECTOR RECORDS P.S.-2

★フィレスの傍系レーベルからリリースされたレア・シングル。このシングルの後スペクターは、妻の名を取ったサブ・レーベル、アネット・レコードを設立し、シェール(Bonnie Jo Mason名義)のシングルをリリースします。実はこのレーベル、ヴェロニカ(ロネッツ)との不倫でギクシャクした夫婦間の溝を埋めるために作られたものだとか。そう考えると実に興味深いシングルです。愛人のシングルをリリースした後に、本妻の名を擁したレーベルからシングルをリリースするなんて、スペクターも板ばさみで大変だったんですね。まぁ、自業自得だけど。

第10位

ROY HARPER
「 Take Me In To Your Eyes / Pretty Baby」
(UK) '66 STRIKE JH 304

来日も果たしたロイの1stシングル。STRIKEとGOの完全制覇(SASUKEみたい)を目指す僕にとって、外すことのできない超レア・シングルです。
店主から
昨年もこんなにたくさんのレコードを買ってくださったのですね。本当にありがとうございました!ぜひ来年も‘私の収穫2007’をお願いしたいのですが…。

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