店主日記2005

12月31日(土)
昨夜聴いていたラジオで、53年生まれの安斎肇が熱く語っていた。‘これからはオヤジ世代を抜きにしてロックは語れない’と。たしかに、いはゆる‘オヤジ・ロック’と言われる70年代初頭のロックは、HOT VINYLでも売れ線だ。安斎氏は、‘昔はビンボーだったけれど、今はお金持っちゃってるんだから。オレなんか、100万もするフェンダー買っちゃったよ。’と言っていた。ロックを聴いて育った世代が退職を迎える、いはゆる‘2007年問題’も目前に迫り、レコードの品揃えについても一考を迫られていると思う。‘オヤジ・ロック’の拡充も、2006年のHOT VINYLに課せられた仕事だろう。

12月30日(金)
昨夜聴いていたラジオで、‘立川談志師匠のご自宅からお借りしてきたレコードで聴く昭和コミック・ソング特集’をやっていた。本当に自宅から持ってきたかは知らないが、談志本人もスタジオに来て、1曲1曲に解説していた。アホらしい曲の数々に私はコメントする気は無いが、レコードが現場でまだ使用され得るということは喜ばしい。昔、国生さゆりの‘走れメロン!’で、いつも雑音ザーザーさせながら、彼女がレコードをプレイしていたのを思い出した。

12月29日(木)
昨夜聴いていたラジオで、ある日本通のアメリカ人が話していたこと。日本語の‘間’(ま)という言葉には、‘SPACE’と‘TIME’の2つの概念が入っている、と。詩吟を唸るようになってから、日本人の仲間から‘英語で“間”って、何ていうんだい?’と尋ねられて、英語には適切な単語が無いと気づいたという。なるほど。外側の人から見ると、本場の人が気づかないようなことも見えてくる。昔、アメリカ人の友人に‘アメリカの映画って、いつもハッピー・エンディングだから安心してみていられる’と言ったら、‘え、そうなのか。’と慄然としていた。常々私達が洋楽を聴いてフィーバーしても、本場の人たちに比べれば上辺だけのニセモノかしらと思っていたのだが、日本人なりの楽しみ方をするのも悪くないかも。そう考えると、いはゆる‘日本の洋楽’も、堂々と楽しんでよいと思う。日本発の言葉といわれる‘PROGRESSIVE ROCK’にも、誇りを持とう!卑下する必要なし!

★‘フタ’の正式名称。…‘ダスト・カバー’。ギャフン!

12月28日(水)
レコード・プレーヤーの蓋を買った。‘フタください’と言って取り寄せで注文し、注文用紙にも、対応してくれた店員の字で‘フタ’と書かれてあった。今日その‘フタ’を受け取ってきたのだが、ダンボールのケース入りの‘フタ’には、正式名称入りのシールが貼られていた。みなさん、ご存知でしたか、その名を。驚愕のその正式名称は、明日の当日記で。

12月27日(火)
いよいよ佳境に入った。年末は、1年の支払い総決算。ここ数ヶ月間の買い付けラッシュの現金不足のせいで、いくつもの請求書をブッチしていたが、ここ数日ですべてを支払い終えなければならない。期限が先月末までの電気の請求書が出てきて、今日までに入金しないと電気が止まるという事態まで招来してしまったが、それも昨日で終了。おそらく、残っているのは今月分の家賃と、ストレンジ・デイズの広告費だけだと思うのだが。臨時収入が欲しい年の瀬である。あぁ、どこからかビートルズの未使用のチケットでも出て来ないかなぁ。

12月26日(月)
‘見て見て、チケットが付いてるよ!2枚も!’と、女性の声。付き添いの男性は、‘あぁそれ印刷だよ’とぶっきらぼうに応えた。女性が手にしていたレコードは、『THE BEATLES AT THE HOLLYWOOD BOWL』。印刷で当たり前である。あの未使用のチケットが2枚も付いていたら、$3,000くらいするんじゃないか!?もっとか?想像がつかない。一瞬の幸せ感に浸ったその女性を、とてもうらやましく思った。

12月25日(日)
91年前の今日、フランスの西部戦線での話。ドイツ軍と連合軍の兵士が自然と集い、フットボールを楽しみ、お茶を飲み、歓談したという。‘XMAS休戦’として、ヨーロッパの人々の間で語り継がれている‘美談’だ。先月、私が滞英中に見たテレビのニュースで、その日の戦闘に参加していた最後の英人が死んだという。享年109才とのこと。イギリスでは戦没者の追跡、研究がものすごく進んでいて、いつのどの戦闘で誰がどのように死んだか、現在その遺族は、ということを誰でも簡単に知ることができる。例えば、CHANNEL 4のホームページから詳細な検索ができるようになっている。戦勝国の余裕からだろうが、戦没者に対する追悼の機会が多いし、美談仕立てのストーリーがきかれることも多い。日本はどうか?400万名近く(と言われる)の戦没者のうち、どれだけの方々の最期が知られているだろうか?私達のおじいちゃんや親戚のおじちゃん、おばちゃんレベルの話である。まだ南海の島々に眠っている人々がいると思うと、安穏としてばかりはいられないのでは?、という思いが脳裏をよぎる。我々、平和な世の日本人。何をすべきか。いいのか、こんな日本で。レコードはやめられないが。

12月24日(土)
どうですか、皆様は。報道によると、どうもこの冬は久々の好景気らしく、家電店や百貨店はウハウハらしい。今月は一般企業では22日が給料日ということが多いらしく、この3連休の週末はHOT VINYLもウハウハといきたいところだ。しかし、今年後半の3ヶ月に4回という買い付けが収支を大いに圧迫し、アワワワと慌てるばかりの年の瀬だ。さぁ、そろそろ年末年始の営業予定を考えることにするか。(遅い!) サンタさん来て下さいな。

12月22日(木)
怪しい白人の2人組み来訪。ヒソヒソ話すのはロシア語。こちらがロシア語が分からないと思って、好き勝手に話している。フフフ、私は大学で第2外国語がロシア語で、2年間教えを受けたのだ。数字は3まで数えられる実力を持っている私のこと、‘ニエット’しか分からなかったぞ。彼らの手馴れたレコードの扱いからすると、なかなかの玄人っぽかった。ロシア(かどこか東欧圏)でも市場があるのか?あまり英語は得意ではないようで、結局ロクに会話は成り立たなかった。日本盤だけを探していた彼らだが、『レット・イット・ビー』の帯付きボックスの値段を何度言っても分かってもらえず、余裕の笑顔で彼らは‘買うぜ’と言ったものの、電卓で価格を示したところのけぞっていた。(買わずじまい。いったいいくらだったら買ったのだろうか?)

12月21日(水)
また外国からのオーダーだ。ハンガリーへ送るのは初めて。この時期は普段より時間が余計にかかりますよ、と伝え、サッと発送。また貴重盤が海外に流出か。。。 欧州通貨が強い現在、欧州人には日本のレコードの質、価格は魅力的だろう。

12月20日(火)
‘布哇にレコード屋があるの??’とよく尋ねられる。見る価値のある店は1軒ある(キカイダーのポスターが目印)。しかし私が収穫を得たのは、知人の助けのおかげでおもにコレクター諸氏からだった。どこにもレコードに囲まれて暮らしている人はいるものだ。じつに多様でナイスなレコードを、200枚弱入手できた。彼らなくしては、今回の流刑もただの拷問に終わったことだろう。シングルも含めた成果は、毎日どんどん入れている。

12月19日(月)獄中日記B
布哇のレコードを多数見て気づいたことがあった。早いプレスのレコードが多いかも、ということだ。日本でも、赤盤は地方で多く見つかると言われる。全国一斉の発売日を守るため、初回プレスから順に僻地に送ったから、という。布哇までは本土から船で何日もかかるだろう。実際、長年探していたVAN DYKE PARKSの『SONG CYCLE』やGRATEFUL DEADの1stのゴールド・レーベル盤、それにシングルのレア・スリーブ付きも何枚かゲットすることができた。侮れないぞ、わいはー。

12月18日(日)獄中日記A
昨日‘陽の当たらない’と書いたが、それは世間一般的に見た私の行動についての形容であり、実際はジリジリと厳しい日差しの2日間だった。レコ掘りは、幸いに文字通り‘陽の当たらない’作業で、現在の私はまったく日焼けなし。国外に出たという気は当初からゼロ、空港ではかばんにカギもかけずに預けたほど。だって、穂野縷々の街中は日本語の看板が溢れているし、レコードの書き込みの名前も日本人の名前が多いんだもん。19世紀には時の亀羽目羽王から、‘日本の皇室から婿を迎えたい’という申し出が明治政府にあったとも言われるが、実現していれば‘東京都布哇諸島’とかになっていたかもしれない。穂野縷々空港の係員はみな日本語を話すし、彼らも日本を異国とは考えていないだろう。その、フラッと行ってすぐに帰ってこられるお気楽布哇で、私の知人が初のレコード・フェアを計画中だ。私と同趣味のナイス・フェアになることだろう。

12月17日(土)獄中日記@
先週の金曜日に流刑が確定し、1週間で刑期を終えた。終わってみればあっけないが、しょっぱなからヤバかった。刑地である布哇に到着、いろいろ書類を提出するのだが、刑務所たる宿泊地の住所がわからなかったので空白で提出したところ、係官にニラまれた。‘ゼッタイに住所が無ければダメ’と。以前なら‘これから探すぜベイビー’でNO PROBLEMだったのだが、どうやら9.11以来キビしくなったようだ。流刑先から強制送還か?いいのか悪いのか分からないが、とりあえずちょっと冷や汗が流れたその瞬間、空港に迎えに来る係り(知人だけどね)の携帯番号を持っていたのを思い出した。その場で入国の審査官が彼に電話をし、ようやく住所をゲット。なんとか入国を許された。さて、布哇の空港なんて旭川空港よりちょっと大きいくらいの規模しかないので、すぐに知人の迎えの車に乗り込み、朝の9時からコレクター宅へ。アロハ〜な他の日本人旅行者を尻目に、いきなり陽の当たらない場所での作業が始まったのだった。

12月16日(金)
流刑を赦されて帰国しました。こんなところへ流されていましたが、レコ掘り三昧だったのは当然。さてさて、明日から短い買い付け日記です。

12月13日(火)
リバプールのサッカー・チームが来日中だ。そのことを伝える日本テレビのBGMは、BEATLESの「A Hard Day's Night」。その音源が問題だ。なんとBBCでのライブ音源を使用していたのだ。以下は推察。@リバプールと言えばビートルズ A慌しく来日したチームには「A Hard Day's Night」がいいだろう Bテレビ局のライブラリーで音源を捜す Cパソコンでヒットしたのが『LIVE AT THE BBC』 Dそのまま使用 という流れだったのではないか。ここでひとつの問題が現実味を帯びてきていることを思い知らされる。‘オリジナルのフォームが周知されていない’という問題だ。ビートルズで言えば、『PLEASE PLEASE ME』から『LET IT BE』まで、というカタチがあるわけだが、90年代以降の各アーティストの音源乱発(リマスター、ボックス・セット等々)期以降に音楽を覚えたニュー・カマー諸氏にとっては、ビートルズには『PAST MASTERS』や『ANTHOLOGY』というカタチがあり、オリジナル・アルバムと混同されてしまっているのだ。レコードで音楽を覚えた世代とは、音楽の聴き方に著しい差異が生じているかもしれないのだ。杞憂だろうか。それとも気にする必要など無いような些細なことなのだろうか。10年ほど前から、仲間間で話題になっていることではあるのだが。勇ましく来日したヨーロッパ代表のリバプールには、しっかりと『A HARD DAY'S NIGHT』からの正規音源が似合う。ヘロいBBC音源ではダメだと思う。

本日、これから国外追放のため、16日まで当日記の更新を休みます。

12月12日(月)蘭英買い付け日記F
平穏に成功裡に終わった今回の欧州行にひとつだけミソがついたといえば、航空券をめぐる騒ぎだろう。マイレージを使った特典旅行の航空券だったのだが、今年からネット上での申し込みに限り無料で、電話での申し込みには手数料がかかるということなので、ネットにて作業を完了した。オランダに数日間滞在してそれから渡英という旅程(ストップ・オーバーというらしい)を予約するには、‘日本⇔オランダ’と‘オランダ⇔イギリス’というふたつの旅程に分けなければ画面上では予約ができず、‘日本⇔欧州’と‘欧州内’という二つ分の旅行にかかるマイレージを消費しなければならなかった。オランダでの滞在無しの‘日本⇔イギリス’なら、‘日本⇔欧州’分のみの使用で済むのに、だ。無駄なマイレージは使いたくないのでセンターに電話したところ、‘ネット上ではストップ・オーバーの予約の‘日本⇔欧州’1旅程分のみのマイレージ使用での予約はムリ。そのため、電話での予約なら手数料無料。’だという。そんな記述はHP上に無い。さらに悪いことに、‘旅程をひとつにまとめるためには、現在ある予約の解約手数料がかかる’という。それも、2旅程分!当然食い下がったところ、相手も自らの非をみとめ(ネット依存強化策にもかかわらず適正な予約可能システムの不備、およびストップ・オーバー予約の際の手順の案内不足)、解約手数料を1旅程分だけ負担すれば、‘日本⇔欧州’分のみのマイレージの使用に戻す、という。しかも、予約当初と比べ円が落ちたため、各種料金(外国の空港使用料、燃油サー・チャージ等々)の円換算レートが上がったため、すべて請求しなおすという。ドガー!、だ。もうどうしょうも無いので、‘まったく納得いかないが、かなりシブシブに了解することにした’(原文どおり)と、引き下がった。結局、‘オランダ⇔イギリス’分のマイレージを節約するために、6千円あまりを支払うことになってしまった。プンプン!!旅行当日、空港の受付カウンターに行ってみると、‘本日、エコノミーのお席が満席です’と言われ、ビジネス・クラスで行くことになった。客に迷惑をかけたので罪滅ぼし、ということだろう。食事はエコノミー扱いだったけど。航空会社はゼッタイに、悶着の現場では妥協はしない。必ず、こういう風にカウンターでのサプライズ、という手段を使う。見事な懐柔策だ。帰りはもともとビジネスでの特典旅行だったので、なんと今回は往復ビジネス・クラスに。しばしリッチな気分を味わったのだった。荷物もいっぱい持ってこられたし。

12月10日(土)蘭英買い付け日記E
オランダで、あるパブの‘ROLLING STONES NIGHT’に、知人のバンドが参加する夜だけだが顔を出した。ローリング・ストーンズ好きが集まりワイワイやるイヴェントで、ライブ・バンドが昼過ぎから深夜まで出づっぱりという1日だ。

明日は日記の更新を休みます。

12月9日(金)蘭英買い付け日記D
ロンドンに滞在してはいたのだが、ロンドン市内をうろついたのは1日半。今回も周囲ばかり回っていた。移動の際の見慣れぬ風景はいつでも新鮮で、旅だなぁ、という思いをさせられる貴重な時間だ。

12月8日(木)蘭英買い付け日記C
オランダに6泊の後イギリスへ。意外やイギリスのほうが温暖だった。しかし日中でも最高で3℃くらいのことが多く、レコ堀りに支障をきたすこともあった。おまけに、この時期のヨーロッパは暗い。明るいのは、おそらく1日のうちで6時間くらい。ときにはお日さまを頼りに掘らなければならないこともあり、冬場は集中力と効率が要求されるタフなツアーなのだ。

12月7日(水)蘭英買い付け日記B
アムステルダムを後にして、いつも世話になっている友人宅へ。宿泊代まで負担していたら、とてもじゃないが高いユーロのヨーロッパで、高いレコードから利益など出せない。彼はビートルズ一筋のコレクター。レコード・ルームにプレーヤーが無いということからも、私と同じで‘ブツとしてのレコード’に魅力を感じている人だ、ということが分かる。まぁヨーロッパでは普通だ。レコードだけではなく、印刷物、メモラビリア等々すべてをコレクションしているので、部屋を2つ占領。レコード・フェアのある週は前日、と週明けも仕事を休み、体調を整える。ヨーロッパのコレクターは、日本に比べ恵まれている。

12月6日(火)蘭英買い付け日記A
アムステルダムでの1日は、雨が降ったりやんだり。基本的に、歩いて回るのが楽しみなので、フードをかぶって濡れながらレンガを敷き詰めた道を歩きとおした。どこへ行くにもたいした距離ではない。午前中は動物園のまん前にある‘RESISTANCE MUSEUM’へ。ドイツ軍占領下におけるオランダ国民の苦悩、レジスタンスの歴史を展示した博物館だ。ガイジンである私は、スンナリ見終えてしまいかなり物足りなさが残ったが、古い時代のアムステルダムのカラー映像をふんだんに見ることができたのが良かった。まぁその後もいろいろ回って、午後3時には駅のロッカーへ。24時間以内に行かないと追加料金になっちゃうからな。オランダでの2日目は雨宿りばかりだったけど、やっぱりアムステルダムの街は魅力的だ。

12月5日(月)蘭英買い付け日記@
まず到着したのが、暮れなずむアムステルダム。じつはこの都市、オランダの首都ではあるものの、王宮や政府機能の多くはデン・ハーグにあるため、中心部はまったくノンビリ・ムードの観光地化している。そのため歩いて回るのにじつに適しているし、面白そうなところは枚挙に暇が無い。とりあえず駅のロッカーに荷物をブッ込んでから、散歩。そして、5時半頃に前回面食らったドーミトリー(4月22日参照)に入った。今回は無事に(?)男子ルームに寝床をゲット。もう外は暗いので、日本から持参したおにぎりとお茶を食して6時半に就寝。高いユーロを使う訳にはゆかないので、日本から相当の食糧を持参した。結局、朝8時すぎまで熟睡。14時間か。幸せ。。。(出発前の数日間はやること多い上に緊張しっぱなしで、けっこう疲れていたのであります)

12月4日(日)
なんとか今日でひと段落。明日までには、LPもすべてご覧いただけそう。本日まで、しばらく皆様からのメールにほとんどお答えしていない状況なので、2〜3日中には返事を差し上げようと思っています。お待たせして申し訳ありません。さて、明日から14泊の中で面白いと思ったことを、いろいろ紹介します。お楽しみに。

12月3日(土)
イギリスでの主要なニュースは、光熱費の値上げ、婦人警官の刺殺事件、GEORGE BESTの死、そしてGARY GLITTERだった。やってくれましたグラム界の西田敏行、ベトナムで逮捕。それも少女への淫行容疑。90年代にもイギリスで同様の事件を起こしていた彼は、最近はベトナムに移住して好き放題やっていたらしい。それも表沙汰になりヤバいとばかりに出国しようとして、直前に空港で逮捕されたということで、現在収監中。死刑判決が下る可能性もあるとのこと。下半身までGLITTERだったか。

12月2日(金)
今回のイギリスでも、夜はホテルの部屋でテレビ見まくり。歴史と戦争の番組を毎日やっていて目を離せない。ニュースはまずアフリカ、中近東がらみの国際ネタから始まるので、‘世界’がそう遠いものではないという意識をいだく。反して、我等の日本。相変わらずテレビのニュースでは、バカなネタばかり。その最たるものが、動物ネタ。今日見たのは、アメリカの迷い猫がフランスで見つかった、というハナシ。そんなの報道してどうする!、とつっこみたいのもやまやまだが、今回呆れたのは、片道72万円相当のビジネス・クラスでその猫を返した、という点。おい、コンチネンタル航空!、もうテキサスへ行くのに使ってやらないぞ。お猫サマのほうが待遇がいいのか!

12月1日(木)
本日は9時半に出勤、13時間以上にわたり店から一歩も出ず、パソコンはつきっぱなし。壊れずに働いてくれるパソコンに感謝です。すべては土曜日のため。内容の無い日記で失礼。14泊に及んだ欧州ツアーの詳細は来週以降に。

11月14日(月)
出発前日というのはやはり忙しいもので、今日も各種通帳を抱えてあちこち巡礼。出発までの数日間というのが、一番落ち着かない。この間に、旅行中と帰国後数日間の様々な手はずを整えておかなければならないからだ。もちろん、今回もバッチリ月末の旅行なので、すべての支払いを済ますのに相変わらずヒーヒー言った。そして明日から2週間を超える欧州行。毎年この時期は日本にいないので、HOT VINYLの誕生日を自ら祝えないのは、残念。19、20、23日は大盤振る舞いしますので、ぜひともご来店下さい。

11月13日(日)
横浜西口5番街方面にある現行のヨドバシカメラがすべて撤収し、元三越の建物に集約されるという。歩いてすぐだったヨドバシが無くなるのは不便だ。店内に移転を伝える貼り紙がしてあるのだが、‘三越跡’に移転するという。まるで遺跡扱いだ。‘跡’とは痕跡のこと。‘タイヤの跡’とか‘火を使った跡’のように使う。もう建物の最上部には大きくヨドバシの看板がそびえるが、三越のロゴと比べるとどうも格調が落ちる。勝手ながら、横浜の三越が撤退を余儀なくされたのは、場所が悪かったからだと思う。昭和20年代後半に横浜西口の開発が叫ばれたさいに、進出に乗り遅れたのが響いたのだ。当初真っ先に名乗りを上げた相鉄とタカシマヤは、横浜では安泰。さて、その‘場所が悪い三越跡’で、ヨドバシは凱歌を上げられるのか。興味深く見守りたい。オイラは、BICカメラへの依存を高めなければならないだろう。だって、デカい建物は面倒くさいもの。

11月12日(土)
いやー、今日は多忙だった。いつもいつもヒマで、‘事務仕事がはかどる’などと泣き言を言っているが、今日はお客様が途切れること無かった。ありがたやありがたや。なぜ?それは紙の溝汁。いや、神のみぞ知る。思へば、昨年もこの時期にはヒーヒー言って(財政的にね)いたのだが、出発前日に神風(しんぷう)が吹いたのだった。今年も吹くのか?マジな話、昨日まで‘渡欧ドタキャン’もありえるかな、と冷や汗をかいていた(財政的にね)。今日で気分的には立ち直ったのだが、実際にはまだまだ余裕なし。残り2日、もう少しばかりの神風(しんぷう)が欲しいところ。乞うご期待。

11月11日(金)
今回の米買い付けで、頼まれていたレコードを見つけることができた方で、6日の新入荷以来ご来店されていない方3名様にハガキをお送りしたのが昨日。そして、本日、その3名様すべてからお電話をいただいた!感激である。皆さん‘すぐ行きます!’と口を揃えておっしゃった。良く使う言葉だが、レコード屋冥利につきることだ。こんなことがあるから、ますます皆様からのWANTSのレコードを探してしまうのです。

11月10日(木)
ちょっと昨日EPSONのことを誉めすぎたので、今日はひとチクリ。スイッチオンしてインクの残量を見ると、ギャフン!使用済みの中古品ぢゃねーか!それに、ずっと掃除しないでいた液晶画面を掃除して返してくれたのはいいが、クロスにゴミが付いていたのか、画面にシャーシャーってキズが付いた。このキズは簡単には直せないぜ。ヌー。

11月9日(水)
今日、プリンターが退院して来た。帰ってきて報告を読んで、個人的に騒然!その動作が止まった理由は、余分なインクを吸い取るパッドの交換が必要になったから!そんなの溢れてもいいから、使い続けさせてくれよ。おまけに、材料費は\180だけど、技術料が\4630…。これくらい、なんとか消費者が自力で替えることができるようにしてもらいたいものだ。しかし、取り外して入院させたカラー・インク6色が、しっかり純正で入れられて返って来た!これだけで、まともに買えば\6000ほど。入院して、太って帰って来たあげく、費用も無料以上の待遇を受けたわけだ。というわけで、‘プリンターの修理はインクを取り外して出そう’が今日の教訓。ちなみに、EPSONです。えらい、EPSON!HPのプリンターを修理に出したときは、空のまま帰ってきたぞ。

11月8日(火)
ついに恐れていたものが来た。レコード周辺グッズの値上げ宣告だ。11月15日出荷分から値上げするというので、すぐにもいくつかを注文してしまいたいところではあるが、いかんせん現金不足でそれもかなわず。みなさん!これからは常にレコード・バッグを持参してください!!組合系の黒いヤツでもどこのものでもかまいませんから。

11月7日(月)
シールドLPの扱いは難しい。私のように、レコードを実用のものとして以外に‘コレクションのアイテム’として認識している輩には、シールドは価値あるものである。なぜなら、欧米でそうだから。ビートルズのUSシールドLPなんて、4ケタに近いものがある。しかし、HOT VINYLのお客様の中には、というか大部分の方には、厄介なものとして受け取られているようだ。なぜなら、(ものによっては)価格は高めだし、盤が見られないというのは不安らしい。HOT VINYLとしては、シールドに価値を見出して販売しているので、販売前に封を切って確認、というのは難しい。ご購入いただいて、封を切って盤をチェックして満足ゆかなかった場合には、どうぞご遠慮なく相談してくださいね。私自身はケチなので、封を切ったことは人生で1回しかありませんぜ。

11月6日(日)
うわー、午後からザーザー降りの雨。お客様もパッタリ。まだまだたくさんあります。明日以降に期待。

11月5日(土)
明日のUS盤新入荷の準備のメドがなんとかついた。店主である私が開店時に不在なのは本当に無念だが(午後3時頃に来店の予定)、新しい持ち主を見つけたレコードのタイトルを見て、‘あぁ○×さんが今回もいっぱい買ってくれたなぁ’とかニヤニヤするのも楽しそうだ。LPは、明日はとりあえず100枚弱、シングルは800枚ほど。それに、1万円以上のお買い物で金券が付きます。(最大30%分)どうぞお楽しみ下さい!

11月4日(金)
階下の郵便局からイギリスへ郵便を出した。対応してくれた局員さんが、私が差し出した手紙を手に‘どちらの国へ?’と尋ねてきた。私はそのあて先に書いてあるまま‘UKです’と答えた。しかし彼は‘?’。横から他の局員さんが‘イギリス!’と彼に伝え、私に‘どうも申し訳ございません’と平謝り。‘UK’がわがままな名前であることは確かだが(‘United Kingdom’とは地名ではないからな)、一応世界的に通用している名称だ。がんばれ、南幸郵便局!

11月3日(木)
今日が祝日だということに今日になる寸前に気づいた(昨夜11時過ぎ)。祝日だろうがどうだろうが関係無い。運悪くか良くか、今日は接客時間はものの5分。仕事に集中できる環境だった。(来客は3人ばかり。祝日ってヤツは!) 今日はシングル800枚を次々に試聴。レコードごとにターゲット(失礼!)となるお客様のお顔を思い浮かべながらの、長時間の立ち仕事だった。まだまだ仕事は続く。

11月2日(水)
お、水曜日の次にまた水曜日か。どうも火、水曜日はお客様が少ないことが明らかになってきた。来年に週7日営業を見直す際には(‘暫定的に週7日営業中’と言っていましたよ)、参考にすることになるだろう。ふー、今日も何時までHOT VINYLにカンヅメになることやら。もう12時間以上も、店外に出ていません。まだまだ格闘中。

10月26日(水)
今日まで忙しかった。息をついたプリンターを入院させ(雨の中かついだ)、銀行、郵便局をまわり、あとは渡米中の食料の調達だけ。フー。なんて落ち着いていられない。ここ数日、増税の話で持ちきりだ。ショーヒゼイだ。先月の選挙の結果を見れば、国民の大多数はショーヒゼイの大幅アップには大賛成らしいので、零細SHOP経営の私が怒ったってどうしょうも無い。12%だ!とか威勢の良い数字がきこえてくるが、ますます値札を‘込み’価格にすることをためらわざるをえなくなる。さて、お次は20%?あ、それに加えて、日本人の大多数は、イラクへの自衛隊駐留やBSE入り(?)牛肉の日本流入にも大賛成なんですからね。もうアメリカでBIGなステーキを食べてウサを晴らすしかないな。

明日から渡米のため、1日まで休みます。2日から再開します。新入荷は、今回は変則的に6日(日)11時です。よろしく!(店主は夕刻より出勤なり)

10月25日(火)
買い付け前の数日は、落ち着かない日々である。あれもこれもやっておかなくちゃ、となる。帰ってきてから戦利品の整理に集中できる環境を、事前にいかに整えておけるか、ということである。おまけに、今回は月末の出発。各種支払い(OUCH !)を済ませてからの出発となる。さらにおまけに、帰国後2週間で今度は渡欧するので、ますます金策に頭を悩ます。出発直前までは、レコードを聴いてなんていられない。(←ダメじゃん)

10月24日(月)
どう考えても勝てる戦だったミッドウェイ海戦のように、不測の事態に不測の事態が重なり続けることってあるものだ。先週末に皆様にDMをお送りしたのだが、その印刷がタイヘンだった。もともと7〜8時間はかかる作業なのだが(印刷だけで1枚につき1分超)、さらに多くの時間がかかってしまった。木曜日の便に乗せたかったので、その日の午後に作業にかかった。ポストでの集配に出すことは諦め、夜10時頃までに東口の本局に持参することにした。プリンターに‘要内部調整’の表示が出ていたのだが、印刷自体には問題が無く快調に印刷、なんとかメドがついたその頃、ライトシアンのインク切れ。ちゃんと用意してあったインクを補充、やれやれと思ったら、ヘッドが汚れたのか印刷が乱れた。8割方刷り終わっていたので、どうしようかとも思ったが、せっかくなのでキレイに印刷しようと思いヘッド・クリーニングを実行。そこで!、プリンターがエラー表示とともに停止。2度と動かなくなった。限界が来たのだ。というわけで、2割弱の方々の分は他のプリンターで刷ったので、白黒印刷になりました。(レア!ア行からカ行最初の方の苗字の方のみ) 結局、その2割の方々は、木曜日の消印をもらうことができず、おそらくカラーの方々よりもそのDMの到着は遅かったはず。木曜日の便に乗せる、という目的を達成することができなかったので、作戦は失敗に終わった。‘あと1時間だけプリンターがもってくれれば’、‘あそこでインクが切れなければ’と悔やんでもそれは後のまつり。不運に不運が重なるって、こういうものだ。要は、もうちょっと早くとりかかれば良かったのだけれどね。

10月23日(日)
情けないことだと思いつつ、毎回買い付け前には資金不足に困り果て、皆様に泣きついてしまう。20日の日記もそうだった。しかし!、その『ODESSEY & ORACLE』が早くも巣立って行ったように、その泣きつきが功を奏すのか否か、たいてい(ありがたいことに)なんとかやってきた。今回もあと数日の間に神風が吹いてほしいと祈っている。こういうときは皆様に価格面で強気に出られても、US盤なら逆らえないなぁ。。。

10月22日(土)
ある雑誌で、99年に廃業した新山下のBUND HOTEL内の、‘SHELL ROOM’の取り壊しの様子の写真を見た。50〜70年代はオシャレなナイト・クラブ、ライブハウスとして知られ、ブレンダ・リーもステージに上がったことがあったという。その写真を見て冷や汗が流れた。床にレコードが散乱しているのだ!それもまさに60〜70年代のものばかり!レコ棚ごと粉砕されたようだ。ひと言声をかけてほしかったなぁ。グスン。

10月21日(金)
昨日のニュース。ここ数日話題の(なんで今頃明らかになるんだ!!)、ATMに取り付けられた隠しカメラ。その一味の下っ端が逮捕されたという。容疑は、カッター・ナイフを所持していたことによる、‘銃刀法違反’!おいらなんて、外国にカッター・ナイフを持っていくくらいあたりまえだ。パッキングの際のダンボールの加工には必需品だ。住居不法侵入とか銃刀法違反てのは、ケーサツお得意の身柄拘束術だな。我々もケーサツにマークされるような大人物になったあかつきには、カッターナイフや大工道具の持ち歩きには注意しよう。

10月20日(木)
近頃HOT VINYLにて流行りたる聴き方。‘ノイズが入るけど音がいい’という聴き方をされる方が増えているような気がする。キズによるノイズは減点材料にはなるものの、溝に刻まれている音自体を重要視するということだ。私もちょっと意識して聴くようにしてみたら、あら不思議!店頭にあるキズ付き安レコが途端に魅力的に見えてきたではないか!ノイズを排して‘音’のみに集中してみれば、激安価格にて‘レコード力’を堪能できるのだ。現在店頭にある『ODESSEY & ORACLE』(MONO)なんてキズが多いものの、‘音’はスゴ〜い!米買い付け前の今週末にでも、どなたかに買っていただければ嬉しいのだけれど。。。

10月19日(水)
憤慨、というより呆れていますよ私は。来年1月から、またロンドンの地下鉄の運賃が上がることが、昨日発表されたのだ。それも、現行の初乗り£1.70から、£3に!!!隣の駅まで\600超!?日本でいうところの‘SUICA’のような‘OYSTER’カードを利用する現地の人にはほぼ適用されない運賃体系らしく、どうやら旅行者狙い撃ちになりそうなのだ。バスその他の交通機関も軒並み値上げ予定とのこと。ロンドン交通局のホームページを覗いてみたら、‘いつものように4%程度の値上げです’とシレッとしたもの。いつもLONDONERの大人な振る舞いを誉めている私だが、ちょっとはキレたほうがいいのではないか???日本のサラリーマン(よくキレる)のDNAをちょっと注入してやりたいものだ。ますますロンドンから足が遠のくじゃないか。

10月18日(火)
雨天にもかかわらず、古着屋さんは学校帰りの学生が多く訪れている。買い物をしていないのが大半なようだが、たいした集客力だ。HOT VINYLでは、明日も米盤は大セールをやります。20日(木)は営業開始時間が大幅に遅れます。

10月17日(月)
14日の記述を見て、さっそく来てくださった方がいる。米シングル盤をモリモリ積んでくださったので、気前良く50%OFF!どうやら今週は天気も良くなさそうなので、まだまだやりまっせ!(平日限定説あり)

10月15日(土)
若者三人がソロソロと店内へ。‘フライヤ置かせてくださ〜い’のスかした方々とは風体が異なるので注視していたら、カウンターまで来て曰く‘横浜国大の放送サークル’の方々だという。来月行われる学祭のライブ・イベントで配るパンフレットに協賛してくれないか、という。三ツ沢出身の私としては、地場の横国の皆さんの助けになれば嬉しいという思いもあるので快諾した。そのパンフのラフ・デザインをもらったのだが、アクセスとして‘相模鉄道和田町駅下車徒歩15分 (上り坂あり)’というコメントが。‘上り坂’程度のものではありませんぜ。

明日16日は、都合により日記の更新を休みます。

10月14日(金)
そろそろ渡米の準備をせねば、と思っている。WANTSのリストを再コンパイルすることはもちろん、店頭在庫の米盤の量を減らさねばならない。もしかしたら、今月中は、米盤のBIG DISCOUNTがあるかもしれませんよ。とにかく、店頭で交渉です!!

10月13日(木)
久しぶりになったが、相変わらず店にやって来る営業くん等に言いたい!店主に‘興味ないです’と言われて、ソッコウ帰るヤツがいるか!(ネバられても困るが) なんとか相手を翻意させるべくセールス・トークをするのが筋だろう!(私はゼッタイに翻意しないが) 営業くんの話には乗らないが基本的にはやさしく出迎える方針の、元メーカーのセールスだったHOT VINYL店主である。 

10月12日(水)
‘HUNKY DORY’という言葉をご存知だろうか。‘すばらしい’‘過不足無い’みたいな意味だそうだ。DAVID BOWIEのアルバム・タイトルにもなったこの言葉は、一説には関内の‘本町通り’が語源だという話を聞いた。アメリカの水兵が使いだした言葉で、1860年代のアメリカの辞書に初登場する言葉だという。ウワハハハ、‘ホンチョー・ドーリ’か。BOWIEは知っているのか?

10月11日(火)
となりの古着屋のお兄さんから、‘差し入れでもらったんです。ひとついかがですか?’とフタが開いた大きな箱を差し出され、エンゼル・パイ(まだあるのか?)みたいなパックをひとついただいた。見ると、パッケージにはハングル文字が。‘向かいのエッチツーオーの社長さんが韓国に行ってきたそうで、もらったんスよー’とお兄さん。社長さん、韓国へ何しに??

10月10日(月)
夕刻に来店の母娘。娘さんは店内に入り見回すやいなや、‘ママの時代の音楽だよ〜’と大ハシャギ。だがお母様は意外とクール。ノリノリのお母様だったら、私もいろいろつっこむところだったが、静かに見守ることにした。ちょっと注目したいのは、その娘さんの発言。‘ママの時代’の音楽がHOT VINYLにあるのだとしたら、‘彼女自身の時代’の音楽は何だろう。ちょっときいておけばよかった、という気もしてきた。答をきいたところで、さっぱり分からないだろうが。

10月9日(日)
一昨日、シングルを購入のあるお客様が‘このスリーブを替えて欲しい’とおっしゃったので、そのちょっと痛んだカンパニー・スリーブを交換して差し上げた。初めてのことだったが、‘CS’(Company Sleeve)を気にかけてくださる方の登場を嬉しく思った。そして、今日も同じく、交換をご希望のお客様がいらっしゃった。HOT VINYLの説によれば、レコード・バイヤーは極めて短期間にある種の菌に感染する。明日以降のことも考えて、とりあえず以下のことを皆様に一言申し上げたい。カンパニー・スリーブは、‘付いていればラッキー’という程度のものです。実際、現在の英米では(とくにアメリカ)、正しいCSが付いたままになっているシングルは稀。HOT VINYLの英シングル盤のほぼすべてに正しいCSが付いているのは、努力しているからです。

10月8日(土)
ある若いお客様とELOをあれこれ試聴していた。私個人的にばっちりの1stから、オリヴィア・ニュートンジョンとのジョイント・シングルまでいろいろ。80年頃のシングルを聴いていた際、ドヤドヤと見慣れないお客様方ご来店。店内がノリノリなディスコ・ミュージックだったので、なんだか、私は急に恥ずかしくなった。第一印象が「Xanadu」な店って、どうですか??

10月7日(金)
一昨日までの‘英買い付け日記’と見返してみると、どうも的外れな記述が多く、まったく恥ずかしい限りだ。レコードの引きが強いとどうも写真を撮ることまで頭が回らないので(興奮しまくっている)、結果レコードが出ないロンドン市内での写真が多くなってしまった。レコードのことばかりお伝えしても暗くホコリっぽい写真ばかりになってしまうので、ときどきは美しいカントリー・サイドの写真もお届けしようと思っている。今日はいくつかボツになった写真をご覧にいれます。来月の渡英(え!?もう??)ではすごい田舎に行く予定ができているので、美しいイギリスの風景ばっかりかも。

10月6日(木)
シングルをお探しのお客様から電話をいただいた。‘シングルならここだ、と他店からきいて電話した’とおっしゃる。よっぽど‘どちらのお店ですか??’と尋ねようかと思ったが、恥ずかしいのでやめた。HOT VINYLのような弱小店は売りが必要だ、と当初からシングル志向を打ち出してきたので、それが少しは知れ渡ったらしいと知り、フフフ。なんだか嬉しくなってしまった。

10月5日(水)英買い付け日記H
成田空港からの帰路の列車中、座席に座ってウトウトしていた私の眼前に、おじいさまがやって来た。私はすかさず立ち上がり席を譲った。ニコニコしたおじいさまは、やがて隣の席が開いたので、私に座るように声をかけてくれたので私は座った。いろいろ話すうちに、おじいさまは‘いやぁ、私の若い頃は英語なんて全然勉強しなかったからなぁ’とおっしゃったので、‘陸軍ですか?’と尋ねたところ(海軍は英語を学ぶ機会はあった)、陸軍で戦車の操縦をしていたという。9年間の軍歴があり、最初の4年は満州、後の5年は習志野で教官をしていたとのこと。そして、なんとノモンハンでソ連相手にに戦ったという。ゴーゴーいっている地下鉄車内で補聴器も付けずに元気にしていらっしゃったほどお元気だったのだが、御歳93才だという!もっと多くの話を伺いたかったのだが、乗り換えのため私は下車せねばならなかったのは残念。よくぞ、カンヅメ缶みたいなペラペラの97式戦車で戦ったものよ。別れ際、おじいさまが仏様のように見えた。

その後、壊れた車輪のカバンをひきずって、HOT VINYLへ向かった私であった。(完)
なんだか最後は、レコード屋らしからぬ内容になったなぁ。

10月4日(火)英買い付け日記G
オケラになった私は最終日、休暇をとることにした(まぁそうするしかない)。知的で文化的な休日を過ごすには、イギリスは最適だ。なんたって、たいていの博物館、美術館は無料だ。あの大英博物館でさえ無料なのだから驚くしかない。そこで今回、私が向かった先は、‘THE IMPERIAL WAR MUSEUM’。‘帝国戦争博物館’とはたいそうな名前だが、近代戦のすべての資料を見ることができる、‘戦争好き’イギリス人の集大成のコレクションなのだ。前回訪れたのは9年前。その頃には無かった荷物チェックを受けて、館内に入った。19世紀の様々な戦いから、フォークランド紛争まで膨大な資料が集まっていて、日本関係の些細な資料まであるのだ。その9年前に指摘しておいた展示の間違いが、修正されていたことには満足だった。いろいろ話すと長いので、ウンチクは写真ページで。

10月3日(月)英買い付け日記F
イギリスの3チャンネル、ITVが開局50周年だということで、5時間くらいぶっ通しのパーティー番組を生放送でやっていた。日本などと比べ、はるかに落ち着いているイギリスのテレビで、これだけの騒ぎ(上品だが)をやらかすのは珍しい。有名人が続々登場、みな着飾っていて、さすがイギリスのセレブたちだった。クリフ・リチャードはスタジオで、アコギ1本でデビュー曲「Move It」を披露。ムチャクチャかっこよかった。シラ・ブラックは、相変わらずケラケラ笑い転げてばかりで、オバチャンぶりをいかんなく発揮。ロビン・ギブひとりのBEE GEESは、若手のボーカル・グループがバッキングを務め、メドレーでヒット曲を披露。やっぱり「Stayin' Alive」が、いちばん盛り上がっていた。顔がつっぱったシャーリー・バッシーや、野性ぶりに磨きがかかったディオンヌ・ワーウィックの怖さも印象に残ったが、ぜひとも伝えたいのはSTATUS QUOのインチキぶり!テムズ河畔の特別ステージで、壮大な花火をバックに生ライブ。ナニがひどいって、ぜんぶ口パク!しっかりやらせてやれよ、とITVには言っておきたい。ホテルの部屋で寝転がっている私の耳に、画面から3秒ほど遅れて‘ドドーン’という音が届いた。夜中10時にもなって、よくあれだけの花火をやるなぁ。

10月1日(土)英買い付け日記E
気付いてみれば、ロンドン市内で撮影された写真が多いようだ。市内ではレコードが出ない分、余裕があったのだろう。というわけで、今日はPt.3

明日2日は都合により日記の更新は休みます。

9月30日(金)英買い付け日記D
前回に続いて好評の‘写真で紹介する’英日記だが、やっぱりレコード屋の写真がもっとも喜んでいただけるようだ。恥ずかしながら、今回はもうネタ切れです。今日はロンドンPt.2ということで。

9月29日(木)英買い付け日記C
そうとは言え、やはりロンドンをうろつかずに訪英したとは言えない。なんだかんだで、今回もずいぶんとウロウロした。詳しくは写真で。

9月28日(水)英買い付け日記B
そんな大収穫のあったケント探訪だが、ひとつだけ??な経験もした。ある店(回ってくれた知人も始めての店)を訪れ、店頭のシングルを見たところかなりの良い引き。価格も標準より低めで満足。やがて奥からでっかい箱を出してきてくれた。その中を見ると、まだどれも価格が付けられてもいなくて、ラフに詰められていた。いやぁ出るわ出るわ!、レア・シングルの山だった。鼻息も荒く30枚も引いただろうか。その場では値付けができないので、数日後にまた来いと言う。行きましたよ、電車を乗り継いでわざわざ。そして再訪して値付けされた30枚を見ると!!! どう見ても高ーい!店頭在庫の値付けレベルだったら間違いなく全部購入に至っただろうが、これではダメだ。3枚を除いて、すべて残してきた。イジ汚い値付けがされたものは、しっかりとNOと言わねばならないのだ。

9月27日(火)英買い付け日記A
‘脱ロンドン’とは、もうロクなレコードが出ないロンドン市内から出るということ。前回はヨークシャー周辺で大収穫だったし、今回はケントというエリアまで足を伸ばした。知り合いのオヤジ(最初に熱中したのはSTATUS QUOだと)の車で、グルグルと2日間にわたって回ってもらった。レコード屋いくつか、コレクター宅いくつかを訪れたのだが、まぁ懸案だったシングルが出るわ出るわ。相当交通の不便なところまで行ったので、都市部のディーラー連中もなかなか行かないのだろう。もちろん価格は低め。すごかったのが、‘もう閉店するから’という店で、全品半額にしてくれた。嬉しいような悲しいような…。短期間の旅行では難しいだろうが、渡英の際には最低2日を地方周りにあてれば、きっと何枚かはレア盤が見つかるはず。

9月26日(月)英買い付け日記@
なんとか今日から、今回の英旅行の一端を紹介できます。今回の新入荷は‘手応えあり!’ということを喧伝してきましたが、どうやらお客様にもそれは感じ取っていただけたよう。なにが‘手応え’だったのかというと、クオリティはもちろんその数だろう。シングル600枚というのは近頃の買い付けではかなり多いし、なんといっても英買い付けでLPが100枚近いというのがすごい。歴戦のレコード専用(?)カバンの車輪は壊れるし(取っ手も外れた)。なぜ、今回はそれだけのクオリティと数を獲得しえたのか?そのヒミツは‘脱ロンドン’を推し進めたことにあった。

9月25日(日)
今日あたりまでは、熱心なシングル掘りのお客様が多くて試聴する時間が長く、LPを視聴する時間がなかなか取れなかった。しかし、明日以降は隠してある(?)残りのLP約50枚をビシバシ入れてゆきます。ご期待下さい。10月1日までに全部入れると予告してあるので、1日に8枚のペースで聴かねば。楽しみだ。

9月24日(土)
8時に出勤。シングル500数十枚に価格シール貼りをする。いいかげんに斜めに貼ったりするとカッコワルイので、ゆっくりやったら1時間以上かかった。その後いつもどおりレーベルごとに番号順に並べようとしたが、かなりの時間を要す作業のため断念、11時の段階ではレーベル分けだけという結果に。そして!11時にドアを開けると、廊下には4名様ものお姿が!列を見たのは久しぶりだ。その後続々とご来店、シングルの箱の前にQUEUE(イギリス風)ができるという異常事態になった。その後もひっきりなしにご来店があり、昼食にありついたのは7時過ぎ。持参した握り飯はちょっとすえていたが(早朝に自ら握った)、空腹だったためがっついた。フーッ、充実感溢れる1日だった。ご来店くださったお客様方、ありがとうございました。明日以降も、LPはどしどし入ります。

9月23日(金)
結局今朝6時まで仕事。そして、4時間後の10時にはまたHOT VINYLで仕事開始。まったく苦になりません。しかしまだまだやること山積。とにかく明日の11時までには。

9月22日(木)
成果のすべてをひとり開陳する。ひーふーみー…。いやいや、シングルは500枚を超えるほどを数え、LPだって100枚に近い。いったい全部で何キロになるのだろう?車輪も壊れるわけだ。今日からいろいろ文章を書いて写真を取り込んで等々やろうと思っていたのだが、まったく余裕が無く、来週からにしました。楽しみにしてくださっていた方々、ゴメンナサイです。とにかく、今日明日そして24日当日の朝まで、新入荷のことで頭と手はいっぱいなのです。

9月21日(水)
本日昼過ぎ、最も落ち着く場所であるHOT VINYLへ帰着。レコードだけのために225時間を捧げた旅が終わった。今回はかばんの車輪が壊れるというアクシデントがありヒーコラ言ったが、とにかくすべてのレコードをHOT VINYLまで無事に持ってこられたことにホッとしている。イギリスは日本には無いような重大な問題が山積している国だが、旅行者として上っ面だけを見ていると、無比のすばらしさを持った国だ。そんな国での8日間を、明日から写真も交えていろいろと伝えてゆくのでお楽しみに。

9月11日(日)
どうやら、さ来年からの消費税アップが確定したようだ。つい昨年、すべての在庫レコードの値札を付け替えたレコード屋さん、ご苦労さん!明日から、消費税率が20%に近い国、イギリスへ参ります。こんな日本を脱出できるのは天佑ではある。

というわけで、10日間ほど店主不在のため、日記の更新はお休みさせていただきます。帰国は21日、以降また写真付きでイギリス旅行を紹介してゆきます。17、18、19日の土日月は営業していますので、ぜひともご来店下さいね。

9月10日(土)
原油が高騰しているという。他人事のように、‘ケッ、電気、ガス、水道なんて、“燃料費の増大”なんてのを理由に、勝手に(一応政府機関の承諾が必要だが)都合よく値上げできる職種はうらやましいぜ’なんて思っていたら、ドンデモナイ!じつは中古レコード屋にとっても重大な問題なのだ。まず、航空運賃の値上げ(これは海外に行かないレコード屋にはあまり影響無い)。そして、レコード手提げ、カバー等々周辺のものの値上げ。ヌー。70年代のオイル・ショック時にはレコードのプレスにも事欠いたというが、現世にも難問山積だ。おまけにロンドン五輪。40年の東京五輪のように、開催返上にでもなってもらいたいものだ。

9月9日(金)
渡英中の郵便配達を留め置いてもらうため、東口の本局へ赴いた。初めての行為だ。書類を差し出すと、‘身分を証明するものは’と尋ねられたのだが、あいにく丸腰だった私。すぐ前に停めた原チャリに免許証があったのだが、ちょっと成り行きを見てみたかったのであえて取りに行ったりはしなかった。‘それならばどうぞこちらへ’と、カウンターの中へ招き入れられ、さらに職員に案内され奥へ奥へと進んで、集配課へ。局員の方々を始めバイトのオバチャンやらなにやら大勢の人が、郵便を相手に作業をしていた。そこでじっさいに配達をしている方に面通しされ、‘OK’をもらえた。ものすごくアナログな方法だが、まぁ確実な方法ではある。それにしてもよくぞ、配達の方は1店舗の店員の顔なんぞ覚えていてくれるものだ。ちょっと感激。その場で開放されたが、ひとりでは案の定迷った。周囲の人はみな制服だが、そこに短パンの男がひとりウロウロ。かなり怪しかったと思うが、職質等はされなかった。局内にはいたるところに標語が。‘笑顔でハッキリ’とか‘前を向いて歩こう’とか。たしかにそういう郵便屋さんは頼もしい。ポストマン・パットのように人気者間違いなしだね。

9月8日(木)
‘何年か前に噂された、DAVE DAVIESのPYE時代に計画されていた幻の1stアルバムのCD化、結局進んでないですね。’と、あるKINKYマニアのお客様。‘いやー、結局当時はオクラになってよかったですね。もしリリースされていたら、今頃我々はタイヘンですよ。’と、笑いあった。60年代のPYEのキレイなジャケは見てみたいが、30数年後に探して購入するというのは、あまりにも非現実的になっていたアイテムだろう。

9月7日(水)
HOT VINYLでいつも品薄なのがSANDY NELSON。現在もLPの在庫はゼロ。アメリカで手当たり次第にゲットしてきても(もちろん状態はチェック)、コンスタントに売れるので在庫が無いのは申し訳ない。やっぱり、店頭での反応が如実に現れると、次回の買い付けでの意識づけに大きく影響する。NELSONはアルバムのリリースが多い割には、聴き倒されている盤ばかりで意外や簡単に枚数は揃わない。ROCKコーナーばかりではなく、INSTRUMENTALコーナーもリキ入れて掘らねばならないなぁ。

9月6日(火)
2階に上がる階段で私の前を歩いていた青年が、2階に到着するや左に曲がった。HOT VINYLは右だ。突き当たり右側のドアを彼がくぐると同時に、女性の大きな声で、‘いらっしゃいませ〜。A、B、C、Dと4つのコースがありまして…’ときこえた。ちょっと気になるところではあったが、いろいろ仕事が立て込んでいた私は、足早にHOT VINYLへ向かったのだった。

9月5日(月)
ここ最近の夏には毎年ある大雨。昨夜もゴワ〜という音はスゴかった。外国のレコードによくウオーター・ダメージを受けたものがあるが、どうも自分のレコードも心配になる。雨が降るたびに、自分の部屋の戸締りを確認してしまう。アメリカのように洪水で流されるなんてことはまさか無いだろうが、このまま地球温暖化が進めば、HOT VINYL存亡の危機だ。なにせこの辺りは埋立地ですからねぇ。

9月4日(日)
先日、深夜にドライブ中に聞いていたラジオに耳を疑った。‘今週のビートルズ・チャート’みたいな番組で、‘先週の35位から大きくアップ、17位は「Little Child」’なんて風にDJがはしゃいでいる。あまりにも70年代チックだったので、周波数を見てみたら、なじみの無い数。ねじれた時空間に迷い込んだかと思った。(国府津=小田原間の1号線だった) TOP 10には「Mother Nature's Son」やら「Back In The USSR」やらが入っていたのは面白い。そして、‘幻のアルバム’と紹介されたのが、HOLLYWOOD BOWLのライブ盤。ほぼ全曲をオンエアしていた。CD化なっていないものは、世間では幻なのだろう。ありふれたレコードなのにね。それにしても、今週のTOP 10が気になるぞ。(どうやらラジオ日本の深夜番組をどっかの地方局が放送していた電波だったらしいことが後に判明)

9月3日(土)
今日はビートルズ100枚入荷の初日。最低50枚は揃えるつもりでいたのだが、なんと初日から100枚突破!これを目当てにいらしたお客様で賑わった1日だった。ありがとうございました!‘これが外国から急に取り寄せたレコードですか’と、真剣に一昨日の日記の内容を覚えてくださっているお客様まで…。もちろん明日以降も来週末まで、毎日10枚は入れます。お楽しみに!

9月2日(金)
ニュー・オーリンズが水没したという。アメリカには洪水、冠水等が多いというのは承知の助だが、いつも気になることがある。どれだけのレコードが失われたのか、ということだ。心得たコレクターはちゃんと対策をとっていただろうが、雑然と倉庫、ガレージに積まれていたレコードはお陀仏さん間違いなし。それになんと言っても、一般家庭のレコードは全滅だろう。しかし、水没地域は貧困層が多い地域らしいので、レコードなんてあんまり興味無い人が多いのかも。いずれにしろ、レコードは災害には弱い。どうする、我々。

9月1日(木)
昨日の日記にもあるとおり、8月半ばからずっと私の頭を悩ませているのが、目前に迫った買い付けの資金繰り。あぁまたいつものことだ。無い頭を絞った結果、ブレア、バルケネンデ、シュレーダー、ブッシュ等々英蘭独米首脳に連絡して、各国にあるHOT VINYLの倉庫のBEATLES関係のブツをすべて特別機で送らせることにした。それが今晩にはすべて厚木に到着する予定なので、なんとか土曜の入荷に徹夜で備えるしだいである。詳しくはTOP PAGEからスペシャル・ページを参照されたい。おねがい、たすけて…。

8月31日(水)
今月は店内でひとり、という時間が多かった。売り上げも惨憺たるもの。しかし、ヒマだった記憶は無い。なんだか、海外への発送が多かったし、国内のお客様とのお金、レコードのやりとりが多かったせいで、パソコンに向かう時間、パッキングに要する時間が多かったのだ。来月以降は年内いっぱい買い付け、新入荷もりだくさんなので、今月にそういうことが重なったのは良かったと思う。なんとかレコード店としての働きができたと、多少は自負できた月だった。(しかし、目前に迫ったUK買い付けの資金はどうする!?)

8月30日(火)
昨日の日記で、‘レア’なもの万物に弱い体質を露呈したが、手元にひとつ、もしかしたら企業モノ・コレクターにアピールしそうなブツがある。‘三菱東京UFJ銀行’の船出挨拶DMだ。‘10月1日から云々’と誇らしげな文章が記されているが、システムの不備を指摘され、船出が延期されたのはご周知のとおり。ダメですか、こういうのは?

8月29日(月)
階下の郵便局のATMでの出来事。お札を数枚入金したところ、千円札が1枚返って来た。何度やっても同じことなので手元にあった数枚と比べると、明らかに横幅が1oほど短い。そこで、右横にあるちょっと旧式の機械で試してみたところ、難なく入金完了。そんなものなのか。でもひょっとして、裁断ミスの貨幣ってレア・アイテムだったのか、と気になっている。1oぽっちがミスなのか、誤差の範囲内なのかは知らないが。

8月28日(日)
会社員で営業職の時代、‘陳列してある商品に空気を入れてやれな’と上司がよく言っていた。マンネリ化しないように、店頭の商品を並び替えたりいじらせてもらえということだ。現在、店頭にあるレコードを聴きなおし、シールを貼り直してコメントを書き足したりすると、しばらく動かなかったレコードが売れることが不思議と多い。まさか10数年後に、上司の言っていたことの真実性を実感するとは思わなかった。学生時代なんかは‘空気は入れるな’が鉄則だったが(?)、現在は‘空気を入れろ’が座右の銘になっている。

8月27日(土)
アチャチャチャ…、またいただき物をしてしまった。レコード店主がお客様からレコードをいただくなんて、本末を転倒した話でまさに痛し痒しだが、そのいただきものは私ならではのキラー・アイテムだった。最近ではレーベルにその名を認めた際には必ず購入することになった(←微妙な言い回し)、‘MITCH MURRAY’関係のブツだ。‘SOUNDS OF LES & MITCH’名義で63年にFONTANAからリリースされた「Why Can't We Love / Don't Wake Me Up」で、その存在を知らなかっただけに驚きと喜びはひとしおだった。‘LES’とは「It's Not Unusual」等のヒット曲で知られるコンポーザー、LES REED。MURRAYとREEDはいくつか共作曲があるのは知っていたが、2人名義のリリースがあったとは。ヌー。丁重にお礼を述べ、いつか当HP上にPETER SELLERSコレクションと共にMITCH MURRAYコレクションのページを作ることを約束したのだった。

8月26日(金)
2年前に続いて今年もやってきた。そう、あの‘罰金1億円’と恫喝する‘防火管理講習を受けて、防火管理者を置け云々’という通達だ。横浜市消防局と(財)横浜市防災指導協会なる団体との連名で送られてきたのだが、もちろん今回もブッチする。事実、前回の通達を無視してから今回の‘更新’までまったくアプローチは無く、またまた何千円もの講習費用を吹っかけてきたことからも、難癖をつけての小遣い稼ぎだということはバレバレだ。おまけに、マニュアル、法令集等を‘必携’‘持参下さい’‘ご利用下さい’と、ヘタな中古レコ屋のような煽り文句を羅列し、さらなる出費を強いようと必死だ。レア盤を買うための出費は厭わないが、ナンチャラ協会という天下り団体を肥やすためのお金は無い。

8月25日(木)
3日間の休みをもらって楽しみに店に来ると、今日は大雨タイフーン。嗚呼。午後は雨は小降りになっていたが、こんな日に来店くださる方はエラい!お会計はすべて10%OFFにさせていただきました。これからはタイフーン・シーズンなので、荒天の日は割引いたしますよ。ぜひそういう日を狙っていらしてくださいね。会計時にこっそり割引いたします。

8月21日(日)
昨日、‘“再入荷したレア盤”ってなんだ??’と興味を持たれた方、フフフ。なんとまた今週中に入荷させますので、見にいらしてください。こういう人気のレコードの店頭在庫を切らさないようにいつもストックをしておくのも、レコード屋の務めなのですよ。他店じゃあなかなか見かけないレコードではあるので、昨日のお客様が驚かれたのも当然だろう。

8月20日(土)
‘もう入らないと思ったのになぁ〜’と、再入荷したレア盤を手にしたその方は、結局、前回に引き続きご購入。お気に入りの1枚は何枚あっても良いという方は、やっぱり多いようだ。

8月19日(金)
この時期はおなじみのお客様がちょっと少ない代わりに、‘東京見物のついでに寄りました’といった感じの方が多い。店内をひと回りして‘な〜んだ’という風にすぐ帰られる方(日本盤をお探し?)、目を血走らせ汗を拭き拭きシングルを掘る方等々。とかくマンネリに感じがちな店番であるが、それぞれのお客様にとっては‘HOT VINYL’への印象は最初の訪問で決まる。サッ、とお探しのレコードを出せれば最高である。

さて、明日、明後日のボーナス企画の準備をせねばなぁ。

8月18日(木)
私がまったく弱い分野が、60年代の日本のレコード会社。ベテランのお客様方から‘キングが’‘フォノグラムが’等々切り出されても???。こういう分野はイイカゲンに相づちを打っても馬脚を現すだけなので(8月14日参照)、静かにお話を伺うのみである。

8月17日(水)
電話の主からは、‘バイトの募集はしてないのですか?’と。あいにく人を恒常的に雇えるほど繁盛していないことを伝え、今後とも基本的にひとりで店を続けてゆくつもりであることを丁重に伝えた。以前から、‘レコード屋って憧れの仕事ですよね’と言われることが多いのも、ありがたいお話ではある。実入りの問題さえ無ければ、理想的な仕事なんだけどねぇ…。

8月16日(火)
ニュースにはお約束のネタがある。梅雨明けと言えばプールではしゃぐ女子大生、連休といえば海外脱出の家族連れ、Uターン・ラッシュと言えば高速道路等々。そのような毎年決まったネタを繰り返してどうする!、と思う小生である。地震といえば、酒屋やスーパーのカンヅメ売り場。HOT VINYLでは転げ落ちるようなレコードの置き方はしていないが、プレーヤー横のジョン・レノンはグラグラ揺れるので、‘地震?’と思ったらすかさず彼を見ることにしている。

8月15日(月)
近所のライブハウスの告知ポスターで見たのだが、MARC BENNO、ERIC ANDERSENが来るらしい。彼等のレコードも扱っているHOT VINYLとしては、‘徒歩2分のところであなた達のレコードを扱っていますよ’と心で叫んでいる。万一来店されでもしても困るが。

8月14日(日)
‘今、県民ホールでVENTURESを観てきた’と、熱いVENTURESファンの方がご来店。もちろん、VENTURESのレコードを熱心にご覧になり、いろいろ試聴もされる。私も‘やっぱりこのモズライトの音は特別ですねー’と、相槌を打つ。すると、‘いや、これはノーキーのJAZZ MASTERですよ’と。ギャフン!生半可なコメントをした自分を恥じた。

8月13日(土)
高校時代の友人が来店、貴重な証言をしてくれた。7月27の日記の「Sunshine Superman」について、‘ルーフの開放感を売りにした車のCMだよ’とのこと。なるほど。‘SUNSHINE COMES SONFTLY INTO MY WINDOW TODAY’という歌詞とピッタリだ。でも、1000人に1人もわからないぜ、この曲がわざわざ選ばれたワケを。‘さんしゃ〜ん♪’という出だしがわかれば、うなづく人もいるかしら。

8月12日(金)
‘スミマセン、このビルにトイレはありますか’と、あるお客様から尋ねられた。‘どうぞこの店のをお使いください’と、奥を指差した。しかし、‘いえ、“大”なので’と固辞する。普通の使い方をしてもらえるなら、大だろうと中だろうと構わないのだが。気を使っていただいて、ありがとうございました。

8月11日(木)
43年ぶりくらいに訪れたちょー久しぶりの某組合系のレコ屋で、プライス・カードに‘THE HEAD’なるバンド名の記載があるFONTANAのシングルを発見、??と思いつつも色めきたってよくレーベルを見ると、‘THE HERD’。ウソはいかんよ、ウソは。

8月10日(水)
ノグチさんが地球の周りを回って帰還したらしい。その模様を伝えるテレビのBGMには、「Across The Universe」が。フフフ。笑ってしまった。

8月9日(火)
‘店長さんの個人的な趣味でいいですから、どちらをオススメしますか?’と尋ねられた。進めたほうをパスされたらどうしようとか怯えつつも、1枚を推薦。素直に買ってくれた若者に感謝。こういう‘レコ屋オヤジのオススメ’が、彼のレコード・ライフを決定付けてしまうようなこともありえないことではないので、ちょっと責任を感じてしまう。‘調教’されるのが楽しみだ、という方もいらっしゃるようですが。

8月8日(月)
先月のロンドンでのテロは、2度とも木曜日だったそうだ。地下鉄やバスの利用者は減っていて、タクシーが大忙しだそうだ。私は当然タクシーなど利用は出来ないので、危険を覚悟でロンドン市交通局に世話になる訳だ。そろそろ来月の渡英に向けて、細かく日程の調整をしなければならない時期なので、いろいろニュースを集めている。

8月7日(日)
こう暑いとレコード屋に行く気力も失せるのか。昨日はまったく来店者無し。暑い暑いというものの、こちとら店内では冷風心地よい。猛暑のアメリカじゃあエアコンが無い店レコード店に行ったことが何回もあるが、デカい扇風機がガーガーいっているだけで相当暑い。次から次へと出てくるアメリカ盤を、暑さの中掘り進む、というのをちょっと懐かしく思い出した。もう3年くらいやっていないかなぁ。

8月6日(土)
1階ロビーを占拠していた机が無くなった!誰が!?どこへ!?なんだか、無くなってみると気になるもので、急に‘あぁ早くもらって置けばよかった’なんて、置き場も使い道も無いくせに考えて見たりする。レコードなら、迷わずに買わなければいけないものと、ちょっと待っても良いものの見分けは付くのだが。

8月5日(金)
‘国会が緊迫’しているらしい。東急ハンズを挟んで反対側にここらの風景とは不釣合いな和風な建物があるが、そこは料亭。昨日夜8時ちょうど、その前にドカドカと黒塗りの高級車4台が次々とやってきた。どれも品川ナンバーで、運転手のみが乗車していた。どんな輩をピックアップしに来たのかは知らないが、あまり目にすることの無い光景だっただけに、ちょっと異様だった。都内の料亭は混んでいるのか???噂では、9月11日がトウヒョウ日だそうだ。まったくバカげた話だが。

8月4日(木)
HOT VINYL左隣の英語教室はなかなか評判がよろしいようではあるが、出入りしている講師陣の中には、ちょっとアヤシイ輩もいる。今日見たお兄さんは、左右で靴が違っていた。SCAFFOLDのJOHN GORMANは、ゼッタイに左右で同じ靴下を履かない男だったから、もしかしたら彼も‘オシャレ’でそうしていたのかもしれないが。

7月31日(日)
28日の続き。その後、事務机2卓はそのままで、3つあった椅子のうち2つが無くなり、ロッカー、サイドボード等が増え、1階フロアはずいぶん狭くなった。じつは、オイラも椅子を狙っていて座り心地を確かめたりしてみたのだけど、タバコ臭くて断念。まぁ社長椅子はいらないですがね。

明日から3日間、お休みをいただきます。4日(木)から8月中の平日は、毎日午後1時からの営業をいたします。土日は11時からです。

7月30日(土)
‘たしかあったよなぁ、と思って’と、ある方が在庫のシングルを掘り出してた。‘この曲、ネットで試聴できて\6000で売っている店がある’とのこと。HOT VINYLでは\2800。ありがとう、そのお店!売り上げに貢献してくれて。でも、\6000はどう考えても付けすぎだなぁ。

7月29日(金)
何度か話題に出した2千円札だが、近頃とんと見かけない。(というか、最初から見かけなかったが) ある文化人氏が‘2千円札は何度か言っていると“ニセサツ”になる’と言っていた。あれは、きっとニセサツだったんだ。きっとそうだ。

7月28日(木)
HOT VINYL入居のビルの1階ロビーに、立派な机2卓と社長椅子(背もたれ付きのやつ)が置いてあって、‘持って行ってください’と貼り紙が。ちょっと食指が動いたものの、かなりの大きさのためにやはり断念。ご興味がおありの口は、どうぞ見てみては。

7月27日(水)
近頃、車のテレビCMで、60'sUKロックが引っ張りだこだ。トム・ジョーンズの「It's Not Unusual」、ゾンビーズの「Time Of The Season」に続き、ドノバンの「Sunshine Superman」だ。「It's Not Unusual」からは軽快感、「Time Of The Season」からは高級感が伝わってくるような気がするが、ちょっとサイケが入った「Sunshine Superman」からはナニ?今度そのCMをじっくり観察して、自分なりの印象をまたレポートします。

7月25日(月)
おいおいおい、穏やかでないぞ。すぐそばの川から連日1万円札が見つかっている件だ。タマちゃんの置き土産という説もあるが、どうせまた汚いカネだろう。お約束の妄想だが、レア盤がザクザク見つかってくれたらいいのだがなぁ。でも、この辺りの川に浸っていたんじゃあ、臭そうだが。

明日、臨時に休みます。ゴメンナサイ。

7月24日(日)
昨日夕刻の地震のとき、THE LITTERのシングルを聴いていた。HOT VINYLが経験する最大の揺れで、壁のJOHN LENNONはグラグラ揺れていたのにもかかわらず、シングルは針飛びなし。横浜の海沿いの平らな部分はたいてい埋立地なので(横浜駅周辺も全部埋立地)、よく揺れるのか分からないが、ず〜いぶんと横揺れが長く続いた。横揺れにはシングル・レコードは強い、という結果を自信を持ってレポートします。縦揺れはヤダなぁ。

7月23日(土)
手にしたFOUNDATIONSの『DIGGING THE FOUNDATIONS』のイタリア盤。その裏ジャケを見ると、KINKSの『THE KINKS ARE THE VILLAGE GREEN PRESERVATION SOCIETY』の写真入り広告が。番号も1番違い。バカ野郎!FOUNDATIONなんか買ってる場合か!と、誰だかは分からないが、当時このレコードを買った人をどやしつけたくなった。まぁ当時はFOUNDATIONSのほうが100倍くらい売れてたからしかたないか。

7月22日(金)
またかい、ロンドン!もう10年も前の話だが、1日違いでマンチェスターでのIRAによる爆発を免れたことがある私だが、さすがにロンドンへ行くのは不安になってきた。さらに地方シフトに拍車がかかりそうだな。

7月21日(木)
1時間と少々の間ずっと熱心にレコードを掘っていたお客様が、ウ〜ンと伸びをし、続けてまた掘り出した。私見によれば、伸びをするという行動は‘集中して同じ姿勢をとり続けると体の一定の部位が疲れるので、一時的に緊張をほぐして再スタートを切るための儀式’である。そのお客様も、‘ワクワクしながらご覧になっていただけているのだなぁ’と思い、思わず頬が緩んだ私であった。

7月20日(水)
イギリス南部のある街で夜の10時頃、古い教会の階段に座っていた私に声をかけてきた一団があった。年齢は同じくらいの、男女4人組みだった。その中の一人、ブリジット(美人!)の家でパーティーをやるから来い、とのことだった。ヒマだったので、一緒だった友人と2人して、見も知らぬ人の家庭に上がりこんだ。ブリジットのパパとママやらその友人やら、もう夜も更けんというのに多勢の面々は私らを大歓迎。飲み物をちょうだいして、ブリジットの部屋へなだれ込んだ。そこに1本のギターがあり、やおらそのギターを掴んだひとりの男がKINKSの「All Day And All Of The Night」を熱唱しだした。なぜか急に思い出した10数年前のこと。その後のことは、覚えていない。

7月19日(火)
DMを出すと何枚かは必ず返って来る、ということは以前にも書いた。郵便局側からスタンプが押されて帰ってくる。大別すると、文面に多少の違いは見られるものの、以下の3つの理由からだ。@あて所に尋ねあたりません A転居先不明で配達できません B転送期間経過のためお返しします と。いずれの理由であろうと、しっかり消印は押されてくる。この夏はその中の1枚に気になるものがあった。返って来た理由はB。しかし、その方には教えられたその住所宛てについ5月にレコードを送ったばかりなのだ。‘グレートなレコード、THANKS !’という返事までもらった。今月時点で転送期間の1年が過ぎていたということは、5月に住所をきいた時点では、もう新住所だったはず。その5月ではレコードが着いて、今月では着かない。それにしても、5月時点できいた住所というのは、旧住所宛てだったのか?なにか裏のワケがあったのか?それとも、今回の返送は郵便局側のミスか?そうだ、メールでその方に尋ねてみよう。

7月18日(月)
あらら、今日は祝日かいな。どうも連休の3日目というのは皆様疲れが出てしまうのか、街はちょっと静か。夕刻からご出勤の面々はいらしたものの、HOT VINYLも昼間は静か。いよいよ梅雨も明けてしまい、いや〜な季節。HOT VINYLは涼しく、楽しいときを過ごせる最適な場所です。そして、まったくお金を使わず過ごすことさえ可能ではあるのですよ。手軽に安くは、図書館とHOT VINYLだけ!

7月17日(日)
店を出しているということは、利益が出ないとやっていけない、ということである。当然売り上げを増やす努力は欠かせない。高額アイテムを売れば、当然売り上げは上がる。しかし、なんだかあんまり嬉しくないのだ。同じ\20,000でも、\20,000のレコード1枚が売れるよりも、\2,000のレコードが10枚売れたほうが嬉しいのだ。それは、@ものを売るという実感が大きいからか。Aスペースができるからか。それとも、もったいながりで、B高額のレコードこそ手元に置いておきたいという気持ちからなのか。まだ判然とせずにいる。そこで、\20,000のレコードが10枚売れたら、と仮定してみた。オー、マイ・ゴッ!なんという喪失感だ!と、ここでやはり、Bなのかな、と分かった。商売人失格である。

7月16日(土)
そのBIC CAMERAの目前の南幸橋近辺は、昨年秋に洪水の被害を被ったエリア。現在堤防のかさ上げ工事中だ。今のところ今梅雨では、大雨はあったものの目立った被害が出ていないから良いものの、よりによって梅雨も終わらんとしている頃にまだまだ工事中とはどういうこった?誰かが善意でやっている工事ならまだしも、これは我々の税金を使った公共工事。やる気あんのか?公共工事というものは、官、業者ともに自らの利益にしか興味が無いことは、昨今の事情から我々の知るところだ。まぁ善意に捉えてあげれば、かなり早めに、秋の台風シーズンに備えたということだろうか。わざと低めに作っておいて、またこの秋に溢れさせる計画だったりして。(→来年梅雨頃にさらなる工事へ!!)

7月15日(金)
蛍光灯が切れたのでBIC CAMERAへ。フーッ、店内は涼しい。しかし、家電製品を扱う4階へつくと、なんだかモヤッと暑い。さらにしかし、展示品のエアコンの前だけは涼やかな風が流れていた。あきらかに演出だ。1階はと言えば、扇風機コーナーにてセミの鳴き声がこれでもか!とばかりにスピーカーから流れていた。うーん、あぁいう作為的な演出も、商売のうちだろう。あんまり中古レコードには適用できないようだけど。

7月14日(木)
むかーしむかしに当日記に書いた、‘在庫を聴こう’キャンペーンをまだまだ実行中。昨日、今日はENOの作品を聴いている。そのアヴァンギャルドな音楽は、あきらかにHOT VINYLにはそぐわない。私の肥やしになると信じて、ひたすら耐えるのみだ。明日あたりは、FACES、FAIRPORT CONVENTIONだろうか。(アルファベット順なのだ)

7月13日(水)
珍しく、HOT VINYLが入居しているこのビルの前に、大きな引越しトラックが。見ていると、5階にある某店が撤退(栄転?)するようだ。引っ越し業者を雇ってまでしなきゃならないほど大荷物な業種には思えなかったのだが、いろいろ運び出している。HOT VINYLの来たるべき引越し(いつ!?)の際は、きっとオイラひとりでやるのだろう。レコードの箱ごと移動すればよいので、重いけど意外と楽かも。などといらぬ想像をしている午後も、お客様が来て下さっているのだったよ。

7月12日(火)
夕刻にご来店のなじみのお客様が、パソコンに向かう私に‘そろそろ日記更新の時間ですよね’と、図星発言。その方曰く、ちょうど仕事に飽きて、いろいろ職場のパソコンで見出す時間なのだそう。なんだか、指摘どおりだったのがちょっと悔しいので、これからは思わぬ時間に更新してみようかしら。(でも、過去には午前0時を過ぎたばかり、とかにも更新したことありますが。)

7月11日(月)
ちょっと久しぶりに来てくれたお客様に、‘今日は横浜に御用でも?’とよく尋ねてしまう。‘いやぁ、レコードを探しに’という返答が多いのには恐縮だ。とっても控えめな私は、市外からわざわざこんな中古レコード屋目当てに来てくれる方なぞいる訳がない、としてしまうフシがある。でも意外とみなさん、ちゃっかり組合系の某店にも顔を出していたりするので、やはりHOT VINYLは‘ついで’なのね。‘ついで’のつもりが大漁、というのが、あらまぁ嬉しいことじゃあ、ありませんか!

7月10日(日)
ドアが勢いよく開き、ダボダボの服を着たチョビひげの若い方2名がレジ前に猛進。進みながら‘スミマセン、代官山のクラブ☆◎§*£◇◆∈∀から来たんスけど、’と、チラシまきであることを名乗る。私はいつものごとく、‘60'sのロックに関係あることなら喜んで’と応じる。すると、‘ウワー’とのけぞり気味に、かなりのオーバー・アクションで‘ざんねん!’という表情を見せて、帰っていった。ムチャクチャいいやつに見えてしまった。

7月9日(土)
爆発騒ぎに巻き込まれたロンドン市民へのインタビューを見ていて、注目したい点があった。皆が落ち着き払っている点である。ケガを負った人、警察官、病院関係者、みな平静を保っているのは、さすが騒ぎに慣れているロンドンらしいと思った。日本だったら、泣く人、怒鳴る人入り混じって、現場は阿鼻叫喚か。ニューヨークも阿鼻叫喚だったような。ロンドンは平然と。話は変わるが、ある評論家氏が‘ロンドンの地下鉄はよく遅れる’という話をしていた。それは間違い!遅れるも何も、時刻表がないのである!だいたい‘3〜5分に1本’とか表示してあるのみ。本当にそのとおりに来てくれれば御の字で、来ないときはとことん来ないというのは、当日記の読者(?)諸兄にはおなじみだと思う。電車が来ようが来まいが、爆発が起ころうが起こらまいが、平然としているのがロンドン流なのだ。

7月8日(金)
昨日、‘あちこち交通機関の工事で、運休が増え’る、と書いたロンドンの交通機関が、違う理由でストップした。普段から誰かがカバンでも置き忘れようものなら、列車の運行停止、駅封鎖なんて当たり前のロンドンだが、一気にドカンとやられたら手も足も出ない。もうみなさんお気づきかもしれないが、今回の爆発でよく名前が出る‘KING'S CROSS’は、私のロンドンでの宿泊地。‘RUSSELL SQUARE’はヒースロー空港へ向かうPICCADILLY LINEの隣の駅で、何百回も利用している区間。バスが爆発した(ガス爆発ではないようだ)‘TAVISTOCK SQUARE’なんて、これも私がよく乗る‘30’番のバス(今回爆発したバス)からの車窓の風景が目に浮かぶ。すべてが自分の近隣で起きた出来事なので、ちょっと動揺もしている。レコ屋って命がけだなぁ。なんちって。

7月7日(木)
最悪。なにがって、2012年の夏季五輪がロンドンに決定したことだ。これを期に、イギリスのユーロ通貨導入に弾みがつけばよいのだが。こうなったら、‘UK盤の値上がり必死。今のうちに店頭在庫を買わないと!’キャンペーンでもやるか。コマッタコマッタ。どうせまたあちこち交通機関の工事で、運休が増え、移動に支障をきたすのだろう。オリンピック、良いこと無し!日本はボイコットだ!おまけに、2012年は、‘ビートルズ、デビュー50周年’じゃねーか。EMIも政府もお忙しいこと。

7月6日(水)
そろそろ注目を集めているのが、夏季オリンピックの開催地レース。候補地のひとつロンドンでは、昨年あたりから、あちらこちらに‘BACK THE BID’(もりあげよう!)のスローガンとともに、賑わいを見せている。しかし、私はロンドン五輪に、断固反対!またまた物価上昇につながるのは目に見えている。そろそろレコード価格も上げ止まりか、という声が聞こえ始めているのに、これ以上出費がかさむのはとうてい許容できない。がんばれ、パリ!

7月5日(火)
この春のアメリカ買い付け以来‘VOCALコーナーを作るぞ’と思い続けていた今日、‘うわー、こんなにボーカルが!これは止まらない〜!’と、ハデなリアクションのお客様がいらっしゃった。きっとかなりの汁を出していただいたと思う。これで決まった。そのうち、‘VOCAL’という仕切りが立ちますよ。ぜひ、皆様もHOT VINYLにリクエストをください。‘プログレ・コーナー’以外なら話に乗ります。

7月4日(月)
6月29日の日記をお読みくださってか否か、数名様から‘取り置き申し訳ない、もうじき行くので少々待ってくれ’という趣旨のお電話をいただいた。ヒエ〜、こちらは、プレッシャーを与えるような意図は全然無かったのですよ〜。でも、一応‘6月中に’というお約束だったので、それを気にされて律儀にお電話までくださったことには、感謝感激です。とっきどきですが、取り置きを頼んでいながら音沙汰無くなってしまう方もいるので、一応皆々様に一様に期限を設けさせていただいていますが、まぁ常連さん方には、期限なんて無いようなものです(この日記をご覧くださっているあなたは常連さん!)。どうぞいつでもご都合よろしき折に、またご来店くださいね。

7月3日(日)
もう本当に、毎日イヤになるほど各種電話回線の勧誘の電話がかかってくる。大手会社のオペレーターからの電話なら先方の対応もまずまずなのだが、代理店(だろう)の対応はワルイ!いちいちあげつらえばキリが無いのだが、だいたい、‘現在、当社の担当者がたまたまご近所を回っておりますので、ご説明に伺わせていただいてもよろしいでしょうか’なんて言ったりするくせに、伺うのは‘では明日に’とかだったりする。‘まったく興味がありません’と言って、2秒してから電話を切ることにしている。

7月2日(土)
海外の客の入らないレコード屋なんかでは、夏の天気の良い日には‘いやー、今日あたりみんなビーチに行っちゃってるんだよねー’なんて言っている。HOT VINYLでは、今日はなんと言おうか。

7月1日(金)
レコード絡みの夢といえば悪夢しか見ないのだが、今日のは違った。私はどこかのフェア会場かなにかでコレクター仲間と向かい合っていて、それぞれの釣果を報告しあっているという設定。私が出したのが、なぜか普通のケシゴム。それをプレーヤーに載せ、普通に回す。(どういうプレーヤーで、どういう仕組みで回っているのかはわからないが) すると、ROLLING STONESの「I Wanna Be Your Man」が流れてきて、私は鼻高々と相手に‘これ知ってたか。激レアだぜ。’などと意気揚々としている。なにかの予兆だとしたら、楽しみではあるのだが。

6月30日(木)
今日で6月が終わる。月末というのは、毎月ヒヤヒヤしっぱなしで、通帳、請求書との闘いだ。さて、とりあえず今月の支払いもひと段落ついたな、と落ち着いて身辺を整理していたら、ゲッ。未開封の請求書の封筒が2つ出てきた。ガラガラガラ。いろいろ思い描いていたお金の使い道計画が、崩れていった(数百円単位だったりするのだけれど)。どこから何が出てくるのか分からないので、まだまだ気を抜けない。この時期になるとすがりたいのが、毎月7日のヤマトからの通販代引き分の振り込みだ。早く来週の木曜日になりますように!(といっても数千円単位だったりするのだけれど)

6月29日(水)
今日の売り上げ12枚はすべてシングル。相変わらず‘シングル菌’が蔓延している横浜(私が菌を繁殖させ、撒いているという説も…)の6月。ところで、この6月にのみ顕著な特徴に、‘取り置きの多さ’がある。‘財政上’‘家庭の都合上’‘HOT VINYLの勝手な都合’等々いろいろ理由はあるが、7名様の20数枚を取り置いているというのは、過去最高だろう。通常は、月の終わりに2名様もいれば多い方。しかし、これはいずれ買っていただけるレコードだというのが分かっているので、まったく心配のタネにはなっていませんよ。どうぞご都合のよろしいときに、お願いいたしますね。

6月28日(火)
昼過ぎにフラッとやってきた彼は、数日前に続いてのご来店。手ぶらで来る方はたいてい近所で働いていることが多いので、勤め先を尋ねたところ、HMVだという。前回、何を買ってよいのか迷っていた風だったので、とりあえずBUCKINGHAMSの「Back In Love Again」のシングルをお勧めして買っていただいたところ、エラく気に入ってもらえたようだ。今日は‘え〜っと、BADFINGERの後期のほうので…’と、タイトルがわからないと。アルバム中の1曲をどこかで聴いて、気に入ったという。曲名をきいたところオイラでも分かったので、‘これだね’と『SAY NO MORE』を差し出した。また喜んで買っていってくれた。WELCOME TO THE WONDERFUL LIFE OF VINYL !

6月27日(月)
今年は‘カラ梅雨’らしい。今のところ。雨が降らないというのはレコード店にとってはありがたいことで、昨年に比べると今月の売り上げは‘マシ’だ(‘増し’と書きたいのだが)。でも、今日から日本列島全域は梅雨。毎度のことながら、雨天の平日なんかに来てくれるお客様の‘価格交渉’には、まったく弱腰になってしまいます。ここぞチャンスとばかりに、ぜひご来店なさいませんか?ちょうど明日から、また新しく開けた箱のLP100枚超が、毎日数枚ずつ入荷しますよ。

6月26日(日)
近頃、トップ・ページにて毎日更新中の‘今日のUKシングル盤’を、意外と見ていただけているようで、この週末にバタバタと数枚を買っていただいた。ありがとうございました。私も‘今日は何にすべーかな’と、考えるのも楽しいのですよ。米LP盤をご覧になっていただいていた時期は、自信が無くてあまりその内容に踏み込むことはしなかったのですが、UKシングルならバシバシ罵倒もできます。これからも舌鋒鋭くまいりますぜ。さて、今日のLONDONレーベルは、なぜかスキャナーでは‘カラー書類’扱いでした。この黒色は、絶妙にカラフルな黒なのかもしれない。ヌー。

6月25日(土)
16日の日記に返事をくれたF井さん、曰く‘盤にキズをつけることが多くなる’と。飲んだら聴くな、聴くなら飲むな、を徹底した方が良さそうだ。まだその他の逸話もあるそうなので、それはレポートがありしだいということで。

6月24日(金)
今週は月曜日から、1枚もLPが売れていない。どうしたことだろうか?以前から言っているが、レコードを買う習性には、人間があがなえない何かがある。昨年の今頃はLPの販売枚数が上回っていたので、今年のこの時期は‘シングル菌’が蔓延しているのだろう。謎だ。ヌー。

6月23日(木)
HOT VINYLとしてはシングルの普及に貢献してきた自負がちょっとばかりあるので、お客様から‘シングルの箱、4つになっちゃいましたよ〜’なんて、嬉しいような困ったような顔で言われると、ありがたいものだ。私自身は、自分でたいして持ってないとばかり思っていたのだが、数えてみたら400枚近くもあった。だいたい15年でそんなもんだから、月に2枚ペースだ。多くもなく少なくもなく。このペースでいいか、と思っている。職場に来ればたくさんあるので、‘もっともっと’という欲望は、あまり湧いてこないのだ。でも、レコード店として、店に欲しいレコードは山ほどあるなぁ。

6月22日(水)
タウン・ページの営業氏が来店、来年度版にもぜひ広告掲載を、と言う。今年度版で先方の広告作成間違いにより、謝罪課の課長氏が来店して、菓子折りを置いていった話は書いた。そのため今年は身を引き締めて対峙、まずはいろいろ話をきくことにした。すると、来年度からエリアを細かく組み替え、今年まで2つだった横浜エリアが、5つにわかれるという。それにともない、広告料が倍増します、と。当然私は呆れて、‘その価格では、まったくやる気が起きない’と言ったところ、今度は勝手に相手から値を下げてきて、今年と同じ価格でという。‘相手がごてたら、価格据置を提示せよ’というのは、きっとマニュアルどおりだろう。‘細かくエリアを分けることで、より地域密着型に…’なんて言っていたが、結局広告収入を増やすための方策に違いない。なかなかうまいものだ。しかし、いったい誰が、言われるがままの倍増価格を受け入れるのだろうか?HOT VINYLは過去2年で、なかなか良い効果も見えないので、結局掲載をやめることにしたのだが。

6月21日(火)
‘ストレンジ・デイズ’の最新号(8月号)を読んでいて、オッ!と思った。先月来日したJETHRO TULLのイアン・アンダーソンのインタビュー中、‘けっこう拷問だったよ’という彼の発言があるのだ。02年に出たというCD、DVDについてなのだが、その作品を聴くのが‘拷問’なのか、演奏者として録音するのが‘拷問’だったのか文中では曖昧だが、我々が失笑気味にいつも使う‘拷問’という言葉が、メジャーに使用されているというのが笑える。日本語訳なので、‘torture’や‘tortuous’という英語が実際に使用されかが不明なのが残念。その02年に出たという作品が気になるぞ。どなたか、感想を教えてください。

お詫び:6月14日の日記で、‘リバプールとユベントス’の決勝戦と書きましたが、あるお客様から‘リバプールとACミランですぜ!’とお叱りのメールをいただきました。うる覚えで間違いを書いた私のイイカゲンさを、またしても露呈しました。お詫びして、訂正いたします。K泉さん、ありがとう!

6月20日(月)
そろそろ企業ではボーナス・シーズンなようで、ぼちぼち売り上げが出てきた。つい先週くらいまではまったく惨憺たる売り上げで、皆様の財布の窮状も偲ばれましたよ。一応、世間で「ボーナス・サンデー」と呼ばれるのは、7月の第1週。そういえば、私も会社員時代は、7月頭にもらっていたっけ。もう数週間の間は、ちょっとだけ期待できるかも、と胸躍らせているのですが。ちょうどどんどん新入荷アイテムが増えている時期ですし、ぜひともご来店ください。

6月19日(日)
‘神奈川県県民部青少年課’なるところからはがきが届いた。仰々しく‘ここからおはがしください’仕様のはがきで、開けてみると、ある物品が有害図書に指定された、という通知だった。あるゲーム・ソフトの名前が出ていて、‘図書類の種類’は‘ディー・ブイ・ディー’、それが規定に依って陳列、販売がなされない場合は、処分の対象になる、という。いったい、なんだってウチにこんなはがきを送ってくるのか?ただでさえ、いつも種々のエロ系広告が送られてきて(むかしこのテナントが私設私書箱だったことによる)迷惑しているというのに!行政までか!?ん、それとも、中古レコード店なんて、行政にとってはエロと同類か?

6月18日(土)
フランスから、書留郵便が届いた。折りたたまれた便箋に、普通に紙幣が入っていた。手渡しで軽装備の現金入り封筒、郵便ポストに入れられる重装備の現金入り封筒、どちらが安全だろうか?しかし私の経験した範囲では、実際のところ、日本ではない当事者国内(アメリカ、東欧とか)で、郵便物が無くなることが多い。いずれにしろ、現金の直接やり取りは、避けられたら避けるに越したことはない。私は、現金を海外へ送ることは、もうゼッタイにしない。

6月17日(金)
アメリカから、厳重に梱包された封筒が届いた。‘used CD’入りだと。ムー、心当たりなし。炭素菌攻撃か、と警戒しつつ封筒を開けると、確かにCDのスリム・ケースが1枚入っている。開けると、中には折りたたまれた米ドル紙幣が。そういえば、またアメリカにシングルを2枚送ることになっていて、その支払いだったのだ。毎回手を変え品を変え、現金を送ってくるアメリカ人だ。

6月16日(木)
5月21日の当日記に書いた、取材された記事が載った雑誌が発売になった。さっそく、HOT VINYLについての記事の部分に目を通してみた。まぁそのとおりですよ。私がしゃべった内容をひとつの‘「」’にまとめて掲載しているが、あれはさまざまな会話の内容をまとめたもの。よくメモもとらずに要点を押さえたなぁ、と感心。で、この雑誌を私は初めて拝見したのだが、いやぁ、お金持ちの雑誌ですね。と、自分の貧弱な音楽再生機器を恥じてみたりもした。そして意外だったのが、酒の記事、広告まで出ていたこと。酒樽からスピーカーを作ったなんて記事も。酔っ払って音楽を聴くのって、ちょっとサイケなエフェクトでもかかったりするのだろうか?請うレポート。(F井さん!)

6月15日(水)
岡本一平著の‘漫画漫遊 世界一周’という本を読んでいる。‘昭和六年発行 正價金貳円’、とある古い本だ。自宅近所の廃品回収で取得した(拾ったんだね)ものだ。一平は岡本太郎の祖父でもあり、大正〜昭和初期の名漫画家だ。その彼が横浜からの船旅で、米欧を経て神戸に帰りつく長旅を、しゃれた文章とイラストで辿ったもの。そんな彼もイギリスにはとりわけ強く感銘を受けたようで、ずいぶんページを割いている。‘日英同盟’という言葉も出てくるくらい、1930年の日英関係はまだまだ良好。その一平がアメリカからの10日の船旅で到着するのが、‘リバープール’だ。航空網が整備されるまでは、LIVERPOOLやSOUTHAMPTONがイギリスの顔だった。ずいぶんリッチな旅だった様子が伺えるが、ヒネくれた漫画家らしい面白い切り口で、楽しませてくれる。でも旧字体の本は疲れるなぁ。要勉強。

6月14日(火)英買い付け日記K 最終章
渡英中のイギリス最大の出来事といえば、サッカーのLIVERPOOLが欧州チャンピオンになったことだろう。26日の夕刻からトルコでACミランと決勝戦。前半は0-3で負けていながら、奇跡の逆転勝利、イギリス中がお祭り騒ぎとなった。新聞の見出しには、‘やったぜ優勝’で‘YEAH YEAH YEAH’。‘優勝カップが21年ぶりにリバプールへ’で‘GET BACK’。‘凱旋パレード’では‘TICKET TO RIDE’。LIVERPOOLといえば、いまだにBEATLESが連想されていることに、ちょっとビックリするとともに嬉しくも感じた。それに、今回もBBCで気になる音楽番組をやっていて、STAXの特集だった。OTIS REDDINGを中心にSTAX勢の60年代イギリスでの映像目白押しで、すばらしい内容だった。ARETHA FRANKLIN、PERCY SLEDGE、STEVE CROPPERらがインタビューに答えていたし(SLEDGEよ生きていたか!)、さっすがBBC。新聞、テレビだけじゃなく、日常の様々な事象に音楽ネタ満載なのが、イギリスの楽しいところなんだよなぁ。

6月13日(月)英買い付け日記J
食事の際は当然として、イギリスでは何かにつけて‘TEA OR COFFEE?’と尋ねられる。どちらもたしなまない私は、‘NO THANKS’と答える。すると、まるで奇異なものに触れたかのように‘NO TEA OR COFFEE !!??’と、目を見開いてビックリされたりする。まるで‘私はトイレで紙を使いません’と言ったかのような反応だ。まったく余計なお世話である。イギリス人が飲みすぎるのだ。(クリケットの試合中にお茶タイムを作るな!ひと試合に3〜4日もかけるスポーツなんて考えられないぞ!)私はひたすら牛乳を飲んだり(イギリスの牛乳はウマイ!)、持参のお茶のペット・ボトルを飲んだりする。本当は‘SOMETHING COLD, PLEASE’と言って、コーラでももらえれば嬉しいのだが、イギリスには特有の‘オレンジ・ドリンク’が存在し、それをもらうことになったら厄介なので持参の飲み物が無難だ。その‘オレンジ・ドリンク’とは、水で薄めて飲むタイプのやたらと体に悪そうな甘さのする代物で、ゼッタイに自分では買いたくないものだ。‘これまずいね’とでも言おうものなら、また目を見開いてビックリされたりするんだろうなぁ。

6月12日(日)英買い付け日記I
5月30日は祝日だという。‘いったい何を祝って祝日なの?’と知人に尋ねたら、‘知らない’と。祝日を英語で言うと、‘BANK HOLIDALY’。べつに、日本で言うところの‘祝’の文字は無いので、べつに何かを祝うための休日ではないということらしい。まぁとにかく、月曜日のレコード・フェアに行ってきた。以前にもちょっと街中の様子をレポートした、READINGだ。ロンドンPADDINGTONから、列車で40分ほど。会場までは、駅から徒歩20分。こういう田舎のフェアには、必ずやる気のないディーラーがいるので楽しみ。今回もダンボールに山盛りのシングルが‘£1EACH’というのがあって、パッと見で60年代のものが多かったので、床に座り込み全部見た。どれもウブのブツらしく、レアものは無いものの定番の美品を多数ゲット。すっかりお金を使い果たし、傷心(?)の散歩をしつつ、ひとりで祝杯をあげ、ロンドンに帰った。フー、今夜はパッキングで知恵をしぼらなければ。明朝はまた航空会社のカウンターで、重量との闘いが待っている。

6月11日(土)英買い付け日記H
ロンドンにいる間はずっと世話にならなきゃいけないのが、地下鉄。しかし、これが高いんだ!また値上がりしていて、初乗りが£2。見事に、行くたびに毎回値上がりしている。バスの初乗りが£1になったのが昨年だったから、‘これでしばらくは落ち着くのかな’と思っていたら、なんと£1.20になっていて、せっかく設置したばかりの自動券売機もすべてが取り替えられていた。地元の人は、安いバスを活用することが多いようだ。そりゃそうだ。\100以上違うのだから。日本は長距離になるほど欧米に比べると割高感が増すが(往復割り引きがデカい!←日本にはほとんど無い)、短距離の移動に関しては、日本の交通機関は便利だし安いと思う。それに、ロンドンには時刻表が無いというのもすごい。‘EVERY 4〜6 MINUTES’とか書いてあるだけ。それでも、‘TIME IS MONEY’の私は地下鉄を活用せざるを得ない。文字通り‘TUBE’の形になっている地下鉄車内は狭いし、外は当然真っ暗なので、時間をもてあます。そんなときは周囲の人が、誰に似てるか?を考えるのが面白い。‘お、BOBBY HEBB’とか、‘あっ、ジェンキンスさん!’とかやってると面白い。それに、週末の工事で‘全線不通’とか‘○○駅閉鎖’とか多すぎ!高いのに苦労が絶えないという、ロンドン交通局である。

6月10日(金)英買い付け日記G
ロンドンでは、ものすごい物量を誇る知人の倉庫へ。ちょうど10日後に引き払ってもっと広いところへ移転するところとはいえ、室内はスゴいコンディション。マスクをして、朝から晩までこもった。以前、整然としていた際に一応すべて見尽くしたので、前回は見かけなかった箱、山(PILE)を中心に掘る。しかし、レコードというのは不思議なもので、‘あぁそういえばあれはなかなか見ないなぁ’と漠然と思っていても、強烈に意識して掘り進むと出てくるものだ。どういうことかというと、何気なく掘っていると、やはり多くを見過ごしているということなのだろう。いったい何枚、強烈に意識しながら掘れるか、というのがレコ掘りの極意だと思う。そんなわけで、前回は意識していなかったレコードだったのでスルーしていたが、今回はWANTをもらったので意識している場合もあるので、目の届く範囲のものは前回見たはずの箱であっても、一応もう一度掘ってみる。そうすると、意外と良いブツが出てきたりして。みなさん、HOT VINYLの箱も注意してご覧になってくださいよ。

6月9日(木)英買い付け日記F WEST ENDの巻B
私の席は1階の最後列。座席の後ろは、文字通り壁。椅子の背に座り、壁にもたれて悠々と観覧できたのだ。中央列ということもありかなり視界がきいて、最低価格の席で最高のVIEWだった。昨日ご覧いただいた劇場内の写真を見ていただきたいが、右側の壁より高いところから見ていたので、コンソールの中も丸見えで、2人いるエンジニアの仕事も間近で見られた。小さいディスプレイに、最前列でこちらに背を向けて振っている指揮者の正面の画像が映り、その動きに合わせていろいろ調節している。その画面は場面ごとに変わり、ステージ上の出演者が映し出されることもあった。そうして紡ぎだされる音の迫力はさすが。勇壮な「Sister Suffragette」でなぜかツーンときた。おなじみの曲であるほど視界が涙でかすむ(そんなヤツはきっと私1人だったろう)。それにしても、観客がミュージカルの‘観かた’を知っている。拍手のタイミング、強弱もバッチリ演出の一部になっている。役者連中も、歌い終わるごとに‘どう、キマったでしょ?私を見て’とばかりに、キメのポーズをとる。歌舞伎とか狂言もそうだが、舞台というのは、役者と観客の一体感が重要なんだろう。私はあまりにも‘IN’の状態だったので、涙を流しながらも呆然としているうちに終演。いつものCHINESE TAKE AWAYを買って、部屋に帰ったのは11時過ぎ。ヘトヘトだったがレコードの整理をして就寝したのは2時過ぎだった。

6月8日(水)英買い付け日記E WEST ENDの巻A
汚い格好で格式高い劇場に入るのをとても恥じていたが、実際入場してみると、意外とみんなラフ。チケットを購入した際に見せられた見取り図のとおり、1階最後列の自分の席を探す。すると、信じられないところにひとつ席が開いていた。ゲッ、あれぢゃねーか。すぐ右側には大きなサウンド・コンソールがあり、ステージの右半分が見事に見えない。そして、自分が買わなかった左隣の£37.50の席には並びで中学生くらいの女の子が座っていて、‘SUPERCALIFRAGILISTICEXPIALIDOCIOUS’を覚えられなくて、クスクス笑いながら何度もプログラムを見ていた。自分より高額な席に子供が座っていたのでちょっとムカッとした。よっぽど横からフル・コーラスで歌って聞かせてやろうかと思ったが、会場内で唯一の黄色人種にいきなりそんなことされたらビビられると思ったのでやめておいた。しかし見事に白人ばっかり。曙みたいなデカい南方系のオバサンを1人みかけただけだ。こういう‘高尚’な余興は、白人のものなのだろう。ステージは、休憩15分をはさんで、11時近くまでの長丁場。子役の2人は大丈夫だったのか?たいしたものだ。‘TOMMY’のときもそうだったが、今度も落涙した。なんかダメなんだよなぁ、生演奏で(もちろんオーケストラ・ピットに楽団入り)目の前で歌われると。さて、じつは結局ステージ全部をすべて見渡しながら、サイコーの席で観覧することに成功したのだ。(そのカラクリは明日のBを待て)

6月7日(火)英買い付け日記D WEST ENDの巻@
27日の金曜日は暑い日だった。29度にまでなり、5月としては15年ぶりの暑さだったという。お日さま好きのイギリス人は、すぐ肌を露出する。上半身裸の男なんてあたりまえ、婦女子まで裸みたいなもんだ。そんな金曜日は、今回の旅で唯一のロンドン市内探訪。6時くらいにひととおり仕事を終えたので、ついに決行することにした。なにを?ミュージカル観劇だ。昨年末にロンドン地下鉄の構内で見かけた告知ポスターが気になって仕方なかった、MARY POPPINSだ。ロンドンの‘WEST END’と呼ばれるSOHO界隈は、劇場、楽器屋、ライブハウス等々が軒を連ねる歓楽街。16世紀くらいまではロンドンの西の果てで、その地名は王族が鹿狩りをする際に発した‘SO-HO-’という掛け声に由来するという。目指すPRINCE EDWARD THEATREは、あの伝説的なライブハウスMARQUEE跡地のすぐそば。窓口で当日席の有無を尋ねたところ、残は3席。意外と混んでいることに感心。‘LIMITED VIEW’だというが、イチバン安い£25の席を購入。隣の席は£37.50。当然£25を選ぶでしょう。開演の7時半まで近所で時間をつぶす。さぁ、96年の‘TOMMY’以来9年振りのミュージカルだ。ワクワク。

6月6日(月)英買い付け日記C
5月の最終週をわざわざ選んだのは、30日がBANK HOLIDAY(祝日)だからだ。3日間休みが続くので、レコード・フェアが各地で開かれていたのだ。28日に訪れたSOUTHAMPTONは、ワイト島に面したイギリスの南の玄関口の港街。市内には中世の城門、城壁がそびえ、PORTSMOUTHと並ぶ軍港であったことでも知られる。ロンドンのWATERLOO駅から2時間半の列車の旅。メイン・ラインが工事中で、けっこう大回りのルートのため、1時間余計に時間がかかった。しかし、その風景の美しいことよ!草原と農村の眺めも心安らぐものだが、海岸線の美しさったら無い。詳しく述べたいが、本題からずれるのでまたの機会にして、さてレコード・フェアだ。こういう地方のフェアは、出店者は多くないものの、状態の良いものを低価格で見つけるナイス・チャンス。ロンドン近郊は異常だなと、いつも感じさせられる。ロンドンの人にとっては、片道に何時間もかけてレコード・フェアに行くなんて、まず考えられないことなので、日本からわざわざ訪れるのなら、我々はぜひやってみるべきことだろう。

6月5日(日)英買い付け日記B
HULLでの活動2日め、最終日はあるコレクターさんのお宅訪問。なぜかそのお母さんの熱烈歓迎を受ける。一日中玄関脇に居座って、ひたすらホコリと格闘。積み重ねられた箱は‘ウブ’らしく、まぁ出るわ出るわ。乱雑に詰まっているようにも見えるが、なんとなく揃っていて、APPLEレーベルならAPPLE、クリフならクリフで固まっているのが、ありがたい。いったい何枚見たことやら、結局6時間くらいうつむいたので、首が痛い。さて、積み重ねたレコードのお勘定。ムー、激安だ。すごいすごい。これこそが地方のコレクター宅訪問の醍醐味だ。マネージャー(?)TOMに感謝。お母さんに夕飯まで馳走になって、まだまだ明るい19時発の列車で、ロンドンへ向かった。馳走になった食事についてのコメントはすまい。

6月4日(土)英買い付け日記A
翌朝、友人のTOMが迎えに来るのは10時なので、早く目覚めた私は散歩。すぐ裏には広大な公園があり、早朝にもかかわらず犬の散歩をしている人が多く見られた。芝はきれいに刈り取られているし、庭の花は美しい。こういうところにしっかりと予算が割かれているのが、大人の国らしいなぁと思う。道すがら、MR BEANの大敵の3輪自動車を発見。まだまだ現役なのを見て、ほっとした。TOMに拾ってもらって、さっそく数軒のレコ屋を回る。HULLは、MICK RONSON、THE MAJORITY、BEAUTIFUL SOUTHの出身地だ。地方都市にもかかわらず、6軒も中古レコード屋があるのはスゴい。どこへ行っても、TOMが‘日本から来た友達’と紹介してくれて、値引きしてくれたり倉庫を見せてくれたりする。昼過ぎには車で1時間弱の街DONCASTERへ。この辺りの人は、みな訛りがキツく、TOMの言葉も半分以上分からない。この日も、ずっとレコード掘りに没頭。夜はグッスリ寝られた。

6月3日(金)英買い付け日記@
24日の夕刻、いつもよりちょっと遅れてヒースローに到着。いつもの地下鉄PICCADILLY LINEでKING'S CROSSまで出て、そのまま鉄道でYORKSHIREのHULLへ向かった。以前にも言ったが、イギリスの鉄道は、同じ線路の上を各社が時間、価格で競っているので、なれていない旅行者にとっては、切符を買うだけで苦労する。イチバン安い切符は、いろいろ制約があったので、2つ目に安い‘BUSINESS SAVER RETURN’というのを購入。往復で£77.60。在来線だけど、平らでまっすぐなイギリスの鉄道は速い。ディーゼルながら200qくらいの速度が出る。この時期は日が長いので、3時間ほどの鉄道の旅はものすごく快適だった。目的地のHULL駅に着いたのは、22時過ぎ。ガラガラ荷物を両手に引きながら、25分ほど歩いてホテルに到着。自宅を出てから約23時間。11時過ぎとはいえ外はまだ完全には暗くはなかったが、さすがにすることがないので、翌日からの重労働に備えてさっさと寝ることにした。

6月1日(水)
今朝帰国しました。ガラガラと重い荷物を引いて店に帰って来ました!ドアを開けると、あぁなんていい臭いだろう!HOT VINYLの臭いがたまらなく良い。そして、カバンを開け、シングルの束をつかみ出すと、それは完璧にイギリスの臭い。そのミックス具合がたまらなく良くて、クラクラしてしまった。今回の旅はデジカメを持参して、各地でバシバシ撮ってきたので、明後日から写真付きで皆様に旅のご報告をしますよ。新入荷は来週末です。お楽しみに。

5月23日(月)
ここ最近、毎日トップ・ページに載せてきた、‘本日入荷のLP’。皆様のウケはどうかしらん、と思っていた矢先の昨日、閉店間際にハァーハァー息を切ってやって来たある方が、‘一昨日のありますか!’と。ちょうどお探しのレコードだったそうで、このコーナーが役立ったらしい。やったね。ありがとう、○ータン!

明日から今月いっぱい、渡英します。4、5月で3回目の買い付けだ。楽しいッたらアリャしない。はぁ金銭的にはキビしいです〜。というわけで、しばらく日記はお休みです。今回はデジカメ持参で行くので、どんな報告ができるか楽しみです。次は6月1日にお目にかかりましょう。

5月22日(日)
そろそろ緊張してきた。買い付けはもちろん楽しみなのだけれど、プレッシャーも大きい。とくに、今回は日程がタイトなので、現地での重労働が予想される。イングランド内での移動も多いので、各地での宿の確保、交通機関の時刻チェックも事前に済ませた。現地に入ってしまえば楽しくて仕方ないのだけれど、何が面倒って、成田空港が遠いこと!2時間以上かかるなんて、まったくバカげている。アムステルダム⇔ロンドンだって、たった45分だぞ。ひたすら車中では眠ることにしている。機中でも眠ることにしている。ヒースローに着くと同時に、目は輝いているという算段。夕方だけどね。

5月21日(土)
昨日、ある音楽雑誌の編集部の方が、ライター氏を伴ってご来店。‘レコード屋探訪記’みたいな連載の取材とのことで、店内の写真をバシバシ撮っていった。その間ライター氏はひたすらレコ掘り。お二人とも、けっこう買っていってくださった。訪れる店それぞれであれだけ買っていたら、楽しいだろうけれど、身は細るばかりでは?と、要らぬ心配をしてしまった。来月発売号に載るらしい。楽しみですね。

5月20日(金)
来週からの渡英の帰国は6月1日。出発が24日なので、HOT VINYLの月末は23日。それまでに各種支払いを済まさねばならないということ。買い付け資金の捻出とともに、多くの支出をせねばならないというのは、なんともつらいことだ。今週末にかけるしかないなぁ。

5月19日(木)
HOT VINYLでイチバンの高額アイテムなだけに、しばらくの懸案だった守り神のベアのお尻の破れが直った。やったね!隣の古着屋のお兄さんが縫ってくれたのだ。ほんとうにありがとう!

5月18日(水)
当HP上のUK SINGLESのスペルを総チェックした。まあ、あるわあるわ、20ヶ所以上直しました。自分で作ったものを自分でチェックしても限界があるので、きっとまだまだミスはあるはず。しかし、UK SINGLESを見るのに1時間以上かかったのは、ちょっと驚いた。いつもお客様にご面倒をおかけしていることを実感。でも、2時間くらいかかれば、それはそれで嬉しいですよね?レコードの総数が減ることはないので、これからもお時間をいただきますよ。

5月17日(火)
さて、来週から渡英だ。そのイギリスで今月もっとも盛り上がった話題は、やっぱり総選挙だ。その選挙に、イギリスのテレビの顔の1人が立候補していた。昨年12月12日の日記で触れた朝のトーク・ショーのプレゼンターである(選挙前にやめたらしいが)KILROYである。結果、彼は落選したという。日本ではテレビの芸能人が担ぎ出されることが多いが、イギリスでも多くはないがあるようだ。彼の熱いハートをいつも目にしていただけに、今後の活動が気になる店主であった。

5月16日(月)
日曜の夜はFEN(と今は言わないことは、前に書いた。で、何というんだ?)を聴く。人生相談のコーナーがあって、昨夜の議題は人種差別。日本ではなかなか表ざたにならない話題なので興味深く傾聴していたのだが、編集がサイケデリックで結局結論が分からないうちに曲がかぶさってきてしまった。その曲が「Ebony And Ivory」。ベタベタなだけに、思わず苦笑してしまった。でも、プロデューサー氏が真剣に‘この曲をこそここで使はめ’と考えていたとも受け取ることができ、結果使われたことだけでも、ポールとスティーヴィーが曲にこめた思いが生かされたことになった。‘どのように作られたか、なぜ作られたか’の視点が入っている曲は、しっかりと後世に受け継がれてゆくのである。

5月15日(日)
写真関係の仕事をしている知人が来店。とある計画について打ち合わせする為だ。
その内容とは・・・・。詳しくは6/11のUK新入荷にて! 昨年みなさんにご好評を頂いたアレの第二弾です。
今回も初回のみ、先着順ですので、興味をお持ちの方はお早めに・・・・。
(代筆K)

5月14日(土)
過ぎ去ったのをいいことに、4月29日の祝日を‘昭和の日’と呼ぶことにする法案が採決された、というニュースを昨日きいた。よくわからない‘みどりの日’というのは、5月4日に移動だそうだ。‘みどりの日’というのも、うやむやのうちに決まったような気がしたが、こういう朝令暮改的な愚行が‘100年後を見ていない政策’だと思う。重ねて批判してきていることだが、いたずらに連休を増やそうということからして間違っている。そんなの、休みたいときに休めるようにする制度を整える方が先だろう。某作家氏がフランク・ザッパを引用しつつ述べた言葉に、こういうのがある。‘売れる音楽を目指さなかったのもいい。売れる音楽は聞き捨てられるから、“どのように作られたか、なぜ作られたか”の視点が入らない。それを消費する連中がアホな政治家を支持している。政治体制がどのように、なぜ作られたかという視点は無い。’音楽と政治はつながるのだ。

5月13日(金)
昨日の続き。‘8割が拷問’と書いたが、私が残りの2割全部を好きという訳ではない。おそらく、その1/10に満たない2分の中でもがいているだけだと思う。店の在庫でも、2分5厘もあるかどうか…。全ジャンルを扱っているレコード店というものがあるが、私には恐ろしくて、とても一気に取り扱い分野を広げることは出来ない。夢ではあるが、やはり自分の心が躍る音楽だけでやって行きたいと思うなぁ。

5月12日(木)
PATTI PAGEのLPを聴いていたところS田氏が来店、‘拷問だな’とひとこと。確かに私にとっても拷問チックであった。そこで考えた。私のような視野の狭い音楽的趣向を持つ人間にとっては、おそらく全音楽の8割くらいは‘拷問’なのでは、と。その8割の音楽をこの先永久に聴くことなく過ごしてゆくのかと思うと、‘しょうがないか’という気持ちと‘もったいないかも’という気持ちの両方が湧き上がる。とりあえず、拷問ではない2割の音楽だけで現在は精一杯。そしてその2割は、必ずや未来に受け継がれる音楽だと確信を持っている。‘政治家は100年後を考えて政策を決めよ’という言葉があるが、音楽を嗜む者として(とくに私のような音楽を商いとする者は)、その音楽の100年後の評価を作っていくぞ、という気概が必要だろう。まぁこんなメンドーなこと考えながら音楽を聴き、レコードを買うのもバカらしいので、明日になったら忘れてください。楽しくいきましょうぜ。イエイ。

5月11日(水)
出勤したら、部屋の真ん中に大きなネジ&ワッシャーが落ちていた。いったいどこから?ひょっとして、昨日最後のお客さん、シングルを見つくしてずいぶん壊れていたから…。

5月10日(火)
これは茶番だ。一昨日の日記で、怒髪天を衝いた‘日本政府の軟弱政策 米産牛肉輸入’問題である。米政府の要求に屈して、今まで国内で必死に実施してきたBSEの全頭検査を見直し、生後20ヶ月未満の牛の検査を打ち切る、という日本政府の方針が出されたばかり。しかし、はやくも昨日には、全県が独自に全頭検査を継続するという方針が明らかになった。日本政府が自らの足元を見ずして、米政府の言いなりになっていることがまたしても露呈したかっこうだ。で、問題なのは牛丼に使われる米産牛肉。生後20ヶ月未満の牛は、使用されないという。つまり、牛丼の牛肉は、BSE検査済みというわけだ。おっ!食えるのか?(←冒頭の怒りはどこへ)

5月9日(月)
昨日は母の日。ガラにもなく、母親2人にけっこうリッパな鉢植えを送ってしまった。というのも、出入りのモップの営業クンが売り込みに来たからだ。自分がノルマに締め上げられてヒーヒー言った営業時代の思い出があるので、つい‘よし、買ったろ!’と言ってしまったのだ。書類に記入し、お金を払ってから‘どう、ノルマの足しになった?’と尋ねたところ、‘別にノルマ無いんすよ’という返事。ギャフン!甘いね、サニクリーン。

5月8日(日)
昨日、‘BBC WORLD’のホームページを見ていて‘さすがイギリス’と思わせられることがあった。5月7日は、ドイツが降伏文書に調印した日だ。もちろん戦争好きなイギリス人のこと、毎年この日は各種イベントが行われるのだが、今年は60周年ということで、より盛り上がっている。で、そこには、5月7日は‘Europe prepares to mark 60 years since the end of WWII.’だという。欧州での戦火が止んだ日ではあるが、南東アジア、極東アジアで戦火が止んだのは数ヶ月先なので、‘prepares’なのであろう。ちょっと前にはオランダのARNHEMでの作戦60周年記念式典をやっていたし、今度は終戦60周年。100年とか150年とか、延々とやるのだろうか。中国や韓国は毎月のように‘抗日記念日’があるし、先の大戦で負けていない国はいろいろ記念日が多い。結局は勝者(中国や韓国はそうとは言わないが)の自己顕示なのだろう。アメリカだって、ベトナム戦争に関する華々しい式典は無いときく。日本ではその‘勝者&敗者の法則’に従って、追悼イベントはあっても勝利や偉業を讃えるイベントはない(勝者の視点にたてば、‘キスカ奇跡の撤退’イベントくらいやってもよいぞ。撤退、という時点で敗者だが、偉業は偉業だ。)。日本は、全てを簡単に忘れるし、他国の愚行をすぐに許しすぎる。これだけ世論は反対していながら、米産牛肉が入ってきたら、日本国民は牛丼にかぶりつくのだろう。私は決めた。輸入米産牛肉は食わん!でも、テキサスでは、ステーキを食べますよ。輸入米産牛肉は拒否です!BBC WORLD → 輸入米産牛肉断固拒否(=日本政府の弱腰&国内無視の愚行を批判)という、劇的な視点の推移をみた今日の日記でした。

5月7日(土)
以前、隣の古着屋のBGMは、HOT VINYLのCDだ、ということを書いた。相変わらず、そのCDが聴こえることも多く、気分が良い。しかしもちろん、その古着屋も複数の人が働いているわけで、ときには趣味の違う音楽がかかっている。曜日によって、‘あぁ今日は彼か’とか見当がつく。ちなみに、今日土曜日は、最悪の音楽が、それもイチバン大きな音で響く日だ。嗚呼。

5月6日(金)
毎度しつこい話題で恐縮だが、‘スーパー・レコード’(3月19日、4月25+28日)とはなに?、という質問が相次いで寄せられている。その名前はまったく耳慣れないもので、‘あぁ、あれですか’というご返答は、今のところ無い。CD化は完了していますので、試聴はお気軽にHOT VINYLでどうぞ。

5月5日(木)
その若者2人は(おそらく高校生)、‘カンジわる!’と言って出て行った。当然である。入店するなり大きな声で話しバタバタとあてもなさそうにレコードを見ていたので、試聴していたお客様がいたこともあり、私はちょっと睨み気味に‘なにをお探しですか!’と尋ねたのだ。もちろん、そこで‘ドアーズのシングルを’とか返答があれば、しっかり見ていただくことになったろう。しかし彼等は無言で出口へ向かい、冒頭の言葉をコソコソ言いながら去っていった。今度は大人の態度で見に来なさい!でも今日は‘こどもの日’だったから、大目に見てやればよかったかしら。

5月4日(水)
思い起こしてみれば、10年前の今頃は、連休に感謝する会社員だった。9年前は無職で、ゴロゴロしながらもアタフタしていた。今となっては昨日の3日、本日4日がなぜ休みなのか思い出せず、ひたすらレコードを聴き、お客様のお話をうかがい、レコ屋稼業に邁進している。今月はイギリスか!来月は南極か!レコードのあるところ、どこへでも行きますぜ。

5月3日(火)
今日はUK+欧州盤新入荷。昨年のこの新入荷ではまったく宣伝せず、惨敗。どうも連休+祝日というのは、勝利の方程式(あるのかそんなの?)からは遠いようだ。お客様はゆっくりとお好きなレコードを探し、みなさまニコニコとお帰りくださった。なんだかホンワカと、いい1日だった。ご来店くださった方々、ありがとうございました。明日、明後日もホンワカしたHOT VINYLをお楽しみください。

5月2日(月)
‘キャッチ&リリース’という言葉をご存知だろうか?釣った魚を逃がすことだ。レコード屋で‘キャッチ&リリース’という言葉に触れるとは思わなかった。バンバンとレコードを買うあるお客様曰く、‘所有するレコードの枚数はLP200枚、シングル300枚と決めている。欲しい人がいるのなら、その人の手に渡るようにしなければならない。’と、ときどき所有のレコードを手放すそうだ。それを、レコードの‘キャッチ&リリース’と言うそうだ。‘キャッチ’ばかりじゃあ、世の中の相場にも疎くなるし、リリースも大事かもと、妙に納得した。ビンボー根性丸出しの小生は、実際は難しいかなぁ。やはり。

5月1日(日)
世は連休中。だからと言う訳でもないが、今日はUS盤の試聴が捗り、だいぶ売り場に出すことが出来た。(来客が無いとは言ってませんよ!)
まあ単純作業だが、知っているつもりだった作品でも、改めて聴くと意外な発見があるので苦痛ではないのだ。
しかし、接客したい訳だ、話したい訳だ。アノ娘に送ったお誘いメールの返事も未だ来ない訳だ。
只今Bob Dylan試聴中。「どんな気分だい?」って訊かれてもねえ・・・・。そりゃ、切ねーですよ。転がりながら帰宅ですよ。ヌー。
(店主オフにつき代筆K)

4月30日(土)
ある週末、ロンドンからちょっと離れた街で、午前1030に地元のコレクターと待ち合わせ。事前に買っておいた電車のチケットを手に、早々とロンドンのターミナル駅の窓口へ行き、列車の時刻を調べる。しかし!かなりローカルな場所らしく、電車は1日1本、それも1530発のものしかないという。他のルートは、と尋ねると、まったく違う路線のある駅まで行き、そこからタクシーに乗るしかないという。切符も買い直しらしい。1030に到着できるかも怪しいところだ。さぁ困った。ウーンと唸って、目が覚めた。5月は渡英の月。もうこんな夢を見るほど、プレッシャーを感じています。ふんどしを締めるには、よい頃合いか。それにしてもあまりにも具体的だったぞ。コワイコワイ。

4月29日(金)
昨日、黒くテカっている局長に‘かきいれ時’だと大口叩いたものの、今日も売り上げはさっぱり(来店者数はそこそこだがね)。祝日はやっぱり‘事務仕事が進む日’である。ヌー。

4月28日(木)
目に涙をたたえながら、スーパー・レコードを郵便局へ持参した(4月25日の日記参照)。すると、地黒の局長が‘連休中の営業はカレンダーどおりですか?’とニヤニヤきいてきた。‘いやぁ、こういうときこそ、かきいれ時ですよ!毎日営業です。’と、ニコやかに応対したものの、内心‘民間の零細自営業者は休む日なんてありゃせんのじゃ’とつぶやいた。いつものことながら、明日が祝日だということを、今朝知ったのだから。3日の新入荷の準備だわ、USのLPはまだまだ山積みだわで、本当にやることいっぱいです。皆様からのご期待あらばこそ!

4月27日(水)
惨敗である。今週から始めた約4年ぶりとなる週7日営業であるが、ほとんど来客は無し。これからもこのままであるとすれば、ムリして都合をつけてまで週7日営業をすることはない。(日記のネタ探しにもより目を光らせねば!)‘火水休’というのが、皆々様の血となり肉となってしまっているということか。まぁ、1週だけではとても判断できないことではありますがね。さ来週以降、どうなるやら。言い続けているとおり、あくまで‘暫定的に’週7日営業中です。

4月26日(火)
ポストに、いびつな形のブ厚い封筒が入っていた。エア・メールだ。開けてみると、ゴロッと米ドルが出てきた。20年以上探していたレコードがHVのHPに出ていたので、至急送れ!ということだった。いきなり現金というのもビビッたが、その送り方は目からウロコだった。昨日の話題の翌日に、新手の送金方法が現れたので、ご報告せねばと思いましたしだいで。

4月25日(月)
ついに陥落した。あのスーパー・レコードの海外流出が決定した(涙""…3月19日の日記参照。しっかりしろ、日本人!)。もう送金も完了。ものすごく厳重に封をされた現金が送られてきた。これは事実なのだが、軽く便箋感覚で現金を入れて郵便を送ると、相手に届く前に消える。今回のようにアルミ箔に包んで、紙で2重に包んで、ダンボールにグルグル巻きにして送るのが正しい。海外の人間には、そうしないとイケナイということが、本能的に分かっているのだろう。基本的にはIMOで送ってもらうのが確実なのだけれど、お互い現金というのが楽なので、相手の責任において現金を送ってもらう分には、ダメとは言わないことにしている。

4月24日(日)
‘おっ、JAZZコーナーができたんですか!’と、あるお客様から驚きの声が。いえいえ、そんなにイバれるものではありません。質はともかく、なんとなくコーナーを作れるくらいの厚みができそうだったのでヒッソリと作ってみました。本格的なJAZZと言える盤はほとんどありませんが、まぁロックではないのでは、みたいなものを入れています。よかったらご覧ください。

4月23日(土)
私には特別な能力が備わっているのではないか、といぶかっている。4月に入ってからというものの、‘あぁ、あのお客様お元気かなぁ’と考えたその日に、不思議とそのお客様がいらっしゃるのだ。冗談ではなく、ピッタリといらっしゃる。3ヶ月ぶりとかで。ふふふ、次はあなたを、そして、あの方のことを考えよう。とりあえず明日は…。

4月22日(金)
今回の渡欧では、飛行機の都合で1日のんびりできた。アムステルダムに到着して、その夜は旧市街のドーミトリーに宿泊。キリスト教系の団体が運営している施設で、朝食つきで\2000程度。地の利を考えると、とってもお得。6時半頃に入室してまだ充分に外は明るかったのだが、長旅で疲れていたので7時過ぎにはまだ誰もいない部屋(16人部屋)で寝てしまった。11時過ぎに廊下でギターをかきならしている輩が「Lola」を歌っていたのを覚えているが、基本的にぐっすり7時まで寝た。起きてビックリ!満室の16人部屋で男がオレ一人じゃねーか!パンツ一丁でうろつく訳にもゆかず、かなり居心地悪かった。女の子達は意外とお構いなしだったけど。以前は男だけの部屋だったのに、どういうことか。ヌー。8時半に朝食を摂り、まる1日アムステルダムを散策(といってもレコ屋回り)できたのは楽しかった。

4月21日(木)
一昨日に帰国しました。帰りの便で美女が隣に座っていたせいでほとんど眠れず、昼前に店に到着しても机につっぷして寝てしまった。そうしたら、まぁよく電話のかかってくること!寝ては起こされの連続だったので、機嫌が悪そうに対応してしまい申し訳ありませんでした!ヨーロッパはアメリカとは逆に質重視。枚数少なめに、ナイス・アイテムを厳選してきました。5月3日に全部入荷させますので、皆様、お取りこぼしの無きように!

4月11日(月)
お客様からいただき物をすることがある。べつにお米とかを恵んでもらっているのではなくて、CDや音楽関係のアクセサリー等々。今日はある文献をいただいてしまった。そのどれも私のツボを見事にとらえた物なので、もちろん丁重にお礼を申し上げるが、そのお礼の仕方が難しい。お買い物の割り引きをしたりするのは、結局そのいただき物を買っているような印象を与えてしまいそうで心配だし、お返しにレコードをあげてしまうというのも、きっと恐縮されてしまうだろう。ヌー。とにかくすばらしいレコードの入荷に、さらなるリキを入れることでお返しすることしかない、と考えている。

今週末は欧州でレコ掘りです。忙しいことはいいことだ!来週月曜日まで臨時に休業します。21日以降は、しばらく定休日無しでずっと営業します。連休中もよろしくお願いします!(毎年GW中は売り上げが悪いのだ)

4月10日(日)
レシートを渡さないというのは、いったいどういうことか?お金だけ受け取って‘ありがとやんした’では、イケナイはずだ。‘レシートをください’と言うと、‘え!?’てな感じで、手書き領収証をわざわざ作ったりしている。先日なんて、全国的に名の知れたチェーン店でも、くれようとしなかった。HOT VINYLでは必ずお渡ししている(ごくたまに紙詰まりしてしまい失礼)。イタリアなんて、販売者がレシートを発行するのは当然として、購買者側も受け取る義務があるそう。官憲が店の外で張っていて、レシートを受け取っていないことがわかると、懲罰の対象になるという。レシートを発行しようとしない店では、必ず‘レシートください’と声をあげよう。(‘領収証でいいですか?’と返されたりするのは、どういうことか?)

4月9日(土)
11時にバッ、とドアを開けると、こちらにお尻を向けて窓から外を眺めるS氏(N大職員)が。‘あれ〜っ、新入荷なのに、オレ1人かよ〜’と、嬉しそうに早速シングル掘りを開始。S氏は私の推薦するものに悶えながら、数枚をお買い上げ。昨日の懸念が現実なり、今日は意外といつもの新入荷に比べて静か。まだまだこれから入荷のナイス・アイテムが山ほどあるので、明日以降も要チェックです。

4月8日(金)
今日も多くのお電話を頂戴したのだが、‘明日は行けなくて’というご連絡が多い。花見か?レギュラー陣(多くても3人くらいだけど)のいない‘ドア開け’(内側にいる私から言えばね)は、ちょっと寂しいものがあります。今夜も居残りで明日の準備。万端で皆様をお迎えしますよ。来週は渡欧するので、11日の月曜日までにいらしてくださいね皆様。

4月7日(木)
一昨日に帰国しました。すさまじいまでの充実感に浸っている店主です。店休日にもかかわらず出勤した昨日、14時間で18枚のLPを聴きましたよ。もちろん、明後日の新入荷に備えて、おいしいブツから試聴をしているのです。来週にはまた渡欧するので、時間もお金もタイト!でも、土曜日の混みあう店内を想像して、苦境(というほどでもないが)を乗り越える覚悟でいます。そんな中、早々に入荷チェックの電話をくれた方々、ありがとうございました。満足にお答えできませんでしたが、すべては土曜日以降ですよ。フフフ。

3月30日(水)
渡米した際にいつも利用するモーテルのオンライン予約が上手くいかないので、仕方なく電話した。全米に何百もある大手モーテルの予約センターにかけたのだが、相手の渋い声のおじさんのまぁぶっきらぼうだこと。何度こちらが‘ゆっくりと’と言っても、ベラベラと来るので、何回も‘REPEAT, PLEASE’と言ってしまった。愛想のひとつも無いまま、型どおりに最後にさらに速くベラベラと規約をしゃべって、言葉だけは丁寧に電話が終わった。フフフ、でも‘もっと安い部屋をネットで見たぞ’と伝えて、最初に提示された部屋よりも安い部屋を出させたぞ。

明日から渡米します。そのため、来週の木曜日まで臨時休業します。春の新入荷キャンペーンの始まりです。新入荷は9日。ご期待ください。

3月28日(月)
ガックシである。3月12日の日記から2週間が過ぎたが、私が連絡を入れたお客様からは、フィード・バック無し。もうすでに入手済みであったのなら、それはそれでいっこうに構わないので、できればその旨連絡をいただけたら嬉しいのですが。ヌー。

3月27日(日)
レコード店開業希望のお客様に、いろいろ訊かれたので僭越ながらいろいろとウンチクを言ってしまった。昔は私もそうだったのだが、レコード屋をやるということが、とってもたいそうなことに思えてしまい、どうしても一歩が踏み出せないという。実際やってみると、レコード店店主なんて、大それたことではない。金銭的には辛いけれども、毎日が楽しい、ということを伝えた。近所で(できれば同じビルで)やってくれないかなぁ。

3月26日(土)
近所のスーパーのレジに白い紙が貼ってあった。‘花粉症がヒドいため、店長の許可を得てマスクをさせていただいています。申し訳ございません云々’ということが書かれていて、見るとレジ係がマスクをしていた。21日に見た警官も、街行く人に断りを入れなければならないと思う。背中にアドバルーンでも付けて歩くのはどうだ(ピグモンみたいに)。それとも、以下のような理論が成り立つのだろうか。レジ係はお客様と面と向かう接客業であるからして、その顔を隠し表情をうかがい知ることが出来ないような状態であることは、誠に申し訳ない。よって、皆々様にお伺いを立てるのは当然である。しかしながらして、我等警官は、その表情、素性など人民に見せる必要は無い。目さえ見えていれば、しっかり皆を睥睨することが出来るからな。怖い人が来たら、ちゃんと逃げることだって出来るぞ。

3月25日(金)
近頃、レコ掘りの夢ばかりみる。買い付けの重圧が、ひしひしと襲いかかって来る。みる夢といえば、‘あーっ、リストを忘れた!’とか、‘やべー、クズしか出てこねー’とかいう、ネガティブなものばっかり。そしてついに、‘“すげー、ザックザクだぜ”というのが夢だったか!ガクッ’という、夢の中で悪夢を見るという事態にまで発展した。いつも結果オーライなんだけどね。ご期待ください。

3月24日(木)
‘フライヤー置かせてください’というお兄さんが来たので、‘置いてあげることしかできませんがいいですよ’と答えた。いつもの答弁だ。すると次はお決まりの、‘店判をください’と来た。たかがハンコウとはいえ、知らない人の持つ書類にむやみに押して悪用されるのもイヤなので‘置いてあげることしかできませんがいいです’と再び答えた。すると手にしていたフライヤをしまいこみ、あっさり帰っていった。フライヤーをまいて多くのお客さんに来てもらうことが目的ではなく、ハンコウをもらって金を得ることしか思っていない人がスタッフとして働いているイヴェントなんて(サマー・ソニックだけど)、どうかとおもうが。大掛かりなイヴェントほど、そのような輩が多くやってくることを感じる。

3月21日(月)
開店して、数人の‘月曜日らしからぬ’お客様を迎えて思い知ったが、今日は休日だった。やはり人通りが多いここ界隈だが、最近は警官をよく見かける。若いのが巡回しているのだが(犯罪を見て逃げ出しそうなタイプ)、そのうちの1人が顔を覆いつくさんばかりに大きいマスクをしているのを見た。いいのか、警官があれで。

3月20日(日)
昨夜、NHKでレコードについての番組をやっていた。番組の内容について述べたいことは山ほどあるが、ここではあえて‘盤’についてのみ触れる。30〜40年代に満州で国策ラジオ放送に使用された、2000枚超についてだった。床にひろげられたものすごい数の盤は、ミントのものから、P-状態のものまで様々。意図的なものなのか材料関係の問題なのかは知らぬが、そのなかに何枚かカラー・ビニール盤(ビニールか?)が混じっていた。それに、今我々が愛撫しているレコードとは異なり、針は内側に降ろし、外側に向かって進んでゆく。1枚1枚、マイク直結のスタンパー(というか彫り機)で溝を作ってゆくうえで、そうなったのだろうか。いらぬところに目が行ってしまい、1時間半の番組を見終わると、なんだかグッタリした。

3月19日(土)
猛爆に耐えている。欧州方面から、あるシングルに問い合わせが相次いでいる。私は‘レーベルがキズだらけ’、‘音最悪’と、ウソをついて、貴重なレコードの海外流出(UK盤だけど)を防いでいる。万単位の価格がついているので日本では売りづらいが、ハッキリ言って、この価格以上の内容+レア度だ。万が一再入手したとしても、最低で3倍の価格を付けねばならないだろう。なんとか国内に安住の地を見つけて欲しいが、いつまで防空壕が持ちこたえられるか疑問である。

3月18日(金)
今日も海外流出する英シングル盤を携えて郵便局へ。いつもの階下の南幸郵便局ではなく、相鉄改札口そばの相鉄ジョイナス内郵便局へ。EMSのいつものパックに入れて若い局員に差し出すと、‘え!?レコードですか?’と言ってしばし固まり、脇にあったブ厚い書をめくり始めた。いつまでたってもその本から顔を上げる様子が無いので、‘何を見てはるのですか?’と尋ねたところ、‘いや、一応、レコードが発送可能なモノか確認しておりまして’との返事。‘“いや”とは何か?’とつっこもうかとも思ったが、‘いつも送ってるよ’と告げると、あっさりと手続き完了。きっと彼にとっては、レコードなんてのはまったくなじみの無いもので、‘ナマコの乾物’の発送を頼まれたときと同じような対応をしてしまったのであろう。今度‘ナマコの乾物’を‘いつも送ってるよ’と海外に発送してみるとするか。

3月17日(木)
最近私は冷たい男だ。電話での勧誘(必ず‘シャチョーさまはいらっしゃいますか’と来る)には、即切りだ。間違いなく‘資産運用云々を’と続くので、もちろんその際には、‘まぁっっったく興味ありません’と言い、相手の言い分も聞かずに受話器を置く。もうちょっと変わった切り口じゃないと私の興味を惹けないですよ。‘UK フリークビートのシングル100枚’や‘20o機銃の発射握杷’なんてのはいいかも。‘天山艦攻の尾輪’とかでもいいけど。

3月14日(月)
フー。ようやく肩から重荷が下りた。今日午後、2004年度の確定申告を済ませた。青色申告会はゲキ混みで、寸前はダメだ(〆切りは15日)と思い知った。今日も先週のオネエサンにお世話になった。

姉:‘ねぇ、ウチに蓄音機で聴くレコードがいっぱいあるんだけど、いらない?父親のなのよ。もう死んじゃったけど。’
私:‘いやー、78回転盤はJAZZとか落語とかなら知りませんが、たいていのものは値段付かないすよ!’
姉:‘捨てるのにもお金かかるし、邪魔なのよ。どうしたらいいかしら?’
私:‘もしかしたら、東京の一部の店で取り扱ってくれるかもしれませんよ。’
姉:‘インターネットでしらべてみようかしら。’

今日はかなりムリをきいてもらって手間をかけたので、調べて私から思い当たる店を教えてあげようと思う。

3月13日(日)
ドラえもんの声優陣が総とっかえだという。一気に平均30才も若返るらしい。個人的には、ジャイアンの声には親しみを感じていて(なぜか?)、大学時代には‘おーれーはジャイア〜ン♪’の歌を目当てにCDを購入したこともある。18日の放送が、オリジナル声優音源での最後の放送だとのこと。ワカメちゃんも今月いっぱいで廃盤、来月からは声がリイシューされるらしい。ドラえもんは一気に廃盤扱い、かたやサザエさんはチビチビと廃盤か。がんばれサザエ(ロボコン居候の大山家のママだった)、波平、フネ!オリジナルの中音域の響きを見せてやれ!そういえば、初代カツオは大山のぶ代。関連ありか。ヌー。

3月12日(土)
1年以上も前に1度だけメールで在庫問い合わせをいただいた、来店歴の無いお客様がいらっしゃる。今日数枚のレコードを新たに入手したのだが、その中の1枚を見て、ピーンと、その方からのご連絡を思い出した。早速‘入手しました’メールを入れた。WANTをいただいたレコードというのは、見ればすぐに思い出すものだ。さぁ、そのお客様からご返事はあるだろうか?こちらが‘やった、見つけましたよ、○○さん!’とセルフ喝采(新語)したって、意外とご本人はそ知らぬ顔だったりするんだよなぁ。ヌー。

3月11日(金)
午前中は確定申告のため青色申告会へ。人生の超ベテランのお姉さん方がズラッとテープルを挟んで並んで、我々を待ち構えていてくれる。私の相手をしてくれるのは、ちょっと毛色の違うオネエサン。確かに髪の色は黒や白ではないし、他のお姉さん方より20才ほど若く、一人だけ豹柄の上着をお召しだ。HVの昨年の月間売上高推移を見て、‘なんで12月だけ突出しているの?’とは、いきなりのご挨拶。以下会話

姉:‘あ〜、マニアな店なワケね。70年代始めの中学生の頃は、胸ときめかせていろいろ聴いたわ〜’
私:‘ディープ・パープルとか、ベイ・シティ・ローラーズとかですか?’
姉:‘ハード・ロックはキライだったの。ローラーズは仲間内では人気だったわ。私は☆◎§*£◇◆∈∀(私の知らぬ名)をよく聴いてたわ。’
私:‘ひょっとして、ディスコ世代ですか!?’(←相手が豹柄だとはいえ、かなり思い切った切り出しだと思う)
姉:‘フフーン、そうなのよ。70年代半ば以降には外タレのライブもよく行ったわ。’
私:‘キッスとかですか?’
姉:‘だからハード・ロックはキライだってば!’
私:‘ギャフン!’

3月10日(木)
アメリカ・シカゴの中古レコード屋店主が主人公の映画を見た。ウワハハハ、と笑えるネタ満載で面白かった。だって、「Little Latin Lupe Lu」は‘MITCH RYDER & THE DETROIT WHEELS’バージョンと‘THE RIGHTEOUS BROTHERS’バージョンで、どっちがカッコイイか、なんてことを論争している映画だぜ。また行きたくなったぜ、CHICAGO。

3月7日(月)
なにやら明日は‘サンバの日’らしい。それより、‘ロックの日’制定が先だろう。だれかすでに謳ってんだろうなぁ。

3月6日(日)
12と3月の決算は、その月内の入金はその月のうちにやってくれていたヤマトの代引きをあてにして、4月のUS、欧州買い付けの計画もたてていた。今日になって、‘諸般の事情により’一部の3月中の代引きが、3月中に決済できないとの通知が届いた。プンプンと同時にガックリ。世の中、せち辛くなったものだ。顧客の不利になるようなことを、株式を公開している会社たるものが一方的にしてよいのだろうか?

3月5日(土)
これは中古レコード屋だけに限ることではないらしいのだが、ひじょうに頻繁に来店されていた方が、パッタリ来なくなってしまうことがある。こちらとしては、もちろん再度のご来店をお待ちしているとともに、‘なにか非礼なことでもしたか?’と心配してしまったりもする。しかし、たいていの場合は、ひょっこり以前と変わらず来店くださる。考えてみれば、私個人としても行かなくなって久しい場所というものがある。久しぶりに行ってみるかなぁ。

3月4日(金)
現在、確定申告の最終作業中。いろいろ領収書やら通帳やらを引っ張り出してきて、頭を悩ませている。と、そこで外国で使用する財布(円⇔外国通貨の入れ替えで海外に行くときは2つ必要だ)の中から、忘れていた100EURO札と£15が出てきた。超ラッキー!次に願はくは、いずこからか1万円札の出てこむことを。

3月3日(木)
先月、チョロッとHP上で書いた‘1月の売り上げは過去サイテー’という文句に反応を示される方が多かったのは、意外だった。それも、けっこうマジで心配してくださったりして。お気持ちは、マジでありがたく思っております。ついでに報告させていただきますが、2月は過去4年でまたまたサイテーの売り上げでした!しかし、たとえば3年前の2月は渡英していて100万円くらい使っているわけで、売り上げがずっとよかったそのときよりも、今年の2月の方が財政的には楽でした。小生がツラツラとここで弱音を吐いても、まぁいつものことだと思って、サラッと受け流していただければ幸いです。同情して買って下さるのなら大歓迎ですが!

2月28日(月)
2月はじつにつらい。だって、1月より3日も少ないんだもの。それなのに、家賃を始め各種の出費は容赦なくやってくる。3日も営業日が少ないということは、売り上げ10%ダウンということ。だれか2月を31日にしてください。

2月27日(日)
‘○○ありますか?’とシングルの有無を尋ねられて、‘ハイッ、あります!’と答えることほど、嬉しく誇らしいことは無い。それがまたけっこうレアなブツだったりすると、‘ひょっとして、感謝されるかも’なんて思っちゃったりもする。しかしときどき、そのレアなブツをご覧に入れても、‘ふ〜ん’てな感じで、結局買わずに帰られる方もいる。何がそのお客様に、買うのをためらわせるのか?価格か?状態か?その方の懐具合か?頭を悩ませる事態だ。もっともったいぶった方が販売戦略上有効か?

2月26日(土)
「まだあるかな?」と、以前見たレコードが気になって来店された場合は、あるのと無いのとは半々だ。あれば、‘あまり売れない店なんで、いつもありますよ’と答えるし、売れてしまっていれば‘あれは人気ありますからね’などと月並みな返答をする。とにかく、気になっているレコードがある方、要確認です!ご来店をお待ちしています。

2月25日(金)
販売の面では頼りになる愚妻であるが、他のことはからっきしダメである。先日なんざ、‘あ、この人がマツケンでしょ?’と言うのでテレビを見たら、そこには高橋英樹が。‘マツケン’は舞台上のキャラクター名で、実在する人物だとは思っていないようだ。私は、‘あぁ、そうだね’と受け流しておいた。

2月24日(木)
最近はおかしなもので、平日の売り上げが良い。土日を上回ることも珍しくない。21日なんて、万単位のアイテムが3枚も売れた。そのことを愚妻(販売のプロ)に話したら、‘マニアック化してきたね’とのコメントだった。いまさらこの店でマニアックも無いだろうとも思ったが、今度詳しくきき質してみよう。

2月21日(月)
ベテランのロック好きのお客さんが来店。70年代に、‘ELPの『展覧会の絵』を聴いて涙を流していた女の子がいた’という。最近あまりプログレ好きの女性というのはきかないのでどんな子だったか尋ねたところ、‘やっぱり、屈折した子で、手首切っちゃいそうな子だった。結局、美大に進んだかな。’とのこと。現在の消息を知りたいものだ。

2月20日(日)
あるお客様から、‘アド街ック天国でかかる音楽には、ニヤリとさせられるのが多い’ときいたので、昨日見てみた。ゲッ!、しょっぱなからBILLY NICHOLSの「Would You Believe」だ。まったくもって、普通の選曲ではない。あきらかに、スタッフにマニアがいる。‘ニヤリと’するのを心待ちに番組を見ようとしたのだが、山田五郎のハシャギぶりを目にして、いたたまれなくなりスイッチを切った。

2月19日(土)
久々に‘UK SINGLES箱@から見せて下さい’という、初来店の方がいらした。Gまで見て、高額箱もじっくり見て、何も買わずに帰られた。骨董の世界なら‘目垢がついた’と店主が憤るところだが、私はありがたい気持ちでいっぱいです。つまらないコレクションなら、最初の20枚でギブ・アップするところだ。1000枚以上もお付き合いいただけたのは、じつはスリリングだったからだろう。またじっくり見に来てくださいね(しっかりお財布の中身を用意のうえね!)。

2月18日(金)
大げさなタイトルのセミナーへの参加案内が送られてきた。‘古本ショップ・中古CD・ゲームショップ 活性化手法大公開オリエンテーション’という。中古レコード屋は入っていないので、私が無視するのは当然だが、4時間弱の講演で、参加費は2万1千円!こういった類のものは金額の大小じゃないのかも知れぬが、案内には‘!!!’の連射で、まったく真実味が無い。アホクサ、である。一応、主催は名の知れた組織。こうやって儲けていたのね。

2月17日(木)
両隣の古着屋のニイチャン等がブラブラとしている。どうやら、同じくヒマらしい。ヒマとは言っても、あちらは若人がフラフラやってくる頻度が高いので、厄介だろう。両隣だけ大繁盛だったらイラつくので、ちょっと落ち着いた。でも、今日はけっこうお客様いらっしゃって、良かったのですよHOT VINYLは。

2月14日(月)
擬似ステレオなんて、もう最近ではすっかり消滅したかと思っていたのだが、思わぬところで現役であることを知った。近頃復刻が進む‘ウルトラマン’のDVDだ。音声を‘モノラル’と‘擬似ステレオ’で選べるようになっていて、とくに設定をしなければ、自動的に擬似ステレオでプレイされるようになっている。やっぱりなんだか気持ち悪いので、私はもちろんモノラルを選択することになる。一応、テーマ・ソング等々の音楽は、音源としてはリアル・ステレオでも存在しているのだが、差し替えることなく、わざわざオリジナル・サウンドトラックを用いている点は、大いに評価しておきたい。

2月13日(日)
最近、また久々に‘全在庫LPを聴こうキャンペーン’をリスタートさせた。必ず新しい発見があり、コメントを書き込むのが楽しくて仕方ない。私のような視野の狭い音楽の聴き方をしていると、正しい批評の心が育まれない。数を聴きこなし、ひとつひとつ文献、ネットをひもとくことも必要だ。日々研鑚ですよ。

2月12日(土)
昨日、大きなニュースになったのが、ある限定商品だ。ヨシギュー150万食。‘150万’という数字が、とうてい‘限定’などとは言えないことは、我々の見地から言えば当然のこと。抗議だな。

2月11日(金)
RAY DAVIESは‘God save tudor houses, antique tables and billiards. Preserving the old ways from being abused.’と、60年代のイギリスで歌った。私もRAYやPRINCE CHARLESのように、日々の街の景観の変化には、心を痛めている一人だ。今週、いつも私を和ませてくれていたあるビルが取り壊されてしまった。年末まで普通に小さな商社が入っていて、いつも遅くまで灯りがともっていた。角地に建っていて、丸みを帯びた2階建てのビルだった。くすんだクリームの色合いと、50年代っぽい独特の出っ張った窓枠に、私なぞ何度その目を奪われたことか。どうせピカピカで角張った高層ビルが建つのだろう。残念至極。皆様の多くも、そのビルを見たことがあると思う。東神奈川駅のちょっと横浜駅寄り左側の反町公園の真横左側角にあったのが、そのビルだ。東海道線、横須賀線沿いにいつもおなじみだったはず。RIP。

2月10日(木)
大学時代の友人からの連絡で、‘文学的だね’という批評を頂戴した当日記。将来の単行本化を見据えて、過去のファイルを捨てたりはしていない。そのときは、‘店主日記’などという気の利かないタイトルではイケナイね。‘VINYL HERMIT 漂盤随筆録’にしよう。ところで、私を‘文学的’などとおだてないでください。恥ずかしさでいっぱいになります。要勉強。 

2月7日(月)
今日のニュースで、‘古新聞古雑誌で床が抜けたアパート’というのを見た。‘こんなネタをニュースで取り上げるなんて、まったくバカらしい’と思ったが、一方で‘オイオイ待てよ、オレたちに無縁ではないかも’という思いがこみ上げてきた。レコード買いの我々は、どうしてもスペースという難題にぶつかる。さらに、量が莫大になれば、重量というさらに厄介な問題に直面することになる。今日のニュースの部屋は、築30年以上経ったアパートということだが、現在の建築の基準では、‘1uあたり180kgの重さに耐えられる’ということが、床の必要用件とのこと。皆さん、1uあたり180kgを超えるレコードは、自己責任です。気をつけましょう。

2月6日(日)
今日も異国語を話す若者が来店。‘☆◎§*£◇◆∈∀のレコードありますか’という問いへの私の問いかけは、‘いつ頃の人ですか?’だ。‘84年頃’と返ってきたら、すかさず‘ゴメンナサイ、50+60年代のレコードしかありません’と答える。‘☆◎§*£◇◆∈∀’と言われた場合は、たいていはこのパターンだが、ごくたまに私の知らぬ60年代のガレージ・バンド名だったりする。そういう場合は自分の不勉強を恥じるとともに、在庫が無いことを丁寧に詫びるしだいである。

2月5日(土)
‘リオのカーニヴァル始まる’というニュースをテレビで見た。この手の‘毎年報道されるネタ’というのは、日本独特の報道形態だ。とりあえず、条件反射的にまた‘リオの若大将’をビデオで見てしまった。乞うDVD化!

2月4日(金)
気持ち悪いことだが、いまだにテレビでは‘韓流’だ‘ヨン様’だ、と喧しい。そんななか、ソウル市内にできた屋外の‘フユソナ’のエキジビションがお粗末で、取材の日は来場者がゼロ、ということをテレビで見た。客がゼロということに、妙な連帯感をおぼえてしまうほどのHOT VINYLであった。HOT VINYLのエキジビション内容は、とてもお粗末とは言えませんがね。

2月3日(木)
珍しく、昨日と一昨日は出勤無し。何をしていたかというと、散歩。3時間くらいかけて自宅付近を散策した。近所とはいえ、意外と知らない場所も多く、神社の石の彫り物や、社殿を見て心洗われるすばらしい時を過ごした。知的で文化的な休日を過ごす私らしい。しかしついつい、ステキなつくりの家や街並みを目にすると、‘こんな場所でレコ屋をやってみたい’とか考えてしまう。ちょっと現在の店は無粋なのでね。

1月31日(月)
午後、興奮した口調の母親から電話があった。‘来たわよ!オレオレ詐欺の電話が!’と。曰く、‘○○さん(私の実名)が埼京線で女性に触って捕まり、今、戸部署に拘留中’という設定で、‘戸部署の警官’から電話があったそうで、続いて‘本人(私のことだ)’も電話口に出たという。母親はもちろん分かっていたので、‘うちは自営業で本人は1階にいるから、話してみてください’とかましたところ、電話は切れたという。埼京線車内で捕まったとしても、どういう経路で戸部署に拘留されるのか?ちょっと設定にムリがあったようだ。しかし実名を語っていたことから、私の母親をドキドキさせてくるくらいのインパクトはあったようだ。だって、わざわざ店にまで‘確認’の電話をしてきたくらいだもの。まぁとにかく、私だったら捕まらないようにやりますから、ご安心くださいませ、母上様。

1月30日(日)
私の旭川行が以外や反響を呼んでいて、多くのお客様から‘旭川に行ったんだって?’と言われる。まぁ普通の関東人は、一生のうちに一度も訪れることの無い土地だろう。ある大学時代の仲間なんて、‘オレが旭川に行きたがってたの知ってたくせに、勝手に行きやがって’と、私を罵る始末。そして皆様もちろん、私が入手したYUZOのEPの写真も見てくれている。ひとつお知らせしてしておきたいのは、旭川の3軒の中古レコード屋は、いずれも歌謡曲が充実していたということだ。私はあまり興味ない分野だが、旭川と歌謡曲とは、なんともお似合いではないか。ちなみに、我々が目指す洋盤は、ほとんど無かったことも伝えておく。べつに私もレコード目当てだった訳ではないので、どうでもよいが。

1月29日(土)
日米が開戦した当日41年12月7日、ワシントンの日本大使館の庭では、機密書類の焼却がいち早く始まった。開戦の報を聞きつけて集まった新聞記者からは、当然のように‘あの煙はなにか?’と質問が飛んだ。対応した武官室員は、‘ラブレターを焼いているのだ。グリーンの煙は恋文で、イエローの煙は絶交(日米国交断絶の意)の悲恋の炎だ’と答えたという。まさに当意即妙、記者連中も感嘆するばかりだったという。相手を煙にまく、とはこのことか、質疑応答の見本として、私の心に刻まれている出来事だ。続いて日本大使館は、集まった群衆から投石やら火炎瓶が投げ込まれるやらで混乱に陥ったが、米警官隊の‘トーキョーにいるグルー(米国)大使のことを忘れるな’、という冷静な説得により、平静を取り戻したという。これも見事な発言、対応だ。日米が戦争をしたなんて、現在の日米関係を思うと、遠い昔のことのように思える一件である。なにせ、日米の首脳同士は、かなりの仲良しらしいのでね。だれか冷静で、誠実に答弁ができて、かつユーモラスな為政者は、日本にいないものか?

1月28日(金)
今日、階下の郵便局を訪れた際、9日の出来事を伝えてみた。そうしたら、意外とあっさりとハガキを1枚差し出された。‘日付けだけわかれば’とのことで、当日記のおかげでしっかりと‘9日です’と、言うことが出来た。一件落着。一部の銀行に見習ってもらいたいという意見も聞こえてきそうな、郵便局の秀逸な態度である。

1月27日(木)
先週末は休業しまして、失礼いたしました。旭川へ行ってきました。とりあえず、駅前エリアに3軒中古レコード屋があってビックリ。‘ボブー・ディラン’、‘ヤドバーズ’等々の文字の仕切りがアイウエオ順に並んでいるのは良いとして、‘相良直美 + 加山雄三’という仕切りは如何。エレキ・インストのコーナーに高橋竹山が入っていたのは、まぁ日本人らしいか。やはり輸入盤はほとんど無しで、個人的に探していたブツ2枚をゲット。日曜日だというのにお客さんがほとんど来ないのは、横浜の繁華街にある中古レコード屋と一緒。心の中で‘お互いガマンしましょうぞ’とつぶやいたのだった。

1月22日(土)
土人みたいな若い女性が来店。キョロキョロしながら近付いてきた。ものすごく臭いので思わず顔を背けた私に、‘☆◎§*£◇◆∈∀のレコードありますか?’と暗号でしゃべるので、私がキョトンとしていたら、‘あぁ、わからないですよね’と言ってクルリ帰って行った。不幸だったのは、お互いの音楽の趣味が異なることだ。私と音楽の趣味が合う土人など、存在するのだろうか?

1月21日(金)
‘つい買ってしまう’というレコードはないだろうか?好きなレコードだと、何枚でも買ってしまうという方は意外と多いようだ。昨日いらしたある方もその手のお客様で、‘同じレコードでも、キズのつき方とか、1枚1枚に味があるんですよね’とニコニコおっしゃった。以前、‘落書きOK’というコレクターの方は、‘どんな人がどんな気持ちで、そのレコードを買って、眺めていたかと想像するのが楽しい。ジョンの頭の上に、間違えて“GEORGE”って書かれていたりするのはサイコー’とも。多くの方の、それぞれのレコードの楽しみ方を知るのは、いつも面白い。

1月20日(木)
レココレの担当氏から、広告掲載勧誘の電話をもらった。‘レイ・チャールズの特集です。HPを拝見したのですが、“US SOULのシングル大量追加”とのことなので良いタイミングでは。’と言う。営業上手!しかし、このシーズンはグッ、と我慢である(同フロアの古着屋もキビシイとのこと)。丁重に辞退申し上げた。

1月17日(月)
‘こんなもん売れないだろうなぁ’と思いつつ、買い付けてしまうものがある。レーベル買いだったり、コメディーだったりと、イギリスに多い。またそういうブツに限って高額なことが多い。たま〜にそういうのをお買い上げいただくと、なんだか役目を果たしたようで、すごく報われた気がする。例えば‘PLAYBOY CLUB BUNNIES’なんて高額にもかかわらず、2枚とも売れた。昨年は‘PETER COOK & DUDLEY MOORE’に凝ってしまって、何枚も買い漁った。さて、今年はどんな無名のブツに照準を合わせるか。

1月16日(日)
UK盤最新入荷のページを更新した。新機軸としてLPのジャケ写真も数点UPしてみた。じつは年末にデジカメを購入したので、ちょっといろいろ作業を勉強してみた。今日昨日の天候のせいで、パソコンに向かう時間はたくさんある。また楽しいことになってきた。乞うご期待。

1月15日(土)
もう外は真っ暗なのだが、こんな日はやはり来客ゼロ。土曜日だってのになんてことだ。しかし、それはそれでそれなりに働けばよい。シングルをお求めのお客様がいらっしゃれば‘マン・ツー・マン’で2時間とかザラ、誰も来なければ事務仕事に没頭すればよいだけだ。そろそろ確定申告が気になりだしてきたので、来客ゼロもまたよしだ。

1月14日(金)
以前あるレコード会社で働いていた方で、現在も音楽に携わっているというお客様からきいた話。近頃さかんにリイシューされるいわゆる‘紙ジャケ’のCDって、話題になったものでもだいたい2000〜2500枚売れればマシらしい。大ヒットと言われるものでも7000枚とかとのこと。おまけに、紙ジャケはそのジャケ自体がシヴィアな批評にさらされるので、およそ利益が出るプロジェクトじゃないとも。中古レコード屋が儲からない仕事だとすると、いったい音楽って誰が儲かるんだ?どうでもよいヒット・ミュージシャン?

1月13日(木)
‘売文を業とするやうになってから、日常の明け暮れにうつかりしてゐられないと云ふ事を切実に感じる’とは、内田百閧フ言葉である。私は売文を業とはしていないが、じつは当日記のネタさがしのためにいつもアンテナを張っている。近頃、毎日が過ぎ去ってゆくことに、漠然とした不安を覚えることを禁じえない。アンテナを張っているという気持ちでいるだけで、ちょっとは毎日に張りがでてくる気がする。皆様にニヤリとしてもらうネタをお届けすること以外にも、自分のための日記でもある。

1月10日(月)
ドアを開けたはいいが、‘アレ、場違いだ’といった感じの若者2人。入ってくるなり、手近なレコードを次々と抜き出し見てみる。そして‘こんな感じの、ばあちゃん家の屋根裏にいっぱいあるよ’とのたまう。私は‘ばあちゃん!!??’、といぶかったが、彼は続けて‘うちの父ちゃんが聴いてたやつ’と言ったので納得。世間一般の人にとっては、レコードなど過去の遺物である。我々70年代以降の生まれの者にとっての火鉢や真空管テレビみたいなものである。今日は他のお客様とも、‘もう音楽にはパッケージは必要ないと考える人々が多い’という話をした。CDというパッケージなら必ずしも必要ないかも知れぬが(デジタル音源)、やっぱりレコードは別物だな。と、一部の世と隔絶した趣味の世界に生きる小生は思うのである。しかし、趣味の世界なんてのは、そういうものだとも思うのである。

1月9日(日)
たまたま郵便を事業の柱としている某公社で働いている方がいらしたので、一昨日の日記の顛末を話し、最良の対策を請うてみた。‘なじみのお客さんだったら、俺ならとりあえず1枚渡して、後で自腹で50円くらいなら払っとくけど’とのこと。結局しっかりした規定は無いようで、‘ごめんね〜’と謝られてしまった。とにかく、‘でもそれは言ってあげた方がイイネ’とのことなので、やっぱり次回に階下の郵便局を訪れた際に言ってみよう。べつにハガキ1枚どうでもいいのだが、万一7日の売り上げの計算が合わなくてあたふたしていたら気の毒なので。

1月8日(土)
先日、ある子供が着ていたトレーナーに目を奪われた。大きく英文字が書かれていたのだが、そこには‘MIKI MOUSE’と。すごく感心した。一気にふたつのブランドをパクるとは。

1月7日(金)
これだけ人望の無い私にも年賀状というヤツは来るわけで、いただいたからには必ず返事を出すことにしている。そこで今日、階下の郵便局で10枚を買い足した。店に帰り印刷しようと思ったら、9枚しかない。あきらかに9枚しか受け取っていない。その旨を郵便局のスタッフに伝えようとすぐに店を飛び出したが、廊下に足を踏み出した瞬間冷静になってみた。きっとこういうのは、一歩でも販売が行われた敷地を離れたら、問答無用で受け入れてもらえないのでは、と思った。そう、銀行のように(そうらしいぞ)。こういう場合、9枚しか受け取っていないということの証明はムリだ。しかし、私は10枚分の500円を支払ったし領収証もある。考えようによっては、たかが50円。きっと、郵便局は販売した商品とその収入をきっちり管理していると思うので、わざわざそのことのために赴くのではなく、次回訪れた際に、‘1月7日のハガキ販売、1枚計算合わなかったんじゃないですか?’と、チクリと言ってみることにした。とりあえず、この日記にそのことを記したということは、ある意味証拠になるかも。皆様も証人ですよ。

1月6日(木)
年初から、HOT VINYL右隣にあった不動産屋が古着屋になった。不動産屋が古着屋の経営に乗り出したというわけではなく、2軒左にあった古着屋がさらに勢力拡大を図ったのだ。今までの不動産屋はたいてい不在で、いろいろ厄介だったこともあるので、まぁフロアに活力が出るのでは、と期待はしている。しかし、いろいろと懸念が無いこともない。何度も言うが、どなたか、当ビルで中古レコ屋を始めませんか?ますます心細くなる毎日である。

1月3日(月)
昨日から、横浜駅周辺はゲキ混みである。南幸橋のあたりなんて、車が数珠繋ぎでもうタイヘン。行きたくもなかったのだが、相鉄口の郵便局の臨時窓口まで年賀状を買いに行った。お金を払おうと財布を出した際、窓口のノボリを持った男性に肩を叩かれた。見ると、階下の南幸郵便局の局長さん。‘今日からもう営業してるんですか’と、驚いていた。それはこっちのセリフです。局長さんは‘いっぱい年賀状を売らなきゃイケナイんですよ’と、真剣に言っていた。お互い新年早々、売り上げを確保しなきゃならないんです。昨日今日のお年玉は、シングルBOXと、20%分の金券でした。また機会があれば、特典つきセールをやりたいと思っています。

1月2日(日)
HOT VINYLの近所に、昼食で行きつけの中華料理屋がある。料理人を始め、スタッフもほとんどが中国系の人たちで、ときどき日本語が通じない店だ。今日もそこを訪れたのだが、昨日の元日も営業していたらしい。さすが中国人!、商売人である。私も過去、旅行中のヨーロッパで、クリスマスやイースターの時期に幾度と無く中華料理屋には救われてきた。でも、日本語は通じて欲しいぞ。

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